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不動産売却のトラブル

Q:買取・売却の一番の問題点は何ですか?

A:購入者が見つからないことです。

売却条件が見合わないことで、購入者が見つからない場合は、対処方法があります。

土地の境界が確定できず、買取・売却ができない。調査をしたら、再建築不可の土地だと判明した。土壌汚染がある。

主に、土地・家の売却時に出てくる話ですが、売却自体ができない可能性は、検討しておく必要があります。

Q:売却する価格は、どのように決めればよいですか?

A:売却する事情に合わせた、売却価格を設定する必要があります。

エンドユーザーへの売却を進める場合、いくらで売却活動を行うかを決める必要があります。

査定額は、売却できる金額ではありません。あくまで売却の想定額です。

住み替え・相続税の納付のため、いつまでに売却する必要がある。資産整理の売却のため、売却する期限はない。ローン返済を考慮して、いくら以上で売却する必要がある。

査定額と売却する事情を照らし合わせ、いくらで売却をするか決めていきます。

Q:買取の問題点を教えてください。

A:売却額が安くなる可能性があります。

エンドユーザーが利用できる物件を売却する場合は、不動産買取業者の利益分、売却価格は安くなります。

買取で進めるかどうかは、売却する理由や事情により検討します。
・期日を定めて売却する必要がある。
・契約不適合責任を免責(土壌汚染や地中埋設物の撤去は必要)としたい。
・売却することを他人に知らせたく無い など
買取で進める必要性を検討することをお勧めしています。

Q:空き家のほうが、高く売却できますか?

A:高く売却できる可能性があります。

生活することを前提とした購入の場合は、荷物が無い状態で売却活動をしたほうが高値で売却できる可能性が高いです。居住中の物件を売却する場合は、内見のスケジュール調整も必要となります。

購入者側の都合で内見を進めていただくことで、じっくり検討を進めていただくことができ、結果として、希望額で売却できる可能性が高まります。

Q:古い物件は、リフォームをしてから売却したほうがいいのでしょうか?

A:状況によって回答が変わります。

マンション、戸建て住宅を、空き家で売却する場合に聞かれる質問です。

家具などの動産を撤去することは必要ですが、リフォームまで必要かどうかは、個別に検討を要します。

買取の場合は、不動産業者がリフォームを行うため不要です。

仲介の場合は、リフォームをすることで利益が見越せる、リフォームをしないと売却できない不動産の場合に、リフォームをした上での売却をご提案します。

特に高額帯の居住用不動産は、リフォームをしないと購入意欲が湧かないこともあります。

かけた費用は返ってくることがありません。売却する理由、資力、売却する不動産の状況を考え、リフォームをするか判断することをお勧めします。

Q:土地を売却する時、測量をしなくても良いでしょうか?

A:売却対象地が判別する、測量図は交付しておくことが望ましいです。

土地や戸建て住宅の売却相談を受けた際は、測量状況の確認を行います。

売却対象地の測量図が存在し、隣接地との境界確定がなされていれば、測量図や境界確認書を、引渡し時に購入者へ交付します。

売却相談者が測量図や境界確認書を保管していない場合は、法務局に備え付けられている測量図、建築確認申請資料、購入時の添付資料を確認し、対処を検討します。

売却する手続き上は、測量を行わずに進めることもできますが、後々のトラブルとならないよう、少なくとも対象地を示す測量図を購入者に交付しておくことはお勧めしています。

Q:物件の不具合を伝えると安くなりそうなので、言いたくありません。

A:正直に伝えることを、お勧めします。

2020年に民法が改正され、不動産の売買契約書・重要事項説明書において「種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないときは、買主は保護を受ける」旨の記載もするようになりました。

中古物件を購入する方は、設備の不具合はあることは想定していますが、ウソをつかれることまでは想定しません。
売買契約時に「付帯設備標、物件状況報告書」という書面にて、売却する不動産や近隣の状況を、買主に伝えることになります。

知っていることは伝える。不具合を隠したまま、不動産を売却して良いことはありません。

Q:売却活動を始めてすぐに、値引き交渉をされることはありますか?

A:はい。あります。

売却する時は高く、購入する時は安くというのは、どんな商品にも言えることです。

購入者側の仲介業者から、問い合わせを受けた時点で、値引き交渉が可能な物件かを聞かれることもあります。
売却する物件、売却する方の意向にもよりますが、売却活動を始めてすぐに値引き交渉が可能であると伝えることはデメリットしかなく、メリットはないと思います。

本当に購入したいのであれば、定価でも購入するはずです。値引きを依頼するのであれば、その意思を書面にて提示して下さいと伝えることが、仲介業者が行う実務上の対応です。

Q:売却が長期化する問題点を教えてください。

A:訳あり物件なのかと想定される可能性があります。

情報公開して売却活動されてから長期間売却されていない不動産の場合、購入希望者が不動産に問題がないか疑念を抱く可能性があります。

売り急ぐ必要がない売却の場合、割高な価格設定をして売却活動をすることがありますが、一定の期間で売却できない場合は、売却活動自体を取り止めることも選択肢の一つです。

Q:急いで売却する場合は、安い価格を設定すればよいのでしょうか?

