飲み会は好きだけど懇親会は苦手

特に仲が良いわけでもない同級生と放課後に遊びに行くだろうか?行かないだろう。
それと同じで、仲の良い友達と飲みに行くのは好きなのだが、仲良くなるための飲み会は苦手だ。
大人になると途端に"仲が良いわけでもない人といきなり放課後に遊びに行く"が発生するが、考えてみるとこれは自然の摂理に反しているので苦手と感じるのは仕方がない気がしてきた。

相手のことを知るための場でうまく振る舞えないのが私の悩みだ。
そもそも相手のことを知りたいという気持ちが根底にない人間なのでとても難しい。
こんなことを言うと「興味ないね」ってなかんじでクール気取ってる風に見えるかもしれないが、断りを入れておくと私はクールなミステリアス二枚目キャラではなくただの求心力と社交性に欠けた陰(いん)の者だ。助けてくれ。
前者が教室の後ろの窓側の席にいる一匹狼だとしたら、私は教卓の目の前の席にいるようなイメージだ。(席替えのくじでそこになったけど誰かと交渉して後ろの方や仲の良い友達の近くの席と交換するということもせずに神(紙)の思し召しのままに席が決まる)

その人がどんな人なのか興味がないのに、懇親会では地元はどこかとか、趣味とか好きなものは何だとか休日何をするのかとかそういう話に縛られがちだ。
そしてなぜかこういう場に限って見事に共通点が出てこないという不思議。
私は人に何かを勧めたりアツく語るという定番の状況をあんまり楽しいと思えない。
聞いている時はだいたい「へー!楽しそうですね」「良いですね〜」くらいの気の利かない感想しか浮かばない。頭をひねってみてもその後に続く言葉が出てこないので飲み物に手を伸ばし、"喋りたくても飲み物を口に含んでいるので喋ることができないだけの人"を装ってしまう。ああ、なんて情けないんだ。
楽しく会話がしたいのに。

趣味と好きなもののプレゼンでおもしろいのってアメトーークの○○大好き芸人くらいじゃないか?
あれはお笑いのプロだからできる所業だろう。
しかもアメトーークはホトちゃん(とゲスト1人)が知らない側の人なだけで他の人はみんな同じ趣味を持つ者たちだ。
なのになぜ私たちはお笑いの素人にもかかわらず好きなものをそれを知らぬ者たちに語ろうとするのか。
ホトちゃんがひな壇の芸人達にひとりでプレゼンをするようなものではないか。
そんな逆アメトーーク、おもしろくするなんて凡人にできるはずがない。

懇親会が終わると、自分の人間性や社交性のなさに落ち込む。
とにかく誰とでもいいかんじに会話ができるようになりたい。
そんな私の願いが届いたのか、突如ひとつのアイディアがひらめいた。
私は人の本体にはそんなに興味はないが、人から出力されるものには興味がある。
知識や生い立ちに関係なく誰でも考えて答えられる話題があればいいのかもしれない。
そうか、人志松本の酒のツマミになる話みたいな話題を持って行けばいいのか!
いいのかもしれない!(自信はない)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?