前回の記事で「業務プロセスの”見える化”」が、生産性向上に向けての”肝”と申し上げました。
定型的な業務において、業務プロセスの”見える化”が出来ない理由がありません。その”見える化”によってDXも可能になるので、”見える化”していないことが大きなリスクなのです。
このAIの特性を踏まえた上で、AIを導入しないと組織変革に失敗してしまいます。
地上波TVで”滝沢カレンさん”がお客様のオーダーに応じて創作料理を提供するような飲食番組を見ました。
では、同種の飲食店を実際に開業するプランニングをChatGPTに相談しながら考えてみましょう。
ChatGPTに聞いてみました。
ChatGPTの回答は?
至極ごもっともな回答で、これらの条件を明確にすることで、効率的な役割分担と人員配置を行い、顧客満足度の高いサービスを提供する飲食店の運営が可能になるのは間違いありません。
ここでChatGPTに向かってツッコミを入れたくなりませんか?
「そんなことは分かっとるわい!あんたに聞きたいのは具体策やねん!」
これは、ChatGPTに質問した私がダメなのです。
質問している内容範囲は広すぎて漠然としていることが原因です。
現実での上司と部下の間でも、この漠然とした”やりとり”によって多くの無駄を生じさせています。
貴方も経験されたことがあるのでは?
ChatGPTへ少し条件を加えて質問してみました。
ChatGPTが回答してくれました。
AIの活用範囲の明確化
従業員の役割の定義
ここで気づかれたと思います。
料理研究家がカウンターで顧客ごとのオーダーを聞く必要はないのでは?
そうです!料理研究家がカウンター内で接客するよりは、バックヤード(調理場)で、味見して「ちょっと塩を足しましょう」「盛り付けはコレでいきましょう」といった指示役にまわるべきでしょう。
『料理研究家がカウンター内でオーダーをとる』という”決めつけ”が間違いだったのです。適材適所の人員配置(案)でないことに気がつきました。
① 接客が得意な人がAIにサポートしてもらいながらお客様からのオーダーを聞いて、第一次レシピをバックヤード(調理場)へ送信
② 第一次レシピを受け取った料理研究家が第二次レシピ(最終レシピ)を決定して料理人に指示
メニューがない高級寿司店(お好みによって握る)などでは、料金の透明性(時価)であってもいいのでしょうが、今回のビジネスモデルは
「料金が透明化されていて誰もが気兼ねなく美味しい料理を楽しめる」
というコンセプトを加えたいので、料金設定方法についてChatGPTに聞きました。
ChatGPTの回答は?
上記1~3は、事前ないし料理の都度でも数値化(デジタル化)できるので、AIを活用すれば簡単に算出できます。
この1~3に事前に設定しておいた下記4&5を加える。
どのようなお客様のオーダーでも、料金提示できます。
この検証で何となく良好なAI関係のコツが理解できたのではないですか?
整理すると次のようになります。
「ChatGPTは、よく嘘をつくからまだ信用できない」
「生成AIは全て正しい回答をする」という幻想がなぜ生まれてしまったのでしょうか?
人間は生成AIよりも驚くほどの頻度で”嘘”を言います。
”嘘”の情報を”嘘”と見抜けずに、もっともらしく真実のように語っているというのが正しい表現かもしれません。
「DXで上手くいかなかった」という話もチラホラ聞こえてくるのですが、
汎用のデジタル・ツールに「人間が合わせる」という動作が間違っていて、生成AIは『労働補完型』ツールなんです。
人間関係と同じで、良好なAI関係は「問いかけ(プロンプト)」次第なのです。
AIのサポートを最大限に活用しつつ、人間の創造性や温かみのあるサービスを提供することが、このビジネスモデルの成功の鍵です。
じゃあ生成AIを活用したら【0→1】のアイデアが簡単に思い浮かぶのか?
【0→1】の革新的創造性(既存のアイディアや知識の枠を飛び越えて、新しいルールを定義する)が、そもそも簡単に生まれるはずはありません。
この書籍の中で「クリエイティビティの定義」しています。
この創造性こそ正に、生成AIが得意とする領域です。
創作能力を持っている人の能力と生成AIを組み合わせたら、ハイクオリティのコンテンツが、スピード感も持って創造できるはずです。
自然発生した民族音楽は、その場その場の演奏を通して曲が固まっていきました。ジャズの「即興性」は正にこのプロセスで創造されていったのです。
最初は先人の真似から始まったとしても、意図的に工夫しながら変革を試み、主流とは全く違う方向性でいく天邪鬼がいて、新しいモノゴトが創造されていくはずです。
天邪鬼が創造するモノを言語化してプロンプトに出来る人がサポートして、生成AIを活用すれば、更にハイクオリティなコンテンツが創造できる可能性は高まります。
どこかに「自分らしさ」「俺流」といった個性、全く別の視点から見た考え方や使用方法があるからこそ、新しい創造が生まれます。
ジャズの即興演奏の世界では、天邪鬼は重宝されます。
「井の中の蛙 大海を知らず」
これでは、新しい創造は難しいのです。
人間にしかできない”暗黙知”を伝承できるのは、経験豊富な
アナログ”天邪鬼”おっさん!です
良好なAI関係を構築できれば「働かないおっさん」とバカにされることはありません。
チャンス到来です!