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はじめての個展をふりかえってみる。②

こんにちは、Takumaです。
前回に引き続き、はじめての個展をふりかえるnoteです。今回は大きく伸ばした写真たちと共に、水のうつろいをどのように表現していったかを綴っていきます。それでは、是非最後までご覧ください。

展示した写真について

それでは、展示した写真を1枚ずつ見ていきたいと思います。今回の展示のために作成したPlaylistと是非一緒にお楽しみください。

朝、太陽が登り始める前。真っ黒な空も青く澄んだ色に変わり始めた。熊本の阿蘇にある草千里には、雨がつくりだした大きな水たまりがあった。この日は月が映り込んでいる姿が綺麗だったので撮影した。奥と手前では水面の様子も違う。奥は風に揺られて波紋が広がっていて、手前は凪で波が立っておらず、鏡のように空に広がる景色を写しとっていた。

山では斜面に沿って空気が上昇すると、冷やされて霧ができる。雨が降った後ではなおさらだ。この日は雲海を見ることを目的としていたため、ちょっぴり残念ではあったけどいい景色に巡り合うことができた。

山で生まれた霧が草千里の方へ降りてくる。刻一刻と動くため、霧の量が増えたり減ったりして見える世界も変わっていく。僅かな光が地面の芝生に当たってグラデーションを描いている。

日が登ってきて、丘の陰から姿を現す。この地に暮らす馬が水を飲みにくる。今日もまた、1日が始まる。


場所は少し移動して、渓谷へ向かう。標高が下がったためまだ太陽は見えず、暗い遊歩道を歩いて奥地へと進む。写真は、渓谷に流れる豊かな水を含む大きな木々の隙間から光が差し込んできた瞬間を残した一枚。


渓谷に入る光の量が多くなり、前日までの雨の影響で盛んに弾ける水の粒子に当たってカーテンのようにゆらゆらと煌めく。


渓谷に流れる水は受け取る光の量によって表情を変える。ここは、川上から流れてくるものと、底から湧き出てくるものが混ざっている場所。水の色は元々無色透明だが、条件が重なることで複雑な色をつくり出す。水色や黄色、茶色などさまざまな色が現れる。


僕たちの暮らす街まで水が流れてくる。時には、水は鏡のように上に広がる儚い光景を閉じ込める。桜の欠片も落ちてはどこか遠い場所へ運ばれていく。そうしてまた一年が過ぎていくのだと思う。


川から海へ。こうやって水は渡鳥のように住む場所を点々と旅しながら、どこかのタイミングで誰かの心に刻まれていくのだろう。



水のうつろいについて

水は、光によって命を吹き込まれ、刻々とすがたを変化させる。

Photo Exhibition #03 光と水の記憶

太陽が昇って、段々と傾きが変化して、沈んでいくという1日の流れの中に写真を当てはめてみました。実際は撮った場所や季節、撮影した年もバラバラですが、同じ時間軸の中で水のすがたやかたちが変化していく様子を楽しんでいただけたら幸いです。

毎日同じように時は過ぎていくけど、世界のどこかで美しい光景が広がっている。それは身近なところかもしれません。見落としていた世界に気づけるように。そんな思いを持って写真を撮り続けています。

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