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【RPA】導入前に知っておきたい!RPA展開のための知識3選

ご覧いただきありがとうございます!

前回投稿から半年ほど空いてしまいましたが
今年2月にUiPath上級試験をパスしてから現在まで、RPAエンジニアとして
しっかり経験を積ませていただきました。ありがたいことです。
私の上級試験受験時の記録が記事として残っておりますので、ご興味のある方は下記からご覧くださいませ。


本題に入ります。
今回は「RPAの導入」をテーマとしてみました。
この記事をご覧の方々は既に何らかのRPAツールを利用している、もしくは
導入予定である方が多いのではないかと思われます。

そして、一度はこんなことを考えたのではないでしょうか。
 ・RPAって簡単にできるんだよね?
 ・最近同業他社も導入してたし、うちもそろそろ導入したい
 ・導入はしたけど、全く全社展開に繋がらない
 ・ロボットの運用だけで半日が終わってしまい、恩恵が感じられない

この記事では、それらの悩みや疑問についてを
私が実際に感じたことも踏まえて説明してみようと思います!
何か気づきが得られれば幸いです。

1. RPA=簡単?

お客様とやりとりをする中で、何度か聞かれるフレーズがありました。
「RPAって簡単ってよく聞くけど本当?」
これです。

嘘ではないのですが、全てを簡単だと認識することは少し危険です。
もし同じイメージを持たれてる方がおられましたら、次のように
変換していただきたいです。

RPA = 簡単
RPA導入 ≠ 簡単

RPA=簡単
こちらは「自動化プロセスの開発において」は間違いないかと思います。
RPAといってもデスクトップ型、サーバー型など種類も豊富ですが
開発容易性といった点については、どれも比較的簡単に行えます。
実際、私もIT業界未経験ながらUiPathでの開発は簡単にできたので
自信を持ってお伝えできるポイントです。

RPA導入 ≠ 簡単
問題はこちらですね。
RPAは「現在行っている業務の自動化」を行うためのツールです。
某営業支援ツールや某経費精算ツールと異なり、すぐに活用できるものではありません。
言うなれば言うことを完全に聞いてくれる新入社員を雇うも同然です。
自分が新卒で就職した時を思い出して頂きたいのですが、就職してから
一番最初に行ったことって何でしたか?

そうです、新人研修です。

まずその企業のルールや業務内容を教える必要がありますよね。
その後に適正を判断し、適切な部署に配属する。これがセオリーです。

急に部署に配属されて効果を発揮できないのは人もロボットも同じだということを念頭に置いておきましょう。

2. RPA導入時に重要な3つの要素

-①適切なRPAツールの選定


RPAには大きく分けて2種類あります。
1つはデスクトップ型、もう1つはサーバー型です。
どう使い分けるかと言うと、今後の「拡張性」で使い分けます。

小規模で一部の業務のみを自動化したい、など今後拡張する可能性が
低い場合はデスクトップ型で充分かと思います。
プロ、もしくは社内のエンジニアなどにシナリオを開発してもらって
自動化対象部門にて実行のみしてもらう、といった企業様も多いです。

逆に、複数部門にまたがって現場の作業員の方にも開発をさせる場合は
サーバー型RPAを推奨します。
社内開発を進める場合、ユーザーによってシナリオの質に差が生じる、
部門ごとのロボットの監視がしにくくなることが予想され、
運用部門はかなりの作業量を負わされることになります。
明確にRPA導入の展望がある場合は、最初からサーバー型RPAを選ぶ
ことで管理の負荷を下げることが賢明かと思います。

デスクトップ型かサーバー型かを決めたら、
次は利用システムやユーザーとの親和性を確認します。
各RPA製品にはトライアル期間が設けられていることが多いので、
自動化したい業務に使用しているツールが対象かどうか、
ユーザーにとって使いやすいものかどうか、
などをいくつか選定基準を用いて判断していくことが必要です。
きっと企業にあったRPAというものが見えてきます。

「導入率が高いから」「安いから」「ベンダーに勧められたから」
これだけで決定する前に、上記を参考に
本当に適正な選定ができているかを確認してみてください!


-②RPA導入の明確な理由

なぜRPAを導入するのか、明確に説明ができますか?

