午後3時の憂い
君との会話を思い出す
「ねぇ、どう思う?」
「なにについて?」
珈琲カップから立ち上る湯気を眺めながら続きを待つ
秒針の音と、君の荒い鼻息が聞こえたところで僕は読みかけの本に目を落とした
それきり君は何も言わなかったから、結局その話はそこで行き止った
しばらくして窓の外に目をやると、猫が一匹塀の上で伸びをしているのが見えた。そののんびりした姿に僕もあくびが出て、ついでに伸びをした
憂鬱なのは、君との会話が遠い過去のことだから
続かない会話でも、僕にとってはのんびりとして居心地の良い時間だった
焦ることもなく、焦らされることもなく、焦らせることもなく
時間は規則通りに時を刻み、僕らはその線上に寝転んでいた
そんな時間が永遠に続くと思っていたのに、永遠に続かない日がこんなにも早くにやってくるなんて思わなかった
僕は胸の中で君に問う
ねぇ、こんな日をどう思う?
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