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第94回「読書のすすめの落語のすすめ」ありがとうございました!

第94回「読書のすすめの落語のすすめ」会場&オンラインで、感染防止対策をしながら開催させて頂きました。ご参加の皆様、ありがとうございました。

三遊亭全楽師匠の一席「青菜」はこんな噺、

ある隠居の家で仕事をする植木屋、その時交わされた会話の、隠居の上品な物言いにすっかり魅了された植木屋は、長屋に戻りそっくりそのまま真似て言う…
隠居になりきった植木屋が、仕事をサボって湯に行こうとしている大工の熊さんを捕まえて、「植木屋さん、精が出ますな」と。
こんなチグハグで終始する「青菜」の噺、私はこの手の噺が大好きです!



そして、私がおすすめさせて頂いた縦糸の読書”一冊目は、「Be Water My Friend 友よ、水になれ」“シャノン・リー著

武術家でありアクションスターのブルース・リーの娘シャノン・リーが、父ブルース・リーの哲学を紐解いている。

ブルース・リーは尊敬できる人に会うと、その人の読んだ本を教えてもらい読みこんだという。そして、その読書家の哲学と武術で到達した境地が「Be Water 水になる」だった。

水はどんな形にもなり、やわらかくもなり強くもなり、流転し続けながら、本質は変わらない。

シャノンが四歳の時、父ブルース・リーは亡くなり、シャノンは偉大な父の大きなプレッシャーに潰されそうになりながら、父の遺したものを保存し世界に広める仕事の中で、娘だからこそわかるブルース・リーの本質的な愛やエネルギーを、ブルース・リーの遺した言葉に自身の体験を乗せて、これを著した。

偉大な父のようになるのではなく、自分が出逢う人・ものなどすべてを溶け込ませ、たゆまずに進み、Be Water 、水に、自分自身になったシャノン・リー。

私自身、誰かのようになることを望んでばかりでした。水のように、自分自身になれ、というメッセージは、心の濃霧が晴れるような光でした。



落語「青菜」は、人が他の誰かになろうとする滑稽さを笑う、今の自分自身を笑い飛ばす噺でした。

「Be Water My Friend  友よ、水になれ」
シャノン・リー著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=161947156


三遊亭神楽師匠の一席「小間物屋政談」は、
情をかけたばかりにとんだ目にあってしまった行商の小間物屋小四郎の噺、渇愛や裏切られた憎しみをさっと流す名奉行大岡裁きに救われる。

神楽師匠の、座布団一枚の上に繰り広げられる世界に、皆さん固唾をのんで聴き入っていました。


そして、私がもう一冊おすすめさせて頂いた“縦糸の読書”は、「平和の発見」花山信勝著。

敗戦後、東京裁判で東條英機ら七名が戦争犯罪者として絞首刑になりました。巣鴨の拘置所で、浄土真宗 僧侶 花山信勝さんが教誨師(きょうかいし、受刑者を教え諭し導く)を務めました。

受刑者のものを一切受けとるのをGHQから禁じられていた中で、鉄格子越しに聞いた受刑者の声を花山さんが書き記したもの。

七名のA級戦犯のうちだいたいの方が、他宗教から浄土真宗に改宗して、みな南無阿弥陀仏を唱えながら絞首刑台に昇って行きました。

この世で人は、憎悪で燃え盛る炎の川に焼かれたり、貪る欲の濁流の川に飲み込まれたりします。阿弥陀仏への信心でそこを超えて行く、

戦争犯罪者として裁かれた人達も、花山教誨師によって、
憎しみの炎の川と貪りの濁流の川を超えて、心に平和を発見して、旅立って行った。



落語「小間物屋政談」の小間物屋小四郎は、大岡裁きへの信心によって、憎しみや貪りの川を超えて行ったのでしょう。

「平和の発見」花山信勝著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=163117920
読書のすすめHPで売り切れとなっています。希望者が増えれば増刷があるかも?
🌟この中で紹介されている清水店長のブログを、ぜひお読みください。

そして今回の「読書のすすめの落語のすすめ」において特筆すべきは、トリーマンによるアコーディオン演奏。三回目となります。

演奏の前のトリーマンのMCに、会場が水を打ったように静まり返りz、一つになりました。
実体験の話に、胸がじーんと。
百年先にも語り継がれるべき話でした。
トリーマン、ありがとう!!


次回の「読書のすすめの落語のすすめ」は、
10月13(水)19:30より読書のすすめにて。
Zoomでのご参加もできますので、ぜひご参加ください。お待ちしております。

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