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6月は「毎日チョウゲンボウ」6/1更新分

6月は「毎日チョウゲンボウ」
1990年に平凡社より刊行された平野伸明の写真集「チョウゲンボウ(Kestrel)優しき猛禽」をWeb用に再編集し、6/1~6/30の間、毎日更新するという企画です。どうぞ、お楽しみください!

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山梨へ

幼いころから生き物や自然が大好きだった私は、高校3年の終り、18歳の春に、偶然、埼玉県の西部を流れる高麗川でカワセミを撮影中の動物写真家、嶋田忠さんと出会った。

それから1年の間にときどき、嶋田さんの仕事をお手伝いさせてもらい、氏の人柄と仕事に対する真摯な姿勢に接し、私は大きな影響を受けた。

そして、いつしか私も同じように自然を舞台に仕事をしてみたいと思いはじめ、とりあえず私は大学生として、自然豊かな山梨県の甲府の地を踏むことになったのである。

四方を山に囲まれた甲府で暮らすというのは、関東平野のまん中で育った私にとってはまさに憧れの生活であった。

私は腰を落ちつかせるひまもなく、毎日フィールドに飛び出していった。甲府市周辺の環境は、私の期待を少しも裏切ることのない、素晴らしい自然の宝庫だった。

私はまわりの山々や沢をくまなく歩いた。小さな山あいの沢ではカワガラスやミソサザイが美声を響かせて私を迎えてくれたし、少し奥に入ると瑠璃色が鮮やかなオオルリやコルリ、そして時にはアカショウビンの「キョロロロー」と鳴く声も流れてきて、私は山国へ来た喜びに浸った。

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著者紹介:平野 伸明(ひらの・のぶあき)

映像作家。1959年東京生まれ。幼い頃から自然に親しみ、やがて動物カメラマンを志す。23才で動物雑誌「アニマ」で写真家としてデビュー。その後、アフリカやロシア、東南アジアなど世界各地を巡る。38才の頃、動画の撮影を始め、自然映像制作プロダクション「つばめプロ」を主宰。テレビの自然番組や官公庁の自然関係の展示映像などを手がける。

主な著書に「小鳥のくる水場」「優しき猛禽 チョウゲンボウ」(平凡社)、「野鳥記」「手おけのふくろう」「スズメのくらし」(福音館書店)、「身近な鳥の図鑑」(ポプラ社)他。映像ではNHK「ダーウィンが来た!」「ワイルドライフ」「さわやか自然百景」や、環境省森吉山野生鳥獣センター、群馬県ぐんま昆虫の森、秋田県大潟村博物館など各館展示映像、他多数。
→これまでつばめプロが携わった作品についてはこちらをどうぞ。

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