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テニスの稲本コーチさんのマガジン【抜粋】

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#お父さん

徹底的にやる

 苦手なショットの練習をする。良く見る光景で、皆様のお子様も取り組んでいると思います。その際、僕がアドバイスするのは とにかく徹底的にそればっかりやるということです。それが結果として一番効率がいいです。練習時間が1時間あるとしたら、とにかく55分はそれをやりましょう。 2時間、3時間、1日でも構いません。これまでたくさんの指導者を見てきましたが、植え付けたい何かがあるときには徹底的にやっています。練習の最初から、そればっかりやります。そこを意識しないと、ついつい、フォアも

お子様に嫌われずに言いたいことを言う方法

 お父さんのお母さんのテニスのアドバイスは、ある年齢を境に急に不快な表情をされ始めるのではないでしょうか?それ自身は成長の表れですし、避けられない事です。  でもその年齢になっても、保護者の意見をしっかり聞ける選手もいます。それは親子間のコミュニケーションの差です。  小学高学年以上になってくると、尊敬できるのはテニスが上手い人になってきます。もう少し年齢を重ねると、テニスが上手くなくても、良いメッセージをくれる人の言うことには、耳を傾けるようになりますが、それでも保護者

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コーチの存在意義の3段階

テニスコーチとの関係は、コーチと生徒という見た目の関係性は変わらないものの、その内実は、お互いの信頼感や過ごしてきた時間によって異なります。 大きく分けると ・受け身 ・対等 ・フィードバック の3段階に分けられます。もちろん、綺麗に時系列に進んでいくわけではなく、3つがバランスよく混ざっている状態もあります。 受け身 テニスを習いたての頃や、新しくその指導者にお世話になり始めた時は、選手は受け身の姿勢で、コーチの考えや理論を吸収します。コーチも自分の考えを知ってもら

練習の質って?

 練習って量が大事?質が大事?ってよくある問いです。これだっていう正解はないんだけど、テニスコーチという職業柄、『質』について考えてみました。  最初は量が大切で、だんだん質が求められるという一般的な答えがあり、その通りだと思います。  ただその最初の量の部分にも、その時にできるだけ身に付けたい能力、またその時でないと身につきにくい能力を想像して先回りしていくのが、長年指導をさせていただいてきたおじさんの役目。  ものすごくわかりやすい例を出すと、量を積み重ねる時に、ど

負け癖と勝ち癖どっちがいい?

負け癖があれば勝ち癖もあります。 負け癖は悪くて、勝ち癖は良いかと言うと、そう言い切れないと思っています。特に低年齢のうち、競技歴が浅いうちは。なぜかと言うと、勝ち癖は、 プレイが固定化しやすいから です。低年齢の頃ほど、自分の得意なことに気づき、勝ち方を知っていることは大きなアドバンテージになります。そして一度勝ち方を知ってしまうと、なかなか負けなくなります。それを見ている保護者の皆様から、「うちの子は勝ち方がわかっていないから」と言う質問を受けます。 ただ、この勝

鈴木貴男選手インタビュー④ 勝つことにこだわることの難しさ。「鈴木貴男が伝承したいこと」

この記事は鈴木貴男選手へのロングインタビューの第4弾です。 過去の1〜3弾の記事 稲本 先ほど、勝つ事と自分のスタイルを貫くことで、もうちょっと勝つ事にこだわっても良かったなっていうことをちょっとおっしゃってたんですけど、そこのところをもうちょっと深掘りして聞きたいかなって思います。これって誰もが自分のテニスにおいて考えてることだとは思うんですよ。僕なんて草トーの決勝行ったぐらいで勝つ事を優先してましたから。サーブ&ボレーやめてスライスで粘って優勝したりしてたので。世界の

鈴木貴男選手インタビュー③ 「鈴木貴男にとってサーブとは? ボレーとは? ストロークとは?足を動かすとは?」

この記事は鈴木貴男選手へのロングインタビューの第3弾です。 稲本 鈴木選手にとってずばりサーブとは?と聞かれるとどういう風に答えますか? 鈴木プロ そうですね。試合をする上では一番最初に打てるショットですので、ほんとに重要なのは、みんなも認識してると思います。フォームづくりだったり、グリップだったりとか、テクニックはもちろん必要なんですけど、結局は自分のゲームスタイルを作る上でどういうサーブを打ちたいの?とか、どういうサービスゲームをして1ゲームないし1セットゲームを試合

鈴木貴男選手インタビュー② 「あの試合に勝っておけば…鈴木貴男選手の後悔。」

この記事は鈴木貴男選手にインタビューをした記事の第2弾です。 第1弾はこちら。 稲本 ちょっと話それますけど、僕がスペインに留学している時に、同じクラブに高校時代のマレーがいたんですね。マレーを教えてるコーチと僕はよく話してて、マレーは絶対強くなるから見ときなさいみたいな感じで言ってたんです。そのコーチに僕はある日声をかけられて、鈴木貴男という選手がいますよねって言われたので、もちろん日本の1位だからって答えると、彼のネットプレーは世界で10本の指に入ると思うか?って聞か

鈴木貴男選手インタビュー① 「一つのスタイルを貫くことについて」

全4回にわたって、鈴木貴男プロが、次世代の選手に伝承したいことをテーマにインタビューした記事をご紹介します。毎週月曜更新予定です。 第1回の今日は、「1つのスタイルを貫くこと」について聞きました。鈴木選手といえば、サーブアンドボレー。そのスタイルを極めていく中でどんな葛藤があったのか?お楽しみください。^^^^ 稲本 なぜサーブアンドボレーを極めようと思ったのか?まずそこから聞いてみたいです。 鈴木プロ 単純に憧れの部分が大きいです。ジュニアの時にテレビで見た、エドバー