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「構造化トレーニング」勉強してみた。



どうも皆さん。最近言ってることがコロコロ変わってる気がします。ここ数日は、「構造化トレーニング」について学んでいます。理由は二つあって、一つは面白そうだから。もう一つはよく分からないからです。そして、現在進行形で、まだよくわかっていません。でも、学ぶ前よりは理解が進んでいる気がします。なので、どのように理解が進み、自分がどこが分かっていなかったを可視化すべく、今回はその学習の過程等を紹介していきたいと思います。

注意いただきたいのは、このnoteを読んだから「構造化トレーニング」を網羅できる訳ではありません。「構造化トレーニング」を勉強したい方は、下に紹介する書籍を参考に、坂本さんのnoteを読んだ方が理解が進みます。あくまでも自分が学んだ中での理解なので注意ください。

参考文献、note、そして人

ここでは「構造化トレーニング」について参考にした記事や人を紹介します。
まずは坂本さんのnoteです。僕の知る範囲内では、「構造化トレーニング」についてこれ以上詳しく、そしてわかりやすく書かれたものはないと思っています。僕も、この理論との出会いは坂本さんのnoteだったと思います。ありがとうございます。

 https://note.com/sakamotokei68

続いてはドメラ・H・メドウズ(著)「世界はシステムで動く」 です。この本を読めば「構造化トレーニング」を理解できる訳ではなく、そもそも僕も「構造化トレーニング」のために読んだ訳ではありませんでした。ただ、学習の参考になったので載せておきます。

https://www.amazon.co.jp/dp/4862761801/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_Nn.REb6FGA8EB

続いて、皆さんご存知、ラファエル・ポルの「バルセロナフィジカルトレーニングメソッド」通称ポル本です。普通のサッカーの本ですよ。ググれば出ます。こちらも参考程度になっただけで、この本1冊だけでは「構造化トレーニング」を完璧に網羅できるわけではありません。ただ、セイルーロについての記述があったり、ベースとしてる考え方には共通点が多く、参考になりました。

最後に、バルセロナのコーチングスクールに通っていた、知り合いの力を借りました。この人と話を進めることでまた理解が進み、坂本さんの書いてる意味がより理解できました。

以上の力を借り学習を進めていきました。ここからは、「構造化トレーニング」を簡単に紹介しつつ、自分のつまずいた場所も紹介できたらと思います。「構造化トレーニング」そのものを勉強したい方はいますぐ坂本さんのnoteのリンクをクリックした方が良いです。あと、戦術的ピリオダイゼーションの知識も予備知識としてある方が望ましいです。

構造化トレーニングとは


まず、「構造化トレーニング」を簡単に紹介します。「構造化トレーニング」はバルセロナでフィジカルコーチをしていた、フランシスコ・セイルーロが提唱した理論です。去年にバルセロナの育成部門の責任者として現場復帰したそう。ちなみに、彼のことをフィジカルコーチと呼ぶと、小一時間説教されそうな気がします。

僕の理解では、サッカー選手をアスリートとして捉えた時に、8つの構造があり、この8つが相互作用しながら、パフォーマンスにつながっていて、その8つをいかに組み込んでトレーニングしていくかという考え方です。「サッカー にフィジカルトレーニングはない。あるのはパフォーマンスの最適化だ」みたいなことも誰かが言ってた気がします。

8つの構造が何なのかは、坂本さんのnoteを参照してください。以下、坂本さんのnoteから参照です。

システム理論の構造のコンセプトは、人間が何であるかを理解するために異なるレベルの8つの構造を導入します。セイルーロが、ここで紹介している論文「チームスポーツにおけるダイナミック・システムとパフォーマンス」では7つの構造しか提案していませんが、最終的にスポーツを活動する人間には8つの構造が存在すると他の論文で提案しています。
コンディション構造、
コーディネーション構造
社会的感情構造
感情−意志構造
創造的−表現構造
メンタル構造
認知構造
生体エネルギー構造
上記8つの構造は、人間を構成する様々なシステム間の動的な関係のネットワーク全体であり、その構造が相互作用のプロセスの形の現れ、構造間の相互作用とフィードバックで構成されています。

以上となります。この8つが出てきた時、混乱する人が多いと思います。要するに、選手のアスリートとしての「能力」です。従来の考え方でいくと、「能力」を別々に分けてトレーニングする分け方が主流でした。ここは僕個人の考えですが、その考え方と差別化を図るために、「構造」という言葉を用いたのだと思われます。また、坂本さんのnoteには、

システム理論の構造のコンセプトは、人間が何であるかを理解するために、異なるレベルの構造の複雑性を導入します。これは常に、コンディション構造、コーディネーション構造、社会的感情構造等の間の相互作用とフィードバックで構成されています。これらの各構造は、人間を構成する様々なシステム間の相互作用のプロセスの形の現れであると考えなければなりません。

