洋画で身についた英語力

1番最初に好きになった映画はターミネーター2。
1番最初に好きになった有名人はシュワちゃん。
私は小さい頃から洋画が好きだった。
小学校でALTの先生に会うよりも確実に早く映画を通して外国人に出会っていた。
ディズニー英語システムや英会話などの英語教育は全く受けていない、そんな日本生まれ日本育ち日本語話者の私であるが、漢字を習うよりも先に外国人(この頃の私にとって外国とはアメリカを意味する)への憧れは持っていたと思う。
小さい頃は親の好みや地上波の影響で吹き替え版を観ていたので、英語に触れてはいないが、誰に勧められたわけでも海外に触れる生活をしているわけでも身近に外国人がいたわけでもないのに、自ずと英語圏の人や作品に興味を持っていたのは我ながら才能だと思うし、好きこそものの上手なれという点では周りよりもかなりリードしていたのではないかと思う。
そして気づいた頃には字幕派に移行しており、英語を耳にする機会が増えていった。
ロード・オブ・ザ・リング、パイレーツ・オブ・カリビアン、unoの異常におしゃれなCMなどを経由しオーランド・ブルームが人類で1番かっこいいと思っていた頃もあった。
同じ部活にブラッド・ピットが人類で1番かっこいいと言っている人がいてなるほどなとも思ったことも今思い出した。

大学以降は洋画(字幕)派に拍車がかかり地上波の放送でもリモコンで音声を英語に変えて視聴する徹底ぶりだ。
吹き替えは観なくなった。(ピクサーは例外)
でもアニメで「この人の演技自然で良いな」と思ってエンドクレジットで声優さんの名前を確認しウィキペディアで出演作品を調べてみると、洋画の吹き替えをメインでやっている人であることが多いという謎のすれ違いが発生している。
カタカナの名前が覚えられないという理由で世界史に苦手意識があったくせに(でもマルクス・アウレリウス・アントニヌスだけ言える奴)、ハリウッドスターの名前は苦労せずに勝手に覚えている。
人生は矛盾で溢れている。

そう、このようにして幼少期から大人になった現在まで私は洋画を通して自然と英語のリスニングをしてきたし、英語圏の文化に触れてきた。
努力を努力と思っていない。才能である。

そしてある日夢にオーランド・ブルームが出てきたことがあった。
オーランド・ブルームは私を含めた群衆に囲まれており、インタビューに答えているようだった。
この時私は目の前にいるオーランド・ブルームの言っていることが通訳なしで理解できたのだ。
しかしすぐにある違和感が私を襲った。
私の視界の下の方に字幕が出ていたのである。

字幕がなければ何を言っているのかまるでわからない。

We will be changing to another track. If you are standing, please hold on to the hand strap or rail.
これ学生時代めちゃくちゃ聞いてたのに正確に聞き取れなかったし。

以上のことから、
「洋画を観ているだけでは英語力は身につかない」に私は一票を投じている。

映画館で流れる予告(たっぷりと間をとりながらゆっくりとセリフを言うシーンがピックアップされがち)で、英語の語順は結論が先に来るからこの後に出てくる日本語字幕を予測できて「フフ…数秒早くネタバレしてるじゃん」とニヤリとする程度の英語力しかまだ身に付いていない。

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