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【雑感】これからのリーダーは”やんちゃ”でなくっちゃ変革なんて出来ない

『やんちゃ』とは?

1. 子供がだだをこねたりいたずらしたりすること。また、そのさまやそのような子供。
2. 俗に、若者の素行がよくないこと。不良青少年であること。
(引用:デジタル大辞泉)

「こんな人が リーダーなんて出来るわけないでしょう」と思った貴方

 「世の中に”こうじゃなきゃいけない”ってことはない」 のでは?


これからのリーダーに必要な能力


日々の業務や作業をきっちりできる『業務遂行に関する能力』が備わっている人材は 組織には大切です 

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(出典:妹尾輝男著書『世界は悪ガキを求めている』より抜粋)


日本型経営企業においては 上図の左下にある『信頼の獲得』『行動指向』『成果の創出』『顧客志向』などの【コモディティ化している】部分の能力に長けた人材が重宝され この人材がマネジャーに抜擢されてきました

そして 定型的な意思決定を行い 部下はその指示命令に従うというのが『理想的な部下と上司の関係』だったかもしれません

この【コモディティ化した能力】は 日本型経営企業に就職して真面目に勤務していけば 一定程度の能力が身に付くでしょう

ビジネスパーソンとして備えていなければならない最低限の業務遂行能力


しかし今は 今日の「当たり前」が明日には古臭くて通用しない「当たり前」になっているかもしれない不確実性の高い時代

環境が次々と変わるのだから 必要となる知識やスキルも次々と変わっていくのが当然で それこそ「当たり前」のことと思います

そうであるにも関わらず 激変に勝ち抜くリーダー作りを踏まえた教育・研修体系を実践している企業は 少ないでしょう



経営陣は それなりの聞き心地の良い言葉で「変革の必要性」を表明します

ニュース・リリースなどの文章も 超立派なことが書かれています

しかしながら どれもが曖昧で具体的な方法が見えなくて 頭の中でイメージし難いことが多いんです


【コモディティ化した能力】を持っている現場のリーダーである中間管理職は 若干のカオス感を感じながらも 経営陣からの方針に従順に従っていくことを第一義と考えて 部下にも伝えます

部下にとっては「Why?」「What?」といった本質を徹底的に議論することもないので 具体的な方法が見えない中で動き出さなければいけません 

戦略が見えない中での戦術展開ですからカオス状態です 


結果として中身がない『なんちゃってD&I』『DXごっこ』を行っているだけ

「我が社は取り組んでおります」という組織ぐるみの「アリバイ工作」

をやっている感は否めません


人事制度は『公平な人事制度』構築にむけてというお題目で 頻繁に改定が行われるのですが 改定の都度 複雑さを増すだけで 

実態は『役員派閥対抗”花いちもんめ”』を行っているのでしょう


こんな閉塞感から脱却して組織変革を行えるのは 

上図の【War for Talent(ヘッドハンターが喉から手が出るほど欲しい)】と書かれている部分の能力を備えた人材です

平気で前例をぶっ壊し リスクがあっても 果敢に新しいことにチャレンジする 

上司に諂わず 部下に奢らず どこか憎めない ”やんちゃ感覚” を持ち合わせている人材なのではないでしょうか?



ラーニングアジリティ(Learning Agility)とは?


『ラーニングアジリティ(Learning Agility)』

新しい環境や経験から素早く学び 未知の問題に応用して成功に導く能力

といった意味のことで 人事コンサルのコーン・フェリーが提唱しているものです


私は『クライシス・マネジメント』を研究してきた端くれとして

まだ誰も経験していない新たな環境下において 過去の経験と環境情報から新たなプロセスを構築していく資質

この資質を磨き上げることは リーダーに限らず あらゆるビジネス・パーソンには必要不可欠なことと考えています


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『図上演習』というスタイルで数社の企業研修のお手伝いをしたことがあった経験上の話ではありますが

経営陣や中間管理職は

『即興力』が乏しく 形に当てはめて考える傾向が強い

やんちゃな感じの若手社員は

職務経験が浅いことで前例踏襲の考え方がないので 大胆な方法を提案する


『図上演習』というシミュレーションなのですが 想定していない状況下においてリーダーに必要な能力は 前述の【コモディティ化した能力】ではなく『ラーニングアジリティ』に近いモノです



ジャズの世界に例えて説明すると 


自分が所属している楽団員ではない 外部の凄いアーティストとジャム・セッションすることによって 自分の腕前が分かり 時にはセッションが上手くいかずに 打ちのめされて挫折を味わう

こんな経験を踏み重ねることで 独自のインプロヴィゼーション(即興力)が養われ 新しいフレーズが創造できる


【”ヤンチャ”の代表格のチャーリー・パーカー】

スウィング・ジャズのマンネリ化脱却 楽譜通りの演奏への反発もあって

『コード内の音で自由に即興演奏する』というジャズの基本ルールまで創造してしまった『ビバップ革命』

ゲーム・チェンジまで出来たのは チャーリー・パーカーが音楽理論を身に付けた上での ”やんちゃ”な発想 そのものの結果でしょう



【”ボンボン育ちのエリート”マイルス・デイヴィス】

”やんちゃ”なチャーリー・パーカーに憧れ『ビバップ革命』に飛び込んでいっマイルス

挫折と葛藤の日々を送りながら ユダヤ系カナダ人(白人)であるギル・エヴァンスと出会うことで 黒人コミュニティでは考えにくい西洋音楽に触れることによって 白人ミュージシャンと創造した『クール・ジャズ』

ジャズを「夜の都会の癒しの音楽」へと進化させました

当時の人種差別を考えると ”やんちゃ” でなければ出来ないセンセーショナルな動きです


彼らは ちゃんとした音楽理論を身に付けた上で ミントンズ・プレイハウスなどの強者揃いのジャム・セッションに自ら飛び込んでいって 揉まれたからこそ イノベーションを起せたんです

この大胆な行動に出れるのは ”やんちゃ” だったからです



学級委員長・風紀委員長型リーダーは時代遅れ


どんなに素晴らしい大企業にいるサラリーパーソンでも 自社内という限られた範囲にとどまっているのでは『ラーニングアジリティ』は身に付きません 

なぜなれば 所詮『井の中の蛙 大海を知らず』なんです


✅創造のためには『自己破壊』も厭わない「覚悟と勇気」を持つこと
✅新しい知識・知恵そして工夫のヒントを得たいのであれば 自分の持っている最高のパフォーマンスを披露してこそ得られるもの
✅与えられることを待っているのではなく 自ら飛び込んでいく自己投資
✅楽して稼ぐ タダで教えてもらう といった考えは論外 



最後に


新しい動きを察知して スピード感を持って 行動に移す 勇気と決断力

自分自身も含めてすべてを壊すことを厭わない覚悟 

リスクをとることの大切さを知っていて リスクをとらないと大きな成長はできないことも知っている

現状の閉塞感を打破して 当たり前をぶっ壊す


”やんちゃ”感覚と遊び心をもった人材が 最も得意で 好きなことでは?




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