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カタール対セネガルを見たけど、アスパイアアカデミーってどないなん?って話まで。

マテウラオス審判かよ。

という事で今回はW杯グループリーグ第2節、カタール対セネガルの試合を振り返っていきたいと思う。
この2チームは初戦、いずれも0-2で敗れており、互いに負けられない闘いとなる。

●カタール非保持1-5-3-2
●セネガル保持1-4-4-2or1-4-2-3-1

基本的には上記の構図で試合は始まる。電話番号。
カタール保持すんのか思ったらせんのかい。


セネガルは互いの構造上プレスの届き辛いセネガルのサイドバックを起点に攻撃を仕掛ける
シンプルにロングボールも放り込むが、カタールのウイングバックを引き出して、その裏にサールくんを走らせつつ、カタールにちょっかいをかけていく。サールは雑だしボールロストも多いけど、勢いがあってカタールにとっては嫌な選手。

特にセネガルの右サイドバックに対して、嫌がるカタールは3センターの一角を出すようにして高めの位置から圧をかける。
しかし、セネガルは案外器用で、6番のメンディが外に移動して、カタールのプレスの基準点を狂わせつつ、中央のコンビネーションからの崩しも見せていた。
特に21番のサバリはサイドバックながら内側で息ができ、崩しにも関われる良い選手。
右の攻撃が左に比べてスムーズに見えたのは、サバリが、技術が安定してて、ボールをデフォルトでオープンに置けて、そこから色々出来るから、カタールは上手くハメられなかったのもあると思う。6番のメンディも上手かった。

25分あたりからカタールはボールを保持する。アフィフがたまに下りてボールを引き出すフリーマンのような役割。ただ、カタールの配置バランスは崩れず、アフィフはちゃんと飼い慣らされていた。

33分、そんなアフィフによる決定機が訪れる。PKかに思えたが、残念そこはマテウラオス。いや関係あらへんけど。僕もマテウラオスに倣って、公式戦は自信満々に笛を吹いてる。
セネガルはちょいちょい雑になるようで、ゲームをコントロールできなくなる時があるようだ。
カタールがはじめ、ボールをセネガルに明け渡したのは、失点のリスクを負いたくない事と、途中からゲームをコントロールできると踏んでいたからかもしれない。いやきっと違う。

40分、セネガルの9番、ディアがゴールを決める。
カタールのディフェンスラインが落ち着いたところで、セネガルの左からアバウトに入ったボールを処理し切れず、こぼれ球を詰められた形となる。
アディショナルタイム長いなぁ。その割に笛が素っ気ない、ラオス。
カード出して盛り上げとく?

後半始まる。

ハサンとサールのバトルは見応えがある。カタールにもフィジカルおるやん。
サールはデリフトにも普通に競り勝っていた。
ちなみに好きな闘いは、コンパニとジエゴコスタ。やり合った後、一触即発と思いきやハグで仲直り。やはりハグは地球を救う。
ただ、ハサンは対角フィードとかを見てると物足りなさはある。
47分、ディエディウがコーナーからヘッド得点。嗚呼フィジカル。

セネガルが2点目を取ってからカタールの保持が増える。
セネガルは1-4-3-3にシフト。
チャンスも作る。アフィフ頑張ってる。
ボール保持の時間が増えて、アフィフの登場回数が増える。アフィフが現れても配置バランスは崩れない。カタールはちゃんとしてる。
20分頃決定機訪れるもメンディが仕事をする。

バタバタし出すセネガル。互いにメンバーをいじる。セネガルは2枚替え。

78分、交代で入ったムンタリがゴール
懐かしいムンタリ。いやインテルにいたやつやけど。
セネガルのプレスが甘くなると、対角へ素晴らしいフィード。なんとハサン。僕の期待を裏切る。そしてカタールはW杯初ゴール。ゴールした時のカタールのサポーターの雰囲気が良かった。

しかし、セネガル。こちらも途中で入ったバンバがトドメのゴール。右サイドから始まる。地味だが、持ち運んで攻撃を始めたのはまたもサバリ。調べるとベティスに在籍してるそうで、あまり知らないがブレイクしても良いと思う。

という事で、3-1でセネガルが勝ち、カタールは、最終節のオランダ戦を残してグループリーグ敗退が決まってしまった。


とまあ、そんなところだ。

「カタール、残念やったな。」

うん、でも、良かったと思うよ。最終節は面白い試合を見せてほしいな。ところでカタールといえばアスパイアアカデミー。結局のところ、アレ、どうだったんだろう。

「どうも何も、今回に関しては失敗だろう。グループリーグ敗退したんやから。」

ドライ。もっとなんかあるやろう。2004年だっけ?随分と長いプロジェクトやな。今とできた当時では、サッカー界の潮流も随分と違うと思うが。ヒト、モノ、カネを投資しまくったんだから、失敗という響きは辛い。

「でも、アジアカップは獲ってるし、アフィフのような選手も出てきた。サッカーもご覧の通りモダンで、アジアカップ決勝で日本はボコられたし。今回に関しては、これから精査されるやろな。」

そっか。まあ、これからもアジアでは優位な立ち位置を取れそうな気はする。問題は世界で闘えるのか?だな。

「厳しいやん、自分。でもそれに関しては、答えは出てる気はすると思うで」

というと?

