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【脱炭素先行地域】岡山県西粟倉村

久々に脱炭素先行地域についての記述になります。

今回は静岡市、川崎市に続いて3自治体目になります。2自治体目の際に記述していましたが、今回は町や村のような小規模な自治体をみてみたいと考えたため、岡山県の西粟倉村を選びました。「にしあわくらそん」と読むようで、人口は1500人より少ないくらいのようです。

Noteを書きはじめる前に自治体概要やこれまでの脱炭素関係の取り組みを下調べしたりしているのですが、今回は少しびっくりしました。公式HPのつくりがすごいきれいで、少し住みたくなりました。それでは、早速内容を見ていきましょう。

提案内容概要(岡山県西粟倉村)

出典:環境省 第1回 脱炭素先行地域の概要 P5
(https://www.env.go.jp/press/110988/117963.pdf)

概要で驚いたのが、再エネソースの多さでした。太陽光、風力、小推力、バイオマスが登場しており、他の自治体が太陽光を主軸に考えているのに対してかなり多面的な考えに見受けられました。以下詳細にて詳しく確認していきたいと思います。

提案内容詳細(岡山県西粟倉村)

出典:環境省 第1回 脱炭素先行地域の概要 P29
(https://www.env.go.jp/press/110988/117963.pdf)

共同提案者が3社おり、銀行として中国銀行、コンサルとしてエックス都市研究所、テクノ矢崎という会社はエネルギー関係設備の保守・メンテナンスを主な業務としているようです。

対象範囲

対象範囲としては、村の公共施設、村営住宅や産業・商業施設のようです。

取り組みの全体像

取組内容としては、各施設の屋根等に太陽光、風力、蓄電池を導入し、既存の小水力、太陽光、木質バイオマス発電を活用し、エネマネを行いながら、全電力使用量の30%の削減を目指すというものになっていました。また、エネルギー消費量の見える化により、村民へのナッジも目指すようです。

主な取り組み内容

コンサルが図を作成した形なのか、きれいな将来図が掲載されています。

民生部門の取組内容の詳細としては、屋根置きの太陽光・蓄電池による自家消費を推進する。また、2022年度設立予定の地域新電力がPPAやVPP(バーチャルパワープラント)を推進し、データプラットフォームとよばれる場所にて熱エネルギーを除くエネルギーを一元管理するとなってます。さらに施設にはLED照明、高効率換気設備、断熱改修、ZEB・ZEH化の実施となっています。

民生部門以外の取組では、木質チップのバークボイラーの導入が記載されています。

スケジュールを見てみると、各種取組を2023~2026年に進めていく形となっており、文章としては記載されていなかった地中熱やEV等のモビリティの導入についても確認することができます。

取り組みにより期待される主な効果

取組による効果としては、地域新電力設立による地域経済基盤の創出、木質バイオマス事業による循環社会の実現が記載されています。

脱炭素取組における考察

もともと環境モデル都市やバイオマス産業都市に選定されるといった脱炭素の素地がある村であり、複数のエネルギーソースを含む形で素晴らしい計画になっているとは感じましたが、正直に記述するとこの計画の実現には関係者の相当な努力が必要なように感じました。

VPPを考慮しながら、地中熱を考えて、風力もバイオマスにも手を出す形となっており、小規模な村でここまで総括的な取り組みが達成できれば、これは相当なモデルケースになると考えました。相当な支出になるのではと考えており、引き続き取り組みをフォローしたい自治体だと感じました。

今回はここまでになります。あと25自治体ありますが、少しずつ確認していきたいと思います…。引き続きフォローいただけますと幸いです。


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