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「メイドの手帖」感想&PayPal寄付

先週から私が読んでいるアメリカのノンフィクション小説"Maid"を紹介させて下さい。

★"Maid: Hard Work, Low Pay, and a Mother's Will to Survive"(Stephanie Land)
https://amzn.to/329iGVy

【あらすじと、本の説明】
20代のシングルマザーStephanieは、富裕層の家を掃除するメイドとなる。勤務時間が長く重労働で、それでも給料が少ないきつい仕事と、まだ小さな娘を預けるために保育園を往復する日々。
その生活の様子を丁寧に綴ったドキュメンタリー小説"Maid"は、昨年アメリカでベストセラーとなり、Netflixでのドラマ化も予定されている。

🍀✨🍀✨

まだ約半分しか読んでいないので、本当は読み終えたら書評を書くつもりでしたが、
この小説に"PayPal donate button"という制度が出てきました。
何のことかわからなかったので、調べてみたところ、勉強になったので、皆さんにもシェアしたいと思います。

11章でStephanieは、同棲していた男性Travisとの関係が上手く行かなくなってしまい、月末までに家を出ていくように言われてしまいます。 (ちなみに、Miaちゃんの父親にあたる元彼は、少し暴力的なところがあり、育児にも非協力的なので、別れています)
しかし、シングルマザーで貯金もなく、満足な収入もないStephanieと2歳の娘さんに、部屋を貸してくれる不動産業者はいません。

お金のことで友達に相談するなんて、恥ずかしくて本当に嫌なステファニーでしたが、恥を忍んで友達に相談すると・・・ (以下、本文から抜粋)

After I reached out to a few friends, they encouraged me to set up a PayPal "donate" button. (中略) I hated asking for money. I hated admitting that I failed again at making a relationship work. (中略) But then, the messages from friends through Facebook started coming, full of encouragement and love. People sent $10 or even $100. Every donation, no matter how small, made my eyes wet.

(日本語訳)
友達に相談したところ、"PayPal donate button"を立ち上げるように薦められました。私はお金を要求するのが嫌でした。また自分が人間関係で失敗したことを認めるのも嫌でした。だけど、友達からFacebookで愛と励ましに満ちたメッセージが届き始めました。10ドルや、100ドルを寄付してくれる人もいました。どんなに小さな寄付でも、私は嬉しくて泣いてしまいました。
(引用ここで終わり)
※訳したのは私なので、美しい日本語ではなくてすみません。

今年は日本でも、コロナ禍で困っている人がたくさんいました。
そんな時、困っている身近な友達に、少しの寄付ができるシステムがあれば、どんなに良いだろうと思いました。
だからこのPayPal donateシステムはgood ideaだと思ったのですが、
複雑な理由により、日本ではまだ実現していないようです。
(こちらのブログにその事情が分かりやすく書かれていました)
https://o-team.co.jp/contents/donation-now-button

この小説"Maid"は、最近になって日本語に訳されたようです。
『メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』ステファニー・ランド著
https://amzn.to/3bzrebg

今、私は英語で読んでいますが、著者ステファニーさんの文章は、つらい仕事に真摯に向き合う誠実さ、可愛い娘Miaちゃんへの深い愛に満ちています。
この文章力と、人生への分析・観察力があったからこそ、彼女は自分の人生の苦難を乗り越えたのでしょう。ぜひ読んでみて下さい。

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