「そんなもん、日常を変えるしかないやろ」

アカデミーの否定になるやん。結局。

「いやそんな事はない。詳しくは知らんけど、アカデミーは上手く機能してたと思う。何度も言うけど、じっさい、アジアでは結果出たやん。」

そっか。ネーションズリーグか。

「たしかにそれもあるかもな。ヨーロッパの中堅国も明らかにレベルが上がってる。でも、1番の日常って、所属クラブのリーグ戦じゃない?そこでどのような闘いが繰り広げられているのか。」

たしかに、セネガルはみんなヨーロッパのリーグに所属してたか。それはわかったけど、その日常ってやつは結局なんなん?

「そんなもん、強度に決まってるやん。リーグのレベルが上がれば、強度が上がる」

雑やなぁ。じゃあ、その強度の差はピッチで現象として現れていた?

「ボールの置き所。」

なんじゃそりゃ

「よくアフリカ人は足が伸びるって言われるやん。今回まさにカタールはそれを経験したと思う。」

ほう。

「強度が高くなると、自由に使えるスペースがなくなる。そうなると、相手が近い時に、ボールを隠せない選手は、ボールをつつかれる。」

隠すって、身体で?フィジカル必要なやつ?
たしかにカタールの選手はセネガルに比べると薄い。

「いやその意味での隠すと言うより、懐に収められるか。巷では体幹直下なんて言うらしい。俺は小学生の時に、懐に収めてプレーしろって言われてたから、懐の方がしっくりくる。」

なるほど、よくわかったけど、それが決定づける要因になるとは思えない。

「もう少し踏み込むと、ボール保持者は相手を引きつけて動かしてスペースを作りたいけど、守備者はレベルと強度が上がるにつれて、その難易度が上がってくる。簡単に動いてくれない。また一方でボールのルートを制限してコントロールしようとしてくる」

たしかに、カタールは、最適な配置を探して、整理されたプレーを試みていたけど、相手を動かすという点においては、少し物足りない部分が多かった。サイドチェンジもあまり効果的でなかった。かといって、相手に近づかれる事に対する耐性が低かった。つまり、引っかかる。相手を動かせない。ギリギリまで待てない。パウサ。

「そう。強度に対する耐性が足りなかった。もちろん、自分たちの強度も足りなかった。奪えそうで奪えない。ご存知の通り、練度は高かったんやけどな。そら所属リーグやクラブはみんなほとんど同じやねんから。」

それで日常と。ネーションズリーグはカネの力で参戦出来なくもなさそうだが。

「それに、懐に収めてプレーできる選手は、選択肢を多く持ってプレーできる。相手から届かない位置にボールを置きつつ、プレーを相手に読ませない。そこに相手に対する正しい配置も加われば、味方に時間とスペースをデリバリーできる。」

デリバリーといえば、コスタリカ戦の時のピザ屋は注文入りまくってパンク状態だったらしい。

「時間とスペースは、サッカーを考える上では絶対に外せないからな。だから相手との配置の噛み合わせによるズレは大切になるし、そのズレを最大化する上でボールをどこに置いてプレーするかは必須の個人戦術になる。蹴球計画で出ていた正しいインサイドキックやら、正対もそれに当たる」

そういえばさ、カタールの試合だけど、育成年代でも似たような現象よくあるよ。日常の経験値がエグいけど雑なチームと、丁寧だがコネクションに乏しく、日常の経験値が低いチームとの試合。結果は想像通りで。小学生に限っての話だけど、4年、5年くらいまでは勝てる。6年くらいになると、フィジカルレベルが上がり、配置のズレを強さと速さでなんとかできるようになる。逆っぽいけど、フィジカル差がエグいのは実は6年という。

「そういうチームが外に出て行きだしたら怖いと思うで。」

それは思う。セネガルは自国のリーグのレベルは知らないけど、ヨーロッパのリーグへ選手を輩出する事によって日常を体感させてる。カタールはどうするのか。そういえば日本代表も、なかなかの日常を経験してると思うけどな。

「あれや、クラブと代表は違うって言うやん」

おい。

「まあ、日常の強度が高いからといって、勝手に強度耐性が身につくわけではないからな。ただ、直ぐにボール失ってばかりの選手は使われない。そういう事やん。」

先ずは海外行くなら試合に出られるように頑張れって事やな。行かせないにしても、なんとかして体験する日常のレベルを上げていかねばならん。まあ別に国内でも上手い選手、やれる選手なんていくらでもいるし。家長とか超上手いやん。一応パイセンやわ。

「とにかく、今後カタールがどのように発展を遂げていくのかは楽しみや。まさかこれでアカデミーが頓挫するとは思えない。また、日本の脅威であり続けるやろうし」

結論は出てないけど。まあ課題は、どのように日常を経験させていくかとしておくわけか。
それに、今回の3試合で全てを無しにする必要もないか。
そんなこんなで、最終節を迎えるわけか。ファンハールがカタールに対して、どのような問いを出してくるのか、これもまた楽しみやな。

「ところで、図を一つも使ってないな。大丈夫か?凄く見辛いぞ。」

これもまた良いだろ。ではまた。

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