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相続土地、国庫帰属制度

背景
土地利用ニーズの低下等により、土地を相続したものの、土地を手放したいと考える者が増加。相続を契機として、土地を望まず取得した所有者の負担感が増しており、管理の不全化を招いている。

概要
・所有者不明土地の発生を抑制するため、相続または遺贈により土地の所有権を取得した相続人が、土地を手放して国庫に帰属させることを可能とする制度。
・管理コストの国への転嫁、土地の管理をおろそかにするおそれを考慮して、一定の要件を設定し、法務大臣が要件審査を行う。
・要件審査を経て、法務大臣の承認を受けた者は、土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した10年分の土地管理費相当額の負担金を納付。

【施行予定】
2023(令和5)年度内の、施行(公布された法令の効力を現実に発生させること)予定。

土地の要件
<法務大臣から、却下される場合>
直ちに通常の管理・処分をするに当たり、過分の費用・労力を要するもの。
承認申請に係る土地が、以下のいずれかに該当するものであるときは、することができない。
・建物の存する土地
・担保権、使用・収益を目的とする権利が設定されている土地
・通路その他の他人による使用が予定される土地
・土壌汚染対策法上の特定有害物質により汚染されている土地
・境界が明らかでない土地
・その他の所有権の存否、帰属又は範囲について争いがある土地

<法務大臣の個別判断による承認>
不承認要件(費用・労力の過分性について個別の判断を要するもの)。
承認申請に係る土地が、以下のいずれにも該当しないと、法務大臣が認めるときは、その土地の所有権の国庫への帰属についての承認をしなければならない。
・崖(勾配、高さその他の事項について政令で定める基準に該当するものに限る。)がある土地のうち、その通常の管理に当たり過分の費用又は労力を要するもの
・土地の通常の管理または処分を阻害する工作物、車両、樹木、その他の有体物が、地上に存する土地
・除去しなければ、土地の通常の管理又は処分をすることができない有体物が、地下に存する土地
・隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ、通常の管理または処分をすることができない土地として、政令で定めるもの
・上記のほか、通常の管理また処分をするに当たり、過分の費用又は労力を要する土地として、政令で定めるもの

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