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ジャズで考えるモチベーションとは何か?

『モチベーション(Motivation)』とは?

一般的には「やる気」「動機」といった解釈でしょう

「チーム全員の”士気”を高める」といった時の”士気”も モチベーション


この モチベーションは 人それぞれ

このモチベーションが 人の行動に影響を与える『方向性』『程度』『持続性』といったものもマチマチ


そもそも『モチベーション』は 他者から与えられるモノなのか?自発的に自分で見つけだすものなのか?


私事で恐縮ですが、、、


サラリーマン時代 上司とそりが合わなくて 反発ばかりしていた結果 『自業自得』『身から出た錆』でしかないのですが ”干される”状態 になってしまいました(苦笑)


仕事が楽しければ人生は楽園 仕事が義務ならば人生は牢獄 


というゴーリキーの言葉が 頭の中を駆け巡っていましたが


「まだ息子たちは小さいし 会社辞めたところで行く当てもないし、、、」

「仕事らしい仕事なんて与えられもしない 自発的に何かやりだしたら 潰されて会社の思う壺だし、、、」 


ひとりで悶々としている時に マイルス・デイヴィスの ♬So What?♬ を聴いて「だから何?」 ”開き直り”と思える心境になっていきました


「この機会をポジティブに捉えて楽しむしかない 神様がくれた”独立”に向けての勉強期間と考えよう」


「で?何の勉強から始めたらいいのか?」という疑問の回答が分からないまま 資格取得を目指した勉強を開始したのですが

睡魔を誘うだけでしがない

苦痛に近いものでしかありませんでした(また苦笑)


そこで 趣味という自分の好きなことを楽しんでいく過程で 歴史・起源・時代背景などを調べることで

「”芋ずる式”に様々なことを学べるようになるだろう」

という短絡的な発想で 遊び感覚で 趣味の深掘りを始めていきました


● 音楽は聴くだけでなく ミュージシャンの人物像 音楽が生まれた背景

● 音楽・映画とファッションの親和性、関係性 

● 音楽・ファッション業界って どんな業界?


これが私の モチベーション と言えるものでしょう



外発的動機と内発的動機


人を行動に移させるには 外発的動機と内発的動機 があるはずです


① 外発的動機

ニューオリンズ時代の黒人ミュージシャンの多くが 経済的理由である『金を稼げる』 というのが 音楽を始めた動機 かもしれません


ルイ・アームストロング 



『お金』という外発的動機でミュージシャンになったと考えられます

ニックネームの ”サッチモ” 「Satchel Mouth(がま口)」の省略形?(口が大きいので「Such a mouth!」の聴き間違えが起源のようですが)


非常に貧しく 金儲けからのトラブルで少年院入りを繰り返している時に 音楽に出会い その後 コルネット奏者の キング・オリバー から多くのことを学び 1922年にキング・オリバーの元でシカゴで成功します

次にニューヨークのフレッチャー・ヘンダーソンの楽団に所属

1925年自らのバンド「ホットファイブ」を結成して成功

世界恐慌でクラブが潰れていくと ロサンゼルスに進出して映画にも出演


一説によると ルイ・アームストロングは 経済的条件が良い仕事があれば 迷うことなく受けて行って 旧友からの恨みを買ったこともあるそうです



デューク・エリントン



裕福な家庭で育った デューク・エリントン

「デューク(公爵)」というニックネームなのですから

デューク・エリントンの 最初の動機は 経済的な理由ではないです


「ピアノを弾くと 女性にモテる」

という噂を聞いて 音楽に夢中になっていきました


若くして 幼馴染と結婚して子供ができたことで『お金』が必要になって 作曲やバンド活動を行っていくようになったのです


『女性とお金』が モチベーション だったのでしょう


モテたい感 満載の 素敵なおじさま です


② 内発的動機


マイルス・デイヴィス



マイルス・デイヴィスは 裕福な家庭で生まれ育って ニューヨークの名門校ジュリアード音楽院で音楽理論を学んでいます(卒業はしていませんが)

その理論をベースにして 自分のイメージにあったミュージシャンを集めて新しい音楽を創造していきました


「楽しい」「やりたい」といった内面から沸き起こるモチベーション


それが マイルス・デイヴィスが 進化を し続けられた要因でしょう

そして彼のクールで”ヒップ”なファッションは 女性の影響が大きかったと思います


Don’t play what’s there, play what’s not there. Don’t play what you know, play what you don’t know. I have to change, It’s like a curse.
そこにあるものではなく、ないものをプレイするんだ。知っていることではなく、知らないことをやる。変化しなければいけない。それは呪いのようなものだ。


プロソーシャル・モチベーション


【ゴール設定理論】モチベーションは 具体的で高い目標設定をして 恒常的なフィードバックで高められる

この【ゴール設定理論】は 「いつまでに」「何を作り出す」といったことが明確にできる事案であれば モチベーション・アップに効果的でしょう


【社会認知理論】は 目標の高さが重要な要素であった【ゴール設定理論】の進化系で「自分がある状況において 必要な行動をうまく遂行できているか?」という自己効力感が重要としている

この理論での『代理経験』という考え方があるます

自分と似た人が似たような業務を成功させれば「自分にもできるはず」という自己効力感が高まり 「彼にもできないのならば 俺にもできない」と自己効力感が低下するといったものなので リーダーは「君なら出来るよ!」といったポジティブな働きかけも必要です


しかし 前例のないクリエイティブな新規事業部門には 

『他者視点のモチベーション』 社会貢献といった大きな観点だけでなく「顧客視点」「取引先視点」「部下視点」「同僚視点」といった身近な人々に”貢献”することによるモチベーションが必要とされています


これが『プロソーシャル・モチベーション(Prosocial Motivation)』です



上記投稿に書いた 【現代のリーダーシップ論】の項目にあった

【トランスフォーメーショナル・リーダーシップ】

【シェアード・リーダーシップ】

そして

【プロソーシャル・モチベーション】

【内発的動機】

この4つの掛け合わせが イノベーション が生まれる環境なのでしょう



マイルス・デイヴィスの名言に学ぶモチベーション



音楽は競争じゃない 協調だ
一緒に演奏して、互いに作り上げていくものなんだ

グループを作る場合は、いろいろな人間を混ぜないと駄目だ
持ち味ってもんが違うからな

相手の音楽を理解するっていうのは、その人間を理解するってことじゃないか。肌の色なんて関係ない。

この3つのフレーズを リーダーであるマイルス・デイヴィスが語ったら メンバーは リーダーについていくと決意するでしょう


デイヴィスは メンバーの自由を出来る限り認めるリーダーだった言われていて 各メンバーの自由によって最高のパフォーマンスを引き出されて 自分の音楽も最大限に引き出されると考えていましたが

音楽における自由というのは、自分の好みや気持ちに合わせて 規則を破れるように規則を知っている能力だ

決して 全て放任ということではないんです


すべての芸術的表現における創造性や才能には、年齢なんてないんだ
年季はなんの助けにもならない

必要なのは才能じゃない 練習、練習、練習、それだけだ

とにかく プロフェッショナル であるためには 努力しろということです


「あいつみたいになる」「あいつよりうまくなってやる」
そんなことに囚われてはいけない

誰だっていつもと違うことをやらなければならない状況に置かれたら、特別な考え方をしなきゃならない
もっと想像力を働かせ、創造的にも革新的にもなって、冒険をしなきゃならない


そして 問いかけるんです 「 So What? 」


Live at the 1963 Monterey Jazz Festival (September 20, 1963)

Miles Davis (tp) George Coleman (ts) Herbie Hancock (pf) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)


不揃いの統一感


ジャズ・コンボの基本的な考え方

『分業』『調整』 と思っています


各自の『分業』で生み出される インプロヴィゼーション 

自律的な『調整』である臨機応変の インタープレイ

このことで コンボ全体の スゥイング感が 生まれます


私は この感覚を 『不揃いの統一感』 と言っています


この『不揃いの統一感』が感じられる ジャズ・コンビ が

”ヒップ” で ”クール” なんです


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『個人の自由』と『全体の調和』と相反するものが 一致した時の例としてサッカー日本代表の得点シーンがあります

相手チームの意表を突く スルーパス によって 流れれるような ワンタッチ・パスで 得点した時は 『美しいゴール』 です


各プレーヤーのテクニックが インプロヴィゼーション

アイコンタクト~スルーパス が インタープレイ

『個人の自由』な発想によるプレーが『全体の調和』となって ゴール!


監督は ピッチ外にいるので 

ピッチ内メンバーの自律的リーダーシップによって生まれたものです 



まとめ


『リーダーシップ』『フォロワーシップ』『モチベーション』

組織運営には必要不可欠な概念ですが 考え方・捉え方は「千差万別」「十人十色」です

そして リーダーと呼ばれている人々の フォロワーに対する マネジメント方法も「絶対にこれが正しい」と言えるものはありません


クリエイティブな組織というものは 同一性や均一性をメンバーに求めていなくて 多様性を歓迎している組織です

『不揃いの統一感』こそが目指すべき姿のひとつではないでしょうか?


そこには 常に高みを目指す姿勢 が必須条件で 

インプロヴィゼーション インタープレイ という概念


マイルス・デイヴィスの数々の名言


何かのヒントになったでしょうか?



Do not fear mistakes. There are none.

失敗を恐れるな 失敗なんてないんだ


When you’re creating your own shit, man, even the sky ain’t the limit.

自分自身の何かを創造している時は、限界なんてない

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