Chatworkとslack_マジカチ北海道_20191211

Chatworkとslack

freeeマジカチmeetup北海道#5で登壇してきました。

freeeは全然関係ないけど、士業事務所の皆さんからも要望が多かった「Chatworkとslack」について。なお、弊社はいずれの代理店でもないですし、すべて個人の見解です。

士業という業界はまだまだFAXという博物館レベルの骨董品が現役の世界。所内及び顧問先ともメールでのやり取りが中心で、チャットコミュニケーションを取り入れている事務所は、かなり先進的な方です。

統計を取ったわけではありませんが、士業で「チャットを使っている」という場合はChatworkを使っているところが多いように感じます。理由はスライドにも書いたとおり、1人=1アカウントであり、お客様とのやり取りをメールから置き換えやすいから。

しかし、ビジネスチャットの世界は徐々に勢力図が変わり、2014年リリースのslackが急速に勢力を伸ばし、チャットというツールの可能性を大いに広げました。(slack成長物語はこちら)日本でもエンジニアを中心に支持を集めたslackは日本語ローカライズもしっかり行い、IT業界ではチャットツールのスタンダードになりつつあります。

このnoteはスライドの内容を踏まえた上で、Chatworkとslackの使いどころについて書いていきたいと思います。どっちが優れているか、ではなく、用途に応じてどっちを選択するか、の問題です。

1.クライアントとやり取りをする

メール

現在クライアントのやり取りがメールでやっていて、それを置き換えるという場合は、Chatworkがちょうどいいでしょう。先方がすでにChatworkIDを持っている場合はすぐにつながれますし、Chatworkを使ったことがなくても簡単にアカウントを開設できます。

「IDが分かればやり取りできる」という仕様なので、メールでのやり取りをそのままChatworkに置き換えることができます。無料アカウントはグループへの累積所属数が制限される仕様になりましたが、メールからの置き換えの場合はそこはあまりハードルにはならないでしょう。

メールと違って、「◯◯様」や「お世話になっております。」も不要ですし、メッセージをやり取りすることで、スピーディーにやり取りが進みます。なお、顧客とのやり取りをメールからChatworkに切り替えるのであれば、「例外なく全部」をオススメします。メールという連絡手段は、ビジネス上非効率な仕組みになってしまっていますので、やるのでれば全部切り替えないとあまり意味がありません。

士業でも契約条件に「やり取りはChatwork」と明記しているところもあります。メールでできることは全部Chatwork上でできるのですから、デメリットはほとんどありません。

2.プロジェクトを立てる

ワークスペース

クライアントや複数関係者とプロジェクトを立てる場合はslackが向いています。メッセージ数や権限管理、ファイル容量の制限はありますが、ワークスペースは誰でも無料で作ることができますので、プロジェクトでのコミュニケーションツールとして、slackを作り様々なやり取りを集約するといいでしょう。

ワークスペースごとにアカウントを管理する仕組みなので、「すでにIDを持っている」かどうかは関係ありません。招待する人のメールアドレスさえ分かれば、ワークスペースを作って、招待して使い始めることができます。

もちろん、Chatworkでもプロジェクト用のグループを作ることはできますが、無料アカウントで所属できるグループ数が制限されたこと、スレッドがないことから、色んな関係者がかかわるプロジェクトでのコミュニケーション手段としては、slackに軍配が上がります。

3.後でメッセージを確認する

タスクはチャットサービス上で管理するものでありません。短期・長期にかかわらず、組織としてのタスク管理をしたいのであれば、それは専用のタスク管理ツールを使うべきでしょう。

チャットサービスで行うべきはあくまでもリマインド(後で読む)程度でしょう。最近はメールソフトでもスヌーズ機能として、日時を指定して通知する機能を備えたものが増えていますが、それに該当する機能です。

そういう意味ではChatworkのタスク機能は全くダメです。まず、タスクがグループ配下で管理する形になり、完了通知なども全体にされてしまい、うざいです。また、期限の通知機能も弱く、タスクを作ったまま放置することが状態化します。チャットサービスに期待される「このメッセージは今返信出来ないから後で確認しよう」というリマインドとしては使い物にならないのです。

それに対して、slackはリマインド機能機能をすべてのメッセージに対して設定することができます。設定も20分後、1時間後、3時間後、明日(9:00)、来週、という選択肢になっており、サッと後で確認したい時間を指定して設定ができます。通知もslackbotが個人宛に通知してくれるので、他の人に迷惑をかけることもありません。

ビジネス上やりとりをMessengerやLINEですることもあると思いますが、このリマインド機能がないので、困ることが多いと思います。スマホでメッセージを見て、「後で対応しよう」と思ったものについてサッとリマインドを設定できるかどうかは重要です。

Chatworkのタスク機能はまともに使いこなせている組織を見たことがありません。タスク管理ツールもこれだけ増えてきた中で、半端な機能を残すぐらいなら、slackのようなリマインド機能にして欲しいものです。

3.メールを転送する

Email___Slack_App_ディレクトリ

チャットメインで仕事をし始めると、本当にメールでのやり取りが面倒で苦痛になってきます。私の周囲でも「メールだとほぼ反応しません」という風に宣言される方までいます。

とはいえ、色んなシステムからの通知は基本的にはメールで通知されますし、全くメールを使わないで仕事をすることもまだまだ困難でしょう。そこで普段はメールを開かないが、必要なものはチャットに転送して見る、という仕組みにすれば、チャット上で完結するので非常に便利です。なお、メールはすべて転送するのではなく、フィルターを作成して特定条件のもののみを転送する設定にします。

Chatworkの場合は、そもそもそういうアプリを組み込むという仕様ではないので、Zappierなどの外部のシステムを経由して通知するものを構築する必要があります。

slackについては、メール連携アプリが用意されています。これを使うにはslackが有料アカウントである必要がありますが、転送先にチャンネルもしくは個人のDMを指定すると、受信用のメールアドレスが発行されるので、メール側でそのメールアドレスに転送する設定をすれば完了です。メールを受信して、条件に合致した場合は、slackの方に連携されるようになります。

4.外部システムと連携する

アプリを_Slack_に追加する___アプリおよびインテグレーション___Slack_App_ディレクトリ

外部システムとの連携はChatworkが非常に弱いところです。前述のメール通知か、Zappierなどを使った連携ぐらいしか期待できません。

slackは様々なツールと連携するためのアプリが豊富に用意されていて、通知だけでなくslack上で承認が出来たり、クラウド上のファイルが見れたり、様々なコマンドを実行することができます。

この機能が充実していることによって、slackは単なるチャットでコミュニケーションするツールを超えて、「slackがあらゆる業務をつなぐハブになる」という状態を実現しています。ただのチャットかあらゆる業務のハブか、というのは仕事の効率化にも大きく影響します。クラウドツールを使いこなして業務を効率化しようとする際には、もはや選択肢はslackしかないと考えております。

5.弊社主催イベントのご案内

さて、このnoteの内容とは直接関係ないですが、2020年1月17日(金)17:00〜SmartHR社のセミナールーム(六本木グランドタワー8階)をお借りして、Brownies Works主催で「SaaSによるバックオフィス改革」をテーマにイベントをやります。

ゲストはBdashCampのピッチコンテスト優勝のAnyflowさん受電業務をそのものをなくしてしまうfondeskさんチーム内で業務を可視化して共有するBizer teamさんの3社の予定です。セミナー終了後、懇親会もあります。こちらの申込みサイトは以下になります。

前述の通り、Brownies Worksはしばらくは小さな規模の企業さんに特化して提供していくため、バックオフィスに困っているベンチャー企業の中の人にたくさん来ていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。

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武内俊介@業務設計士
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