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2023年 小説ベスト

目次

  1. 『深夜特急』沢木 耕太郎

  2. 『父と子』イワン・ツルゲーネフ

  3. 『雨』サマセット・モーム

  4. 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー

  5. 『「ただしさ」に殺されないために』御田寺 圭

  6. 『祈りの幕が下りる時』東野 圭吾

  7. 『実存主義とは何か』J-P・サルトル


『深夜特急』 沢木耕太郎 (紀行小説)

ノンフィクション作家の著者が、1970年代にインドのデリーからシルクロードを経てイギリスのロンドンまで旅行した体験記。

あたかも自分も現地にいるかのように感じさせられる文章に惹きつけられ、現代の日本では滅多に体験するのこと無い数多くのエピソードに衝撃を受けました。
「自分も旅をしたい」そう思わせてくれる素敵な本です。

『父と子』 イワン・ツルゲーネフ (恋愛小説)

大好きなロシア文学のなかでも特にお気に入りの作品。
1860年代ロシアにおける、古い慣習や信仰・道徳を重んじる観念的な親世代と、それらを否定する唯物論的な子世代の対立を描いています。

「バザーロフのように自分の信条を貫き通すことは幸せか」と考えさせられたり、
科学だけを信じて始めは情緒的なものを否定するものの、最終的にそれらを受け入れ「幸福な」生活を送ることになるアルカージイに感情移入したりと、
自分にとって思い入れがある作品です。

『雨』 サマセット・モーム (短編小説)

イギリスの元諜報員であるモームが書いた、短編小説の代表作になります。
敬虔なキリスト教の宣教師が、先住民が住む島に布教に行く話。

何らかの目標を達成するためには情熱が必要だと思う一方、強い考え・信念は諸刃の剣であり、ときに自分を窮地に追いやることもあると考えさせられました。

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 アンディ・ウィアー (SF小説)

SF小説を一度も読んだことの無い人にこそ、この本をオススメしたいです。記憶喪失の主人公が、絶体絶命の状況を生き延びるため、科学を駆使して様々な難題を乗り越えていく姿が丁寧に描かれています。

ネタバレになってしまうため内容には触れられませんが、
映画『オデッセイ』を観て面白いと感じた人はきっとハマるはずです。

『「ただしさ」に殺されないために』 御田寺圭 (エッセイ・社会学)

近年、SNSなどでの情報の拡散が容易になったこともあり、「ポリコレ」という言葉を耳にする機会も多くなりました。
しかし、「政治的な正しさ」はときに怪しさ・胡散臭さを孕んでいます。

「一見すると正しいようだが、それはただの綺麗事じゃないか?」
「自分を棚にあげたポジショントークだろ」
そう思わされる身近な出来事を数多く列挙し、鋭く批判しています。

テレビや新聞などのメディアでは滅多に耳にすることの無い考えを知りたい人にオススメです。

『祈りの幕が下りる時』 東野圭吾 (推理小説)

加賀恭一郎シリーズ10作目。
東野圭吾さんのガリレオシリーズも気に入って読みましたが、こちらのシリーズもまたオススメです。

他の作品同様、手の込んだストーリーで予想できない展開が待ち受けていることはもちろん、親子の愛情を感じさせられる悲しい真実に心を打たれました。

『実存主義とは何か』J-P・サルトル (哲学書)

神がいないならば、人は目的(本質)をもつ以前に存在している。それゆえ、自由である反面、自ら自身の生の目的を決めていく必要がある。すべての自分の行動は自分の意思決定によるものであり、自分に全責任がある。

そういった考えに非常に共感しました。遺伝や環境による格差があるのは明らかだが、そのうえで何をするかは自分次第。今の自分に何ができるかを考えさせられるという意味で、力を与えてくれる本です。

参考

  1. 『深夜特急』沢木 耕太郎

  2. 『父と子』イワン・ツルゲーネフ

  3. 『雨』サマセット・モーム

  4. 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』アンディ・ウィアー

  5. 『「ただしさ」に殺されないために』御田寺 圭

  6. 『祈りの幕が下りる時』東野 圭吾

  7. 『実存主義とは何か』J-P・サルトル



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