「最近話題だし、うちもそろそろ取り入れたい」
もう一段階潜ってみましょう。
「RPAで自動化してコスト削減を図りたい」
ここで深掘りを終えてしまう方もおられるかと思いますが、
このままだと方針がブレてしまう可能性があります。

「RPAで自動化する」はゴールではなく「目標達成への手段」です。
そして目標達成の前に、現在の課題を明確にし、
課題(As-Is)と目標(To-Be)のギャップを浮かび上がらせることが必要です。

先程の「コスト削減を図りたい」から深掘りしてみましょう。
なぜ、コスト削減を図りたいのでしょうか。
いつどこで、コストが発生しているのでしょうか。
調べた結果、月末になると経理部にて残業時間が大幅に増えていることが
判明しました。
まさにこれが解決するべき課題(As-Is)の1つとなります。

このように深掘りした課題を複数列挙し、RPAの適用可否を判定します。
場合によっては業務フローを変更する、業務内容を一部変更することで
改善されることもあります。

課題の中で定型的な業務が多いものは、RPA適用の優先度が高い課題です。
さらにその課題を定量的な面、定性的な面から効果指標を設定します。
いくつの業務で、何時間の削減で、業務の品質がどの程度上がるか、
これらを試算してようやく「目標(To-Be)達成の条件」が明確になります。

従いまして、「なぜRPAを導入するのか」を考える場合は
経理部の月末処理にて、○個の業務を自動化すると計△△時間の削減でき
 かつ人為的ミスが減ることで業務品質の向上が見込めるため

のように、深掘りした上で企業内で共有しましょう。

-③社内プロモーション

ここまで ①RPAの選定、②RPA導入の明確な理由 が決まりました。
最後に重要な要素が社内向けプロモーション活動です。
「それ意味ある?」
そう思われた方、今がRPA推進マインド構築のチャンスです。

具体例で説明させていただきます。
とある企業様では、情報システム部門にてRPA導入を始めておりました。
導入から2年後、業務部門でのロボット稼働数は0
動いているロボットは情シス内で10以下という悲惨な状態でした。
なぜ拡大していかなかったのか。

理由を伺ったところ、
・現場の作業員から自動化の案が出てこなかったから
・現場の作業員の方がロボットを動かさなかったから
といったことがあげられました。
この場合、現場へのRPAの説明が不足していた可能性が考えられます。

かなり極端な例ですが、「ここ押すだけでいいから!」のような
端的な説明だけだと使用する側は不信感を抱きます。
また、②であげたような定量的効果を説明してもいまいち効果を
感じない方も多くいらっしゃるかと思います。

ポイントは定性的効果を伝え、「自分にもメリットがあるんだ」
思っていただくことが重要です。

どんなメリットがあるかを伝えてから、RPAの使い方やロボットの使い方を
丁寧に指導していくことでRPA推進の協力者側になってもらえるのです。
先程例に挙げていた企業様の場合、部門内に協力者がいなかったことから
組織が完全に分断されてしまったがゆえに展開していかなかったのだと
考えられます。

展開していく場合、業務部門のユーザーへの理解が必須であると共に
業務の部門長の方にも協力を仰ぐ必要があります。
理解や協力を頂くために、寄り添ったRPA説明や社内プロモーションを行い
協力者を得られるかが非常に肝となるのです。

3. おわりに

私が開発のお手伝いをさせて頂いた企業様の中で
導入したベンダー企業からサポートは受けておらず、
推進チームを立ち上げたはいいものの人事異動で散り散りになり、
立ち上げメンバーではない方が1人で窓口から開発までを担っている、
という非常に辛い状況に立たされているお客様もおられました。

本来であれば寄り添ってサポートしてくれる企業を選定することも、
横展開していく上では必要なことだと思います。
予算の関係もあるので一概には言えませんが・・

技術的な部分ではなく、導入展開方法について情報が枯渇している
企業様が多いのではないかと感じ、微力ながら記事を作成いたしました。
何か皆様のお役に立つことが出来ていたら幸いです。

ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました!
今後も不定期にはなりますが、できるだけ有益な情報を発信していければと
思っております。



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