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迷わない背中

この先どこへ進んだらいいのか、わからなくなるときがある。
間違いなく進むべき方向がわかっているときならいい。
その方向にそってただ進んでいけばいいのだから。

問題は道がわからなくなりそうなときだ。
どっちに行ったらいい?
右か、左か。
自分の選択が正しいかどうかなんて、そのときにならなければわからない。
誰にも、わからない、はずだった。



ドドドドドッ!
急に石を掘り当てたような感覚が右手を襲った。

「痛ぇえ!!!」

先日の筋トレでお互い疲れ果てたので、夫の背中にマッサージガンを当てていたときのこと。

検討はずれな場所へ進むと、骨に当たって道が消えたみたいに手元が暴れ狂った。

痩せていると、大変なこともあるのだなと呑気に思った。

「ごめん、脱線した!」

その背中の道筋は決まっている。
ただ私には見えない。

すまぬ、夫よ。
飛び上がる君が楽しくて、少しだけいじわるしたくなるんだ。

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