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【雑感】オーケストラ型組織にジャズマンが加入したらどうなるのか?

指揮者の下で 楽譜通りの演奏を求められるオーケストラ型組織

そこに『即興演奏』が基本としてきたジャズマンが加入したとします

果たして どんな状況になるでしょうか?

採用基準やルール・規則を策定する部門の【型】【枠】に当てはめる思考法がアップデートされていないことも大きな壁のような気がしますが

既存パート(ポジション)にジャズマンを当てはめる


この【枠】に当てはめる考え方であれば ジャズマンには

「貴方は このポジションで楽譜通りの演奏してもらいます」

という条件を提示して ジャズマンが合意した上でなければいけません


大前提が【指揮者の下で楽譜通りに演奏すること】ですから 

【正確に楽譜通り演奏ができる】スキルが必要なのであって

『即興演奏』主体のジャズメンでなくてもいい訳です


『欠員の代替』が目的ならば ジャズマンを加入させる必要はないでしょう


ジャズマンの最大のセールスポイントである【個性】を封印するのですから 期待したいパフォーマンスとは 程遠いものになるでしょう


これは オーケストラ型組織にとっても ジャズマンにとっても不幸なことです



仮にジャズマン個人の組織加入目的が『収入が得られること』としても


ジャズマンが『即興演奏』という考えを封印して オーケストラ型組織のパートと加入して 楽譜通りの演奏を繰り返していきました

しかし 頭のどこかに「この組織外で『即興演奏』したい」という欲求がでてきても不思議ではないでしょう



実際に デューク・エリントンは ナイト・クラブでの楽譜通りの演奏をするスゥイング・ミュージックやっていました

「『即興演奏』したいな 毎日同じことの繰り返しではストレス溜まる」

という楽団員の声を聞いて 

ナイト・クラブのオーナー(ギャング)に頼んで 

営業終了後のクラブを使わせてもらって『即興演奏』のセッションを始めす


オーナーもスウィング・ミュージックに飽き飽きしていたので 

『即興演奏』のセッションを観て喜び

この『即興演奏』セッションにお客さんに観てもらうようにしたところ 

これがお客さんにも大好評!


この噂が広がっていって 楽団員以外のジャズメンも参加するようになっていき チャーリー・パーカーやディジー・ガレスピー そしてマイルス・ディヴィスもジャム・セッションに参加するようになっていきました


これが『ジャム・セッション』の起源と言ってもいいでしょう


この『ジャム・セッション』によって 

コードを基調とした【ビ・バップ革命】が起こったんです


この『Cnstellation』は チャーリー・パーカー作曲となっていますが

「ド レ ミ ファ・・・」という部分だけがメロディーといえばメロディーで 他は全て『即興演奏』です


こんな自由な発想が オーケストラ型組織で受け入れないのなら 

ジャズマンは退団するでしょうね



型・枠に人を当てはめる考え方


組織運営を行っていくには ルールや規則は当然必要です


目的が「従来通りの楽譜通りの演奏」を目指すのならば 

ルールや規則そして暗黙の慣習も変える必要はないかもしれません


「オリジナル曲で独自色を出したい」

「新しい音楽を創造したい」

ことが目的ならば 既存の延長線上の考え方での制度改定は難しいでしょう


組織で活動していく以上は ルールや規則は必要です


経営トップが 新しい方向性を示して 組織員一丸となって進んでいくには

新しいルールや規則を策定するポジション・部門の考え方が 

従来の延長線上の考え方では 絶対にうまくいきません


従来の【型】【枠】から考えていく思考を止めましょう


【D&I推進ごっこ】をやっている企業の大きな問題点は 

ルールや制度を策定する部門・人々の脳がアップデートされていないこと


つまり 人事部門に所属する人やルール・規則を策定する内部部門の人こそ 柔らか頭になるように 外部との接点を多くして 新しい感性を身に付けなければならないと思います



内部部門の人の脳内アップデート


内部部門の方は 社内にいることが多く 外部の方々と接する機会が少ないと思います

それでは視野が狭くなるだけで もっと外に飛び出して 新しい世界を体験しないと 【型】や【枠】に当てはめる考え方しかできないでしょう


クラシック音楽しか聴かない人は プログレッシブ・ロックを聴いてみましょうよ

(『Nut Rocker』=原曲がチャイコフスキーの「くるみ割り人形」)


アコースティック・ジャズしか聴かない人は エレクトリック・マイルスがどうしても許せないのであれば アンプラグドのブルースを聴いてみましょうよ


ヒップホップが好きな若者は 自ら古いジャズをサンプリングして新しい独自の世界観を創造しているじゃないですか


後輩に「それはダメだな」って しらないこと やったことがないことを まず否定から入っていませんか?

これは自ら 新しい情報をシャットアウトしているだけです


自己変革できるのは 自ら新しい世界に飛び込んでいって体験すること


✅『自分の無知にアクセス』することです



『働いていたおじさん』だったから『働かないおじさん』になりやすい


過去の経験 過去の成功事例が作り出した【固定観念】によって新しい考え方に対して『否定から入る』思考が出来上がったのでしょう

この【固定観念】

「俺だって昔はバリバリやってたんだ」というプライドが作りだしているのでしょう


このプライドって必要ですか? 

過去のことでしょ? 

それっていらないですよ



「俺に任せてくれたら上手くいくのに 若い人中心だからな 残念」

ベテラン社員の専門知識の成熟度は とても大切なのですが 

方法論がアップデートされていなければ使いものになりません


「ベテラン社員の力が必要だ」と経営陣は口にするのですが

シニア社員や役職定年社員が自分がもっている成熟度を活かして 

”やる気”を持って働ける体制になっていない組織が多いはずです


その立場にならないとそこからの景色は見えない

ルールや制度を策定している部門が ベテラン社員の見た景色を知らないことも『働かないおじさん』を量産している要因のひとつでしょう




もしオレが言った意味をすべて理解できるなら、お前はオレだよ。




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