A:訳あり物件と、想定されない価格とする必要はあります。

モノには相場があります。売却するのであれば、高い価格で売却したいと思うのが、通常の考え方です。購入する方もそのように考えます。

個別性がある土地・戸建て住宅の売却でなく、マンションの場合は特に、購入者も相場を把握することが比較的容易になります。売却当初から、相場よりも割安な価格設定する場合は、購入者が理解できる理由を検討しておく必要があります。

Q:売却代金より、ローン残高が多い場合はどうなりますか?

A:まず、金融機関との協議が必要です。

住み替え、離婚による売却などを行う際に出てくる問題点。

ローンが返済できる価格以上で売却できれば良いですが、売却代金よりローン残高が多い場合は、金融機関との協議が必要です。住み替え物件へのローン切り替えで手続きが進められれば良いですが、離婚による売却など、金融機関との協議によっては、完済できないと売却自体できない可能性も出てきます。

まずは売却・買取査定を行い、確実に売却できる価格を想定した上で、売却手続きを進めていく必要があります。

Q:共有は良くないと聞くのですが、一番の問題点はなんですか?

A:意思を合致させる必要があることです。

相続手続きの際に、兄弟姉妹で法定相続分にて共有した不動産の売却相談を受ける際に、よくご案内する内容です。

売却する自体、売却する価格、売却する方法など、売却手続きを進めることを、共有者全員と協議して合意を取り付ける必要があります。

単純に、売却できた時点で、売却できた価格を持分にて分け合うことで合意できれば良いのですが、保有していた期間の費用負担をどのように精算するか、売却手続きを依頼する不動産業者をどこにするかなど、共有者全てと合意する必要があります。

早期に売却したい、時間がかかっても高く売却したい・・・共有物件の売却は、決めることがたくさん出てきます。

Q:共有者間で合意できないと、何か不利益が出てきますか?

A:共有物分割請求訴訟が提起される可能性があります。

訴訟=話し合いで解決しない揉め事を扱う(勝ち負けを決める)だけでなく、共有物分割請求訴訟のように、裁判所の合理的な判断を仰ぐという性質の訴訟もあります。

共有物分割請求訴訟については、現物を分割する、特定の共有者が持分を買取る方法もありますが、高額となる不動産の手続きに関しては、売却代金を分割する手続きで進められることがほとんどです。

代金を分割する場合、競売にて売却手続きを行う前提にて訴訟が進んでいきます。

売却するときは、所有者全員の合意が必要となりますが、合意しなければ売却自体ができない訳ではありません。

共有物分割請求訴訟まで至るケースは稀ですが、相続手続きの相談を受ける際には、ご案内するようにしています。

Q:共有物分割請求訴訟は、どのような時に起こっていますか?

A:共有者間で協議すらできない場合が多いようです。

共有物分割請求訴訟は手続きとなりますが、あくまで訴訟のため、弁護士が代理人となり進められることになります。

共有物分割請求訴訟を扱う弁護士からは、共有者が協議自体を行える関係性に無い場合に、共有物分割請求訴訟が提起されることが多いようです。

共有物件の相続権者と共有者に面識が無い。共有者が話し合いをできる関係に無い。

共有物分割請求訴訟が提起されると、必ずしも競売手続きにて売却が進められる訳ではありませんが、少なくとも、弁護士に依頼する手続きがかかることになります。

Q:自宅を売却する住み替えの場合、売却・購入を同日に行うのでしょうか?

A:売却物件の明け渡し猶予の検討はできます。

売却代金の全額受領する際は、空き家としていること。購入物件の引き渡しを受ける際は、購入代金の全てを支払っていることが原則です。

しかしながら、売却手続き完了時点で空き家として売却代金を受領し、同日に購入物件の引渡し手続きを完了させることは、物理的にはできたとしても、契約を締結する上では、不確定要素となります。

そのため、自宅を売却する住み替えの場合は、売却代金の全額受領から明け渡しまで、数日間の猶予を受けることができる買主を選定できるかの検討が必要です。

Q:明け渡し猶予のリスクを教えてください。

A:売主が、明け渡さない可能性があります。

明け渡し猶予期日に、売主がそのまま居住していたということを、年に1度は同業者から聞く機会があります。

勿論、売買契約違反の事項となりますが、現実的には起こっているようです。鍵を受領し、引っ越し作業の荷物が残っている程度であれば、費用負担の問題になりますが、売主が居住していたとなると、大変な問題になります。

売主が、引越し業者の手配をしていない(引越し先すら決めていない)。
売主の住み替え先が、引渡しを受けられる状態にないなど、明け渡し猶予期日の当日に判明すること自体は、仲介業者の責任としか言えませんが、明け渡し猶予期日に、売主が居住している可能性を否定することはできません。

住み替えの相談を受ける依頼者は、そのリスクはあり得ないと言いますが、体調不良により引っ越し作業自体ができなくなる可能性は否定できないことは理解いただくことができます。

明け渡し猶予手続きは、購入者にリスクがある、売却手続きです。

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