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そこにいた過去

産まれたのは朝だった

そこから、幾千もの夜を越えながら
呼吸を続けて僕は透明になろうとしている

張り詰めた糸が切れないように
少しずつそっと
紡いでいく

時間の流れに身を置いて
君を通り過ぎ
誰かとすれ違い
あの人に追い越され

触れ合うぬくもりも忘れたころ
僕は透明になれるのかもしれない

遠くに消えた記憶が蘇り
近い記憶が消え去り
僕は無に還る

あったはずの影は
いつの間にか消えている


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