「勝利」や「成功」からの学びは殆んどなく、「敗北」や「失敗」から多くのことを学んだ①(スケジュール管理入門編)
「不思議の勝ち」はあっても「不思議の負け」はない (by野村克也監督)
誰だって「夢を実現したい」「目標を達成して成功したい!」と思っているはずだ。
そのため、成功する人と自分との違いを知り、成功する人の習慣や考え方を学ぶのが、成功への近道と考えるのかもしれない。
確かに、書店には「成功する秘訣」を記した本、偉大な起業家の本、ビジネス関連ノウハウ本、自己啓発本が数多く並べられている。
どんなに優れた人でも成功者でも必ず失敗はする。
失敗をするということは精神的にも肉体的にも社会的にも辛いもの。
成功した人は、失敗の繰り返しで、ただ悔んだり、打ち拉がれたり、落ち込んだりのでなく、その失敗を乗り越えることが出来た人だ。
私は、「勝利」や「成功」からの学びは殆んどなく、「敗北」や「失敗」から多くのことを学んだ。
そんな私の「失敗」の数々を紹介していくので、何かの“ヒント”や“きっかけ”に結び付けて頂ければと思っている。
そして、私は成功するまで「失敗」し続けるだろう(笑)
人生最大のミステイク
将来「何をやりたい」といった夢もなく、周りがやってるから同じように就職活動をした。
モヒカン刈りに近いツーブロックをやめて、7:3分けのようなリクルートカットにして、濃紺のスーツに身を包み数社の企業訪問を行った。
1年浪人して1年留年していたので焦りもあったのかもしれない。
どうしも就職したいと思ってもいなかったが、最初に内定がもらえた損害保険会社に決めた。
「よーし!残りの日々は遊びまくるぞ!」
この時点では、この就職先の決定が、私にとっての”人生最大のミステイク”だとは気が付いていなかった
入社前の大失敗
2月初旬に入社前研修が3日間東京の研修所開催された。
「ガリ勉君や優等生の学級委員タイプばっかりだな。こいつら面白くないわ。」
博多に戻り、翌日いつもの美容院に行った。
(小生)
「入社前研修行ってました。学級委員や風紀委員タイプのお坊ちゃまくん ばっかりだったよ。」
(店長)
「だろうね。お堅い会社だろうね。今日は どんなカットにする?」
(小生)
「学生生活も最後だろうから、ガッツリ派手目の“ツーブロック”で!」
(店長)
「いいね!ガッツリいくぞ。」
アパートに戻り、バンド仲間との飲み会まで時間潰しをしていたところ、電話がなった。
(先方)
「福岡支店総務部の●●です。研修お疲れ様でした。研修のアンケートが未記入だったので確認の電話です。」
(小生)
「すみません。未記入でしたか?どこの項目ですか?」
(先方)
「明後日の入社前健康診断の件です。出席OKってことでいいですよね。」
(小生)
「もちろん参加します。お手数おかけしました。」
(先方)
「では、13時30分に福岡支店6F会議室にお越しください。お待ちしております。」
電話を切って、洗面所で気が付いた。
『お~~~ヤバい!この髪型! どうしよう?』
(当時憧れていたヘアスタイル:ハワード・ジョーンズ)
バンド仲間との飲み会で酔っぱらった後輩から
「先輩らしくないですよ。そんな役所みたいな会社には“ロック魂”見せつけてやりましょう!」
「髪型くらいで内定取り消しなんてないですよ。いつものように『ロックだろ?』って言ってやったらカッケーすよ。」
覚悟を決めて、コートの襟を立てて、ニット帽で頭を隠し福岡支店の会議室のドアを開けた。
総合職(男性)3名と一般職(女性)20名ほど既に席についていた。
総務係長(先日の電話してきた女性)
「これで全員揃いました。帽子とコートとってください。」
小生
「え、まぁ、ちょっと、まぁ」
総務課長
「何もごもご言ってるんだ。何かあるのか?」
小生
「怒らないでくださいよ。」
総務課長
「怒る訳ないだろ。いいから帽子とれよ。」
帽子をとった瞬間に
「おぉぉぉ~」という驚嘆の声に会議室は包まれた。
健康診断後、支店近くのパブで懇親会(立食形式)が開催された。
同期になる女性は誰一人として寄ってこない。
懇親会の間 私は、入社3年目になる先輩社員からマンツーマン指導で
『社会人としての心得』
をずーっと聞かされるという苦痛の一日だった。
この件での教訓
① 配布された資料の内容を理解すること
配布された資料を理解しておけば、ヘアカットする日を健康診断後にできたはず。
② 時間ギリギリでなく、余裕をもって集合時間前に到着する
総務課長さんなどに事前に説明しておけば、イジってもらって楽しく過ごせたかもしれない。
初めての場所で、初めて会う人の会合には、早めに行って雰囲気を把握しておくことは絶対必要。
③ 小手先での取り繕いは無駄
ニット帽を被っていた方が逆に目立つし、何のプラスにもならない。
素直に「ごめんなさい」と頭を下げた方がスムーズにいく。
失敗が許されないという日本社会の空気感
日本というか?日本型企業では、失敗した個人が必要以上に責められ、一度失敗で失脚した人に対してセカンドチャンスが与えられることは少ないようだ。
こうした日本の文化が、失敗からの回復を邪魔しているかもしれない。
だからこそ、「失敗したら終わり」ではなく、失敗に学んで、失敗を失敗と捉えない思考を取り入れるべきだ。
ただ、私の失敗は、単に私の”愚かさ”が招いたものでしかない。
・・・次号に続く
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