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まずは“雑“につくることの重要性

こんにちは、BYARDの武内です。

私たちは「社会のリソースを解放し、より自由で快適な仕事環境を想像する」をミッションとして掲げており、その一環としてフルリモート・フルフレックスで会社を運営していくことにこだわっております。

一方で、同僚にリアルで一度も会うこともなく事業がうまくいくとも思っていません。その隙間を埋めるのが「旅するキックオフミーティング」と名付けられたオフサイトミーティングの実施です。現在は四半期に1回実施しているこのミーティングを、先日、私たちの第2四半期のキックオフに当たる4月のタイミングで実施しました。

これまでは東京、福岡、名古屋という都市部で実施してきましたが、今回はチームビルディングと創造性の刺激を目的として、石垣島で開催しました。

普段はほとんど会議をZoomやSlack Haddleで完結させていますが、キックオフミーティングではあえて同じ時間と空間を共有して、前期の振り返りや今期の取り組み、そして少し先の未来について活発にディスカッションを行います。私たちがフルリモート・フルフレックスでの事業運営を続けていく上で、この数日間の触れ合いは非常に重要なものだと考えております。


室内でのミーティングの様子
テラスでの集合写真

今回のオフサイトミーティングもBYARDがこれから成し遂げていく世界について、膝をつけ合わせたディスカッションを行うことができました。まだまだ発展途上のプロダクトではありますが、これからの進化にぜひ期待してください。

さて、今回のnoteはBYARDが大事にしている業務プロセスを「“雑“につくれる」というコンセプトについてです。

1.大枠から固める

仕事を進める上でまずは「大枠から固める」ことの重要性は、『7つの習慣』の有名な「大きな石と小さな石」の話でも語られておりますし、文章を組み立てる際のアウトライン思考などでも繰り返し強調されています。

『ザ・ゴール』シリーズにおいても、個別の最適化だけにとらわれることなく、常に全体を視野に入れて最終的なスループットを最大化するために、全体最適を志向することの重要性を説いています。

ここで注目すべきは、大野が局所的なコストを無視したことで、限界コストの引き下げに成功したことである。言い換えれば、部分的な効率を追求しなかったことで、労働生産性を向上させたのである。 トヨタ生産方式を導入しても生産性が改善しないのは、コストを削減することではなく、スループットを向上させることの意味がよく理解できていないからである。なお、コスト削減に過剰に集中しすぎると、継続的改善のプロセスを定着させる活動が、すぐさま頭打ちになってしまう。

エリヤフ・ゴールドラット 『何が、会社の目的を妨げるのか』より

とはいえ、実際に業務を進める上では大枠を固めるだけでは問題があり、詳細をしっかり詰めた上で着手しなければ、まともな最終アウトプットまでたどり着くことは難しいでしょう。ここで理解するべきなのは、「神は細部に宿る」という格言は間違いではないのですが、全体感が欠如した状態で個別最適に物事を積み上げていくと、当初の意図とはかけ離れたものになってしまうということです。

つまり、大枠から固めることは重要ですが、細部をおろそかにしてもいいわけではありません。細部をしっかりと詰めることは重要ですが、それを繰り返すだけでは当初の目的地には到達し得ないということです。何かを構築したいと思ったら、常に大枠から固めるしかなく、その逆はないのです。

そこにもう1つの要素を付け加えるとすると、大枠を固め、詳細を詰め、そして実行してみた結果、いくらでも軌道修正をしても良いということです。

大枠を固めようとする段階では情報が不十分だったり、立てた仮説通りには物事が進まなかったりすることは、日常茶飯事です。占い師のように未来を予測することに腐心するのではなく、何度でも直す前提で、曖昧なものは「現段階ではこういう想定である」というぐらいの決めで前に進めてみて、実行する中で情報を追加収集しながら、それをフィードバックして全体の方向性を見直せばいいだけなのです。

PDCAサイクルとは本来はこういう思考の上に成り立っているべきものですが、官僚的な組織は最初のPlanの部分に過剰な時間とリソースを投下してしまい、スピードも創造性も大きく欠如させてしまいます。お役所的な仕組みが常に非効率なのは、一度決めたやり方を軌道修正するのにあまりに時間がかかってしまい、PDCAサイクルが本来の状態では回らないからなのです。

2.まずは“雑“につくる

BYARDのストリーム構築のUIは「まずはカードを並べる」ことを促すように意図して提供しています。カードの中に「タスク」という形で業務の詳細な手順を記述することはできるのですが、それらはある程度カードを並び終えて、全体の業務の流れが可視化された後で行うことを想定しております。

カードのタイトルには、付箋1枚程度の文言を書くことを想定しています。フローチャートとは違って、カード自体に担当者や期限などの情報を付与することができるので、タイトルには純粋な業務タイトルを記載します。ホワイトボードに付箋を貼りながら、業務全体の流れを整理するイメージです。

全体像が分かっているのであればこの作業は1人で行ってもいいですし、複数の部署をまたぐような業務については、関係者でZoomなどを繋いで画面共有をしながら進めるのもいいでしょう。全体をある程度固める前に、カードの中身を検討し始めても最終的には全体の流れを修正する中で変わっていってしまうので、とにかく“雑“でいいのでカードを並べ切ってしまうことが重要です。

BYARDのストリームの源流は、業務フロー図ではなくアローダイアグラム(PERT図)です。誰が何をやるかをスイムレーンとして区切ることよりも、とにかく「業務全体の流れを可視化する」ことに重きを置いた機能になっています。

そして、ストリームをデジタル上で構築することの最大のメリットは、何度でも修正できることです。業務フロー図やマニュアルが整っている業務をストリームとして描いてみたとしても、最初に作成したままでずっと使い続けることは稀です。完璧なストリームを描く必要は全くないので、とにかく「これで業務を回してみよう」と思える必要最低限のストリームを、“雑“につくってみることが重要です。

BYARDのストリームは、ワークカードの担当者は1人しかアサインできなかったり、ワークの中のタスクには担当者や期限を設定できなかったり、あえて制限を設けることである程度の枚数のワークカードを並べて流れを構築しやすくしています。マニュアルやチェックリストだけで業務を管理してきた時と比べて、業務プロセスの見え方が確実に変わります。

BYARDで初めて利用してみたお客様からよく聞く感想は、「業務の全体像が見えるようになって、もっと良くしたいというふうに自然と考えられるようになった」「業務プロセスが大きな流れとして共有されているので、ストリーム上にない処理をするのが気持ち悪い。だから、業務を進めながらどんどんストリームを改善したくなる」というものです。

ストリームが持っている情報量は、これまでのドキュメント型のマニュアルと大差はありません。しかし、ドキュメントを読みながら業務を進めるのと、ストリーム上にあるワークカードを1つずつ見ながら業務を進めるのでは、思考回路が大きく切り替わるのです。

後でいつでも修正できる、だからこそまずは“雑“につくってみる。BYARDはこういう特性を理解して使っていただくと、業務プロセスのカイゼンが超高速で回り、各担当者がより創意工夫する余地が生まれます。

業務プロセスは常にカイゼンするべきものだからこそ、最初のPlanをとにかくサクッと終わらせて、Do・Check・Actionに繋げることが業務設計をする上での最大のポイントなのです。

採用関連情報

BYARDは積極採用中です。求人一覧にない職種でも「こういう仕事ができる」というものがあればご連絡ください。

まずはカジュアル面談からで結構です。お気軽に30分お話ししましょう。

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