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“プログレッシブ・ロック”は、導入~成長~安定~衰退 そして “新しい創造” を教えてくれた


「プログレッシブ・ロックとは何か?」 という問いに


ジェスロ・タルのイアン・アンダーソンは

「‘飽きっぽい人々のための音楽’」

リック・ウェイクマンは

「単にルールを破るだけではなく、まずはどのルールを破るべきかを知ることだ」

と語っていた。


新しいカルチャー・ムーブメントによって生まれた“音楽”が人気を博すと、社会的な変換点を迎え、そこから世界の様相が一変していく。

この動きによって、新しい音楽・音楽の作り方に対する人々の考えも様々な方向に変わっていき、次のムーブメントに進化していく。


大きな環境変化は新しいものを生み出す


プログレッシブ(progressive)とは?

進歩的なさま。革新的なさま。また、進歩主義者。
などの意味を持つ。

対義語は、コンサバティブ(conservative)

保守的なさま。また、保守的な人、保守主義者。


1966年ごろにヒッピーを中心にアメリカ西海岸に始まった“サイケデリック・ムーブメント”が、イギリスにも波及していった。

このムーブメントで生まれた“サイケデリック・ロック”は、“ドラッグ”によって引き起こされる幻覚を音で表現した音楽。

この“サイケデリック・ロック”に影響を受けたアーティストが、既存の価値観にとらわれない数々の実験的な試みによって“プログレッシブ・ロック”を生み出した。


<革新的と言われる要因>

ジャズやクラシックといった他ジャンルとの融合したことだ。
(クラシック音楽と融合したものはシンフォニック・ロックと呼ばれる。)



“サイケデリック・ロック”は短命で、1960年代後半には衰退した。

“オルタモントの悲劇”を境にして、“ブリティッシュ・ロック”の70年代を特徴づける

“ハード・ロック” “プログレッシブ・ロック” “グラム・ロック” 

という3つの大きなムーブメントへと進化していった。


テクノロジーの進化が新しいムーブメントにつながる


“プログレッシブ・ロック”は7拍子や11拍子などの変拍子や拍子が変化する複合拍子で演奏さ、一曲が10分を越えるような長い楽曲も多い。

演奏するには高度なテクニックが必要なので、ミュージシャンたちの実力は本物。

そして当時の最新技術によって生み出された楽器(シンセサイザーやメロトロンなど)を使用しているのも特徴のひとつ。

人が創造した“音楽”は、テクノロジーの進化とともに【演奏方法】 【伝える方法】 【聴き方】 が変化する。

このことでマーケットが大きく変化し、既存のモノが潰れ、新しいモノ・サービス、新しいムーブメントが誕生するという“新陳代謝”を促す。

当時の最新鋭の楽器はとても高価で、一部の裕福なミュージシャン以外は、簡単に手に入れることが出来なかった。

この“プログレッシブ・ロック”への反発が、“グラム・ロック”の影響を受けた若者によって“パンク・ロック”ムーブメントに繋がっていたのだろう。


UKと英国人


KISSのジーン・シモンズ

「UKはすごく奇妙な場所だ。海に囲まれた小さな島国で、ロックン・ロールもブルースもジャズも生み出したわけじゃない。それなのに、奇妙な物を食って奇妙な話し方をしてる奇妙なあんたたちは、世界を制する音楽を作った。ザ・ビートルズ、ストーンズ、ザ・フー、レッド・ツェッペリンといったようにね」

と発言している。


確かに、UKは多くのアーティストを生み出したが、ロックもブルースもジャズも生み出してはいない。

英国人アーティストが生み出した新しいジャンルが“プログレッシブ・ロック”だ。

70年代のプログレッシブ・ロック全盛期に、英国人アーティスト以外の他国のアーティストはほとんどいなかった。