この記述にある通り、セイルーロの理論はシステム理論の考え方にも影響を受けており、構造(能力)間の「相互作用」の重要性を強調するために、「構造」という言葉を用いたのかな?と推察しました。僕ははじめ、この「構造」という言葉が引っ掛かり、「トレーニングを構造化するのか?」や「ゲームを構造で考えてトレーニングするのか?」などと考えていましたが、とんだ見当違いでした。
某知り合いに、「能力という言葉に置き換えるとわかりやすいかも」というアドバイスをもらってから、もう一度坂本さんのnoteを読むと理解が進みました。別にこの8つの構造(能力)を自分なりの言葉に置き換えても良いと思うし、これらを基にトレーニングを構築したり、選手の評価の参考にできる、ということです。また、これらの構造はお互いに相互作用し合っている、ということも、ここで強調しておきます。(トレーニングするときは6つの構造でいいみたいなので、どれか考えてみてください。)

この理論の成り立ち

この理論の成り立ちは、これまでの伝統的なトレーニングの考え方を疑うところから始まったそうです。例えば、フィジカルはフィジカルトレーニングで鍛える。テクニックは反復。といった感じですかね。つまり、これまでは要素還元的な考え方だったのを、全体論として、サッカーを考えようと試みたのがそもそもの出発点です。聞いたことあると思いますが、「サッカーをサッカーとしてトレーニングする事で選手のパフォーマンスを上げられる」ことです。

この辺はもっと勉強をしたいなと考えていますが、セイルーロがバルセロナに一番影響を与えたのはこの「考え方」なのかな?と思っています。坂本さんの「構造化トレーニング」シリーズの一番初めに、イニエスタについて書かれていましたが、従来の評価軸なら、イニエスタはバルセロナにいなかったと思います。彼は、「足も速くない、パワーもない」ですからね。サッカー選手の「アスリートとしての能力」を捉え直したのが彼の功績だと思います。
また、次の章で書きますが、この「アスリートとしての能力を捉え直したこと」そのものが、戦術的ピリオダイゼーション理論との比較において、最も差異が現れていると感じました。

戦術的ピリオダイゼーションとの比較

誰かが言ってましたが、戦術的ピリオダイゼーション理論と、セイルーロの「構造化トレーニング」は二大トレーニング理論だそうです。それはどうでもいいのですが、僕は何かを学ぶときに、他の何かを比較してその位置を知ろうとします。今回は戦術的ピリオダイゼーション理論と比べながら考えていきます。

まず、この二つの間にとても大事な共通点があります。察しのいい人はわかると思いますが、どちらも「サッカーをサッカーとしてトレーニングする事で選手のパフォーマンスを上げられる」点です。全体論として、サッカーを捉えているということです。どちらも従来の要素還元的な考えを疑い、全体論としてサッカーをとらえるという結論に至ったんでしょうね。
また、戦術的ピリオダイゼーションも、学ぶ過程で「システム思考」の影響があることもわかりました。僕は読んだことありませんが、「学習する組織」?という書籍も、システム思考のそれにあたるので、よかったら参考にしてください。

続いて、両者の相違について考えていきます。知り合いに聞いた事をまとめると、戦術的ピリオダイゼーションは【チームの活動】を包括的にまとめて捉えていて、「構造化トレーニング」は、【個人の活動】を包括的にまとめて捉えている点です。

勘違いしないで欲しいのは、「構造化トレーニング」は決してチームの活動を軽視している訳ではないという事です。「構造化トレーニング」が求めているのは、目指すサッカーに個人のパフォーマンスを最適化していく事で、その「個人のパフォーマンスとは?」に焦点を当てているという事です。「アスリートとしての能力を捉え直したこと」から、セイルーロが「個人のパフォーマンスを重視してることが分かります。また、戦術的ピリオダイゼーションは「期分け」という記述にもある通り、トレーニングの計画法について、「構造化トレーニング」より詳しい記述がなされてます。

まとめ

二つの理論を比べたとき、わずかでありますが、違いがある事をわかってもらえたかと思います。ここまで学んだ中で、小学生年代を見ている僕としては、「構造化トレーニング」の考え方がよりその年代の育成に適していると感じました。もちろん、戦術的ピリオダイゼーションの良い部分はいい部分で取り入れられると思います。ただ、上記の通り、「構造化トレーニング」は、個人のパフォーマンスに焦点を当てていますが、8つの構造という捉え方、また、その8つの構造が相互作用しながら関わり合っている点は、選手を評価する際や、トレーニング計画する際に非常に参考にするな、と思いました。

もちろん、「構造化トレーニング」もこの世に存在する最強理論ではありません。ピッチ上でどのように運用できるか、自分なりに咀嚼し、取捨選択していくことが大切だと思います。自分自身まだ理解が浅いので、(僕の感覚では全体の3割程度の理解)もう少し勉強して、来たるあの日までしっかりと準備を進めていきたいと思います。

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