ベージュのトレンチコート以外に春に着るコートない説

「ベージュのトレンチコート以外に春に着るコートってこの世に存在するの?」

こう自問自答し続け、一体どれほどの月日が経ったのだろう。

スーツにもオフィスカジュアルにも完全なる私服にも合うのだから間違いなく便利である。
生地の厚さだけでなくベージュという色も春に適しているように思われる。
みんな着ているのも納得だ。

以下の画像をご覧いただきたい。

<気温別>オススメの服装

https://weathernews.jp/s/topics/202103/310055/

なんとここにもベージュのトレンチコートが出てきている。
驚くべきことに、こんなにも具体性を帯びたコートが、星の数ほど種類がある冬物コートと同等の単位として扱われている。
ここには本来「春物コート」という言葉が入るのが自然だとは思わないか?
やはり春に着るコートはトレンチコートしかこの世には存在しないから春物コート=トレンチコートなのだろうか。

自問自答なんてせずに大人しく便利なベージュのトレンチコートを着ればいい。

なのに何故他の選択肢を模索し続けているかというと、就活生につられてなんか気分が下がるから(失礼)である。
まじで就活生に一切罪はない。就活してて偉い。
ただもはやベージュのトレンチコートは就活生の制服と化しているため、それを身に纏うと身も心も彼らと同化してしまうのである。
もちろん就活をしていない人たちもベージュのトレンチコートを素敵に着ているが、堂々と着こなすほどのこなれ大人パワーは私にはなく、もし組分け帽子がこの世の人間を就活生か就活生以外かに組分けすることがあったら、私は不安げでやむなく着ているというマインドを見抜かれ就活生チームに組分けされるであろう。

気分が下がるのを防ぐため、春は結局生地の厚さは丁度良くても明らかに趣の異なる秋のコートを着たりなんかしている。
ベージュのトレンチコート以外に着られるものがなにもわからない私のことなんてお構いなしに、草木は新緑に覆われ初夏を迎える。
こんな風に春は気がついたら終わっているので、こんなかりそめの季節は無視でいいか、と毎年おざなりにしている。
春は無視して良い。

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