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おでん味噌の話

写真は甘やかしうどん。(笑)

愛媛に生まれ育ったのだが、
院進学を機に名古屋へ行って知ったことがある。

愛媛の外には「おでん味噌」がない。
少なくとも住んだことのある名古屋と今住んでいる東京では見たことがない。

おでん味噌とはなにか……というと、おでんにつける甘いからし味噌のことである。
これがなんともいえぬ旨さで、これがあればおでんがなくてもご飯が食べられる。
私はこのおでん味噌こそが欲しいのだ。

同じ日本国内といえども、やはり境を越えれば別の文化があり、生まれ育ったところでは当たり前のように売っていたものが手に入らなくなったりする。

以前、高校の時の同級生で関東に住んでいる友人にこの話をしたことがある。
すると彼女は、愛媛でしか買えないようなものは家族が送ってきてくれるというのだ。

そこで既に格差を感じた。

私には仕送りをしてくれるような家族がいない。
いや、母は死んでいるが、父や弟やおばが生きていてどこで何をしているのかわかっているだけでも恵まれているかもしれない。
親から仕送りがあるとか、おばあちゃんがいつまでもお年玉をくれるとか……。
そんなことは人生の棚からぼたもち、宝くじが当たるようなものなのだ。
もしあなたにそんな親族がいるのなら、それなりに大事にしてほしい。
それは得がたいものである。


とかく、大人とは、子供の頃に慣れ親しんだ味に出会えずとも強く生きていかなければならないのである。


愛媛のおでん味噌、調べてみるとお取り寄せも出来るかもしれないし、いろいろな方がレシピをあげてくれていた。
今夜は自分でおでん味噌を作ってみようと思い作ってみた。
たいそう美味しかった。
次から自分で作ればいい。
自分の欲しいものは自分で手に入れればいいのだ。

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