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独立7日前に想う、「恩送り」 (#71)

来週の今日、独立します。
そこに向けて今日綴ってみたいのは、「恩送り」ということ。


「独立祝い」を頂いて、感謝とともに湧いてくる気持ち

今回独立するにあたり、本当にたくさんのお祝いをいただきました。
それは、一言の励ましの言葉だったり、ランチだったり、1杯のコーヒーだったり、いっぱいのビールだったり。

心から感謝の気持ちが湧いてきます。
それに加えて自分から湧いてくる気持ちがもう一つあって、この気持ちの解像度を上げるのに、少し時間を必要としました。

「この恩に応えたい」「この恩を返したい」という気持ちに近いのですが、ちょっと違って。なんなんだろう。


学生時代、北大で学んだ「ごっつぁん」文化

まったく別文脈で、僕が母校・北海道大学 (通称:北大) での思い出を思い返していた時に、この気持ちの解像度が上がりました。

明治9年に「札幌農学校」として生まれた北大は、とても蛮カラな校風で有名です。
「北大語」と呼ばれる独特の言葉がいくつもあるのですが、そのひとつである「ごっつぁん」という言葉を思い出しました。

「ごっつぁん」
奢られた時などに使う挨拶。

北大Wiki 北大生語辞典

用例としては、先輩にジュースや、学食や、お酒をおごってもらった時に「ごっつぁんです!」と言ったり、「昨日、◯◯先輩にごっつぁんしてもらった」と言ったり、そんな使い方をします。

しかし、この言葉に交わされるシーンには、こんな真意があると僕は信じています。
それは、先輩から後輩への「お前たちが先輩になったら、後輩にもしてやってほしい」という願いであり、
そして、後輩から先輩への「おれたちが先輩になったら、後輩にできるよう頑張ります」という宣言であり。

僕の中では、この真意が「恩送り」という3文字の言葉となって昇華され、そして「独立祝い」を頂いて感じた時の気持ちに、つながってゆきました。


恩送り。

恩返しせねばって思うと、疲れちゃうかもしれません。
「返すからには、同じもの、あるいは、それ以上のものを相手に返さないと失礼」って気持ちが生まれてきちゃう。

「恩送り」という言葉から、受け取ったものが形を変えながら、他の誰かにゆだね、託し、別の何かにつながっていくような質感を感じます。

頂いたものを返すようなキャッチボールも大事だと思うんですが、頂いたものをつないでいくリレーのような「恩送り」の気持ちも大事にしたい。

そして。
独立してしっかり働いて、いつか自分が誰かの独立のお祝いをできるようになりたいと思っています。


読んでくださってありがとうございました。
今日も佳い日で。

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