見出し画像

PhotographySocialFrame #07

展示をします。

タイトルは「PhotographySocialFrame」
100枚の写真で構成された作品です。

なぜいま写真の展示をしよう思ったのか、考えていることと制作過程を、日記的に残していこうと思います。
もしビビッと来たら、展示へ是非お越しください !

PhotographySocialFrame
Toshiki Okamoto

2023.12.23 - 24
東京 原宿 デザインフェスタギャラリー EAST 302



今回展示する100枚の写真は、全てNFT化されている。
理由は2つある。
1つ目は、この作品の原本が作りたかったからだ。
今後100枚の写真はあらゆるメディア上に展開していくつもりだ。
その時、どれが大元の作品なのか、原本がいる。
フィルムで撮った写真なら、フィルムのネガを大切に保管すればいいかもしれない。
でもこの100枚はほとんどiPhoneで撮っていて、デジタルなフィルターもかけたデータが原本だ。
最初は原本となる紙の本を作ろうかと思っていたが、一つ問題があった。
写真と言いながら、実は 100 のうち 10 は動画なのだ。
動画は印刷できない。
ちなみに今回展示する紙には、動画を20枚の連続写真として印刷している。

動画の仕組みは連続写真だから、これが正しい展示方法だと考えた。
さらに、デジタルのカラーフィルターをかけている写真もあるし、色彩として、RGBの光で見ている状態が一番僕のイメージに近い。
インクで物質に定着した写真より、発光するスクリーンに表示される写真の方が原本とするべきだ。
では、データで原本はどうやって作るのか。
そこでNFTに興味を持った。
NFTは、ブロックチェーンという暗号技術によって支えられた、絶対に改ざんできないデジタルデータだ。
今後ブロックチェーンが続く限り、失われることはないし、朽ちることのないデータだ。
さらに、NFTの改ざんできないという性質が、社会的な方法で担保されていることも面白いと思った。
NFTを支えるブロックチェーンは、分散型台帳とも呼ばれる。
世界中のコンピューターで分散してデータを管理し、相互監視することで、データを改ざんしたらすぐにバレるという仕組みだ。
世界中のコンピューターで共有している、ということ自体がデータが変化しない理由だ。
インターネットで繋がれた地球規模のネットワーク、いわば社会、世の中がデータを担保している。
どこかの大企業のクラウドストレージのサービスにデータを預けるより、ずっと長く朽ちることない写真の保管ができそうだ。
例えば100年。Google も Apple も Dropbox も、100年後に残っているだろうか。怪しい。
この100枚は、100年後の人に見てほしい。
僕が確かに毎日を生きた2018年から2022年の世の中を、僕というフィルターを通してアーカイブしたものだ。
写真家がよく写真のアーカイブに使うプラチナプリントは500年もつ。
写真をNFTにすることで、500年くらい持つかもしれない、そう考えた。
これは2つ目の理由に繋がる。
価値とは何か、に興味があるからだ。
価値はなぜ生まれるのか。理由は色々あるだろう。
偉い人が良いと言うから、みんな欲しいけど一つしかないから、ずっと続いているから、こういう文脈を経て今ここにあるから、将来こうなっていくだろうから。
全部面白いけど、正直なところ、全部よくわからない。
実はNFTにした100枚は全て0.01ETHで売っていて、現在6枚売れている。

でも、買った人が何に価値を感じたのが、正直わからないのだ。
それが面白い。
価値の正体は曖昧で、でも価値を持って社会は回っている。
価値を通貨という単位でやり取りし、人は生活し、世界はつながり、国は存続している。
この世の中を回しているのは、2023年現在間違いなく経済だ。
ものを売ることの本質は、稼いで毎日を生きることの本質は、元の価値より、高い価値を何かによって生み出すことだ。
その「何か」を人はこの写真に感じるだろうか?
なぜSNSにも投稿している写真を「所有したい」と思うのだろうか?
NFTは、それ自体がある種の通貨である。
Non Fangible Token の略だが、トークンとは通貨のことだ。
100個の、価値を持った通貨なのだ。
この100枚のNFTを社会に流通させてみたい。
NFTは、人から人に転売することができる。
その転売の記録はブロックチェーン上に刻まれる。
より多くの人の手にこの100枚の写真が渡り、所有者が移り変わり、それぞれが独自の価値を感じて、何かのために使ってほしい。
NFTは、原本として長く存続するデジタルデータでありながら、それ自体が価値を持って人から人の手に渡る社会的な通貨なのだ。
会場では、すべての写真にQRコードが並んで展示されており、気に入った写真があればその場で販売サイトにアクセスして購入することができます。
ご興味あれば、是非。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?