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『行った気になる世界遺産』感想文

『行った気になる世界遺産』週末じっくり読みましたが、素晴らしい本でした。
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この本のすごい所は、著者が「訪れたことのない世界遺産」について、完全に「想像だけ」で、旅行記と挿絵を描いていることです。

コロナ自粛期間、どこにも旅に行けないけれど、目を閉じれば、この作家さんの心の中には、美しい光景が隅々まで見えていたのでしょう…。文にも挿絵にも、世界の人々を愛し、歴史を敬愛する、温かく誠実な人柄が現れています。

普段の私は、本を読むとネットで実際の写真やYouTube動画を調べますが、この本に限っては、文と挿絵だけで想像を膨らませることを選びました。まるで胸の中に、旅先の音や匂いまで染み渡ってくるように感じました。何度も読み返し、味わいたい一冊です。

最後に、この本の著者について。
この本は、著者の名前を出さなくても、内容だけで売れると思いますが、著者は俳優の鈴木亮平さんです。

亮平さんが世界遺産検定1級、英検1級を取得し、ドイツ語のスピーチコンテストで優勝するほど語学堪能なことは知っていましたが、文と絵もこんなに上手なのですね…。
これほど想像力と言葉の力のある人だからこそ、あんなに素晴らしい演技ができるのでしょう・・・。

私は『天皇の料理番』で佐藤健くんのお兄さん役で、亮平さんの演技に圧倒され、『精霊の守り人』のヒュウゴが素晴らしすぎて涙を流しました。

ここに上げた挿絵
①ポーランドのワルシャワ 戦争でナチスに爆撃され、焼け野原になってから、学生たちのスケッチを元に完全に復元した街並み。民族の誇りに黙とうし、沈黙にたたずむ旅人、亮平さんの随筆に涙。

②イタリアのヴェローナ。『ロミオとジュリエット』の舞台となったこの町は、バレンタインデーになるとライトアップされる…。ロマンチックな旅エッセイでした。

③ロシアのキジ島の木造教会。(トップ画像)
タマネギ型曲線の美しい塔もさることながら、300年前、釘や金属を一切使わず、木材と斧だけで作り上げたその建築法も驚異的。美しい建築を見ると、歴史も知りたくなる。世界遺産を巡っていると、そんな奥深い楽しみがあるのも素敵だと、亮平さんが教えてくれます。

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