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夏の終わりの納涼話 ~ 唸る犬 ~


友人から以前聞いた話になります。

友人が彼女と彼女の犬と一緒に散歩をしていたそうです。

しばらく散歩をしていて、ちょっとお茶でも飲もうと言うことになりました。

かわいい服を着た犬も一緒に入れる、ドッグカフェを探し始めました。



ふと気づくと、犬は小さく「ウ~、ウ~」と唸っていたそうです。

友人と会うまでは体調が悪いことはなかったそうですが、心配なので抱き上げてお店を探すことにしたそうです。

ちょうど「ワンちゃん同伴OK!」のオシャレなカフェを見つけることが出来、席も空いていたので入店することにしました。

友人の腕の中で、犬は変わらず「ウ~、ウ~」と小さく唸り、かなり険しい表情をしていたそうです。



席に案内されると、店員さんがメニューと水を運んできてくれました。

犬好きと見えて「かわいい! コーギーちゃんですね♪ お名前は何ちゃんですか?」と。

一瞬、張り詰めた空気が流れましたが、友人が笑いながら「〇〇って言うんですよぉ!」と答えました。

店員さんは「〇〇ちゃん♪」と声をかけて、去って行きました。



機嫌が明らかに悪くなった彼女。

小さく唸り続ける〇〇ちゃんの横で、彼女がキレ気味にこう言ったそうです。


「チワワだっつぅのッッ!!」



そうなのです、〇〇ちゃんはダイエットに励んでいるのですが、彼女の見ていない隙に、彼女家族がこっそりオヤツを与えまくっているようで、むくむくと・・・。


その時だそうです!!

ブツッッ、ブチッッ!!


友人の腕の中にいた〇〇ちゃんのお腹からピシュ、ピシュュンっと、何かが凄い勢いで飛び出したそうです。

数メートル先に飛んだものを見ると、床にボタンが数個転がっていました。


こ・・、これは・・?


パッツンパッツンに着せられていた服の、お腹の部分のボタンが全部飛び、開放的なお腹が丸出しに。

晴れやかな、そして弾ける、〇〇ちゃんの笑顔が!


〇〇ちゃんは、即日、本格ダイエット生活に入ったそうです。



自分が友人から聞いた実話です。

〇〇ちゃん、チワワに戻れたのかなぁ。



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