アスリートのキャリア支援は、負け犬の支援なのか。
僕は、ここ数ヶ月、
スポーツ庁の委託事業として行われている
アスリートのキャリア支援を実施できる人を増やす活動である、
アスリートキャリアコーディネーター育成プログラムに参加していました。
アスリートのセカンドキャリアと言うと、
メディアの影響もあってか、
「なんか苦戦している人が多そう…。」
と言うイメージがあったりするのかと思いますが、
苦戦の定義にもよりますが、
僕の周りでは、
引退後、自分の思い描くキャリア形成をできてる人って、
少ないように感じています。
かく言う僕も
引退が近づいてきている頃や
引退直後は、もれなくキャリアに迷い、
動けなくなってしまった過去もあります。
自分のスキルに確実に賞味期限が来る日々。
キャリアの側面で、
アスリート特有な部分で言うと、
自分の持っているメインのスキルに
比較的早い段階で、賞味期限が来る
と言う事実があると思います。
「自分が社会から必要とされなくなってしまうのではないか?」
と言う不安が、日に日に近づいてくる感覚は、
定年退職間際のそれに近いのかもしれません。
「夢の実現」の象徴だったりするアスリート。
子供達が夢を追った先にセカンドキャリアで悩む。
と言う現実が待ち受けている可能性があると言うのは、
スポーツに育ててもらった身として、
そして、スポーツに感動を分けてもらっている身として、
何かできることがあるんじゃないか?と
思う今日この頃です。
一度、夢を本気で追った人の
「夢なんて追ってもいいことないよ」
という一言の重さは半端じゃないです。
だからこそ、
夢を本気で追いかけた人が
人生全体で、主体的なキャリア形成ができる形を
少しでも整えていけたらなぁと思いました。
「負け犬の支援になんでお金を出さないといけないの?」
講座の中で、シェアされた一言。
悲しいなぁと思いつつ、
だからこそやる意味があるよなぁと。
アスリートとして、
生きる道を選ぶと言うことは、
勝者と敗者がはっきりと見える世界で
生きることを選ぶことでもあります。
ただそれらはあくまで
人生の1つのピース。
スポーツと言うゲームの中での勝ち負けが
それぞれ個人の人生の良し悪しを確定させるわけではないです。
大切なことは、
アスリートだろうがなんだろうが、
自分の人生を主体的に選択して、
楽しんで味わって生きること。
スポーツに安心して、
熱中できる環境を作るためにも
キャリアを主体的に考えられるような支援は、
欠かせないとおもいました。
微力ですが、地道にやっていきます。