アウトソーシングを成功させる活用事例_Bizer_team_

Bizer team:アウトソーシングを成功させる活用事例

パーソルプロセス&テクノロジー社主催のセミナーで登壇してきました。今回はBizer teamを使ったアウトソーシングを成功させる事例について。

1.チームのタスクを"管理”してはいけない

「タスク管理」という言葉が浸透してしまっているせいか、マネージャーの中にはチームのタスクを徹底的に管理しようとする人もいます。しかし、ひとりで全てを把握することは実際には不可能ですし、ある程度の自律性をもってマネジメントすることが最近では重要だといわれています。

軍隊のように1人の勝手な判断や行動が全員を危険にさらしてしまうような場合は、トップダウンのヒエラルキー型のマネジメントが必須になります。このスタイルの場合に必要なのは、厳格なルールを詳細に定め徹底することと、上意下達をしっかりやることです。あらゆる局面においてコントロールをきかせながら、トップが意思決定をし、それに従って下層は動きます。弱点は、情報収集が正確に出来なければ、正確な意思決定ができないということ。つまり、情報を吸い上げる仕組みを内包しておかないとうまくいきません。

営業組織ではこのへんの仕組みが非常に重要であり、SFAというツールは主としてはマネージャーがこの情報を吸い上げるというところを重視して進化したものです。各メンバーの入力の手間が増えたりすることはどうでもよくて、マネージャーが情報を正確に把握するための管理ツールとしてSFAは非常に優れていると言えます。

さて、BPOの主戦場であるバックオフィス領域において、このSFAに相当するようなマネジメントツールはこれまでありませんでした。マニュアルや業務フローを詳細に定め、承認プロセスを設定することでそれらを担保してきたはずでしたが、多くのマニュアルや承認プロセスは形骸化し、現場もマネージャーも「何をやっているのか」「何のためにやっているのか」を理解しないまま、作業をこなすことが目的化してしまいました。

製造現場のように、これらを徹底しなければ即座に問題が起こるわけではないバックオフィスは、ちょっとした手抜きやマニュアルから逸脱した運用がなんとなく行われ、それらが長年積み重なることで形骸化をまねき、担当者によるブラックボックスを作り上げてしまいます。プレイングマネージャーが増えてきた昨今は、この傾向はますます加速していると言えるでしょう。

ベルトコンベアがあるわけでも、成果物の品質が客観的に検査できるわけでもないので、マネージャーがこれらを完璧に管理できるわけがありません。仕組みをいかに詳細に構築しようとしても、その仕組みをハックし、突破してくる人間が必ず現れます。必要なのは管理ではなく、タスクや状況を徹底的に透明化してチーム全員で共有することなのです。

トップダウンではなく、共有することよってチーム内での相互のつながりをうながし、マネージャーはサーバント型のリーダーとして管理するのではなく、メンバーが結果を出すために奉仕すると言う役割に徹底することが求められます。そういう思想でチームのタスクが共有できるツールが Bizer teamです。

2.まずは”可視化”からライトにはじめる

「業務改善」や「業務設計」というと結構大変なことのように感じる方が多いのですが、弊社で最も重視しているのは一番最初の現状把握のプロセス、ステップでいえば可視化のところです。

バックオフィスのベテランの中には一定数「言語化することが苦手」と方がいらっしゃいます。また悪意はないと思いますが、長年同じ業務を続けていく中で「その人がいなければ回らないプロセス」を作り上げてしまうことも多々あります。こういうケースでは、「業務フローを作ってください」「判断のポイントをチェックリストにしてください」と依頼をしてもまともなものが出てくることはまずありません。

そういう際にはやや原始的ですが、その人の横に座ってこちらで勝手に可視化していくのが有効です。動画に全部撮ってもいいのですが、オフィスワークは判断や作業の内容が動画で見てもなかなか伝わらないので、手順や判断のポイントをチェックリストに起こしていきます。ExcelやWordを使ってもいいのですが、ここでBizer teamを使えば、それがそのままチームで使えるチェックリストになるし、並び替えやメモ、ファイルの追加も可能になります。

現状を把握しなければ、その後の改善もアウトソーシングもありません。プロセスが見えにくいオフィスワークだからこそ、徹底的に可視化を進め、いったん作ったチェックリストをベースに担当者にヒアリングを行うことで、さらに詳細なものを作成していくの最も重要なステップになります。

ここを軽視すると、あとから「実はこういう運用が・・・」とか「アウトソーシングしたけど、手間があまり減っていない」ということが頻発します。いかに非効率でも、属人化していても、それぞれには必ず意味や意図があるはずです。まずはありのままを可視化し、それを担当者と一緒に確認しながら改善していくことが重要です。

3.ひとりで対応するという考え方は捨てよう

バックオフィスには職人気質の方が多くいらっしゃいます。自分の仕事にプライドと責任を持っていることは素晴らしいことなのですが、それが行き過ぎると業務の属人化とブラックボックス化を発生させます。ジョブローテーションという仕組みは、本来はこれを防ぐためにあるはずですが、本人の意向を完全に無視した日本企業の異動の仕組みは、引継ぎという手間を増やす悪しき習慣になってしまっています。

ひとりで完結する業務など存在しません。すべては大きなプロセスの中の一部であり、自分が行っている仕事はその過程の中のひとつに過ぎません。チーム全体の業務の流れを俯瞰し、全体で共有することが非常に重要です。ITがビジネス現場に浸透する前はこの共有にとんでもない手間がかかったので、共有が軽視されてきたのだと思いますが、slackやteamsなどであらゆる状況が可視化できる現代において、オープンな思想でチームを運営していかなければスピードとコスト、品質があっという間に悪くなってしまうでしょう。

管理から共有へ。バックオフィス領域のマネジメントスタイルもそろそろ変化する時期にきているのです。

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