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 練習って量が大事?質が大事?ってよくある問いです。これだっていう正解はないんだけど、テニスコーチという職業柄、『質』について考えてみました。

 最初は量が大切で、だんだん質が求められるという一般的な答えがあり、その通りだと思います。

 ただその最初の量の部分にも、その時にできるだけ身に付けたい能力、またその時でないと身につきにくい能力を想像して先回りしていくのが、長年指導をさせていただいてきたおじさんの役目。

 ものすごくわかりやすい例を出すと、量を積み重ねる時に、どちらに来るかわかった状態でほぼ動かなくていいところにボールを出すのと、毎回ランダムな要素を入れながら、球数、スピード、回転などに変化をつけて出すのとで、身に付く基本は変わってくる。

それぞれのニーズに応じて、身に付けたい、また身につけさせたいゴールを明確にして取り組むといいと思う。週一でライトに楽しみたい仕事帰りのOLと、プロを目指したい小学1年生では、同じ初心者でも練習は変わってくる。

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コーチ目線で言うと、『質』とは、

何かしらの外的な刺激を加えないと、そのまま量だけをこなしていても向上しない能力のこと。

 小学1年生だと、何もアドバイスせずに1万球くらい打てば身に付く、ボールを運んだり、弾いたり、叩いたりする感覚も、月に数時間だけプレイする一般の方には、かいつまんで指導しないといけない。この場合、一般の週末プレイヤーにとって、弾く感覚が『質』の部分になってくる。

 骨盤・股関節の加速が不十分かつ、ラケットワークとの連動が良くないプロを目指すジュニア選手がいたとする。ある時期を過ぎれば、何万球打っても劇的な向上が見込めない状態になる。何かしらの外的な刺激を加えないと、そのまま加速力は向上しない状態で、他の技術がその上にのかっていくことになる。この場合、股関節とラケットワークの連動が『質』の部分になってくる。

テニスはボールを打っていれば上手くなります。量をこなせるからです。ただ、量だけではいくら積み重ねても、体得できない領域の存在を見つけ出し、そこにジャンプアップさせるために『質』が必要になります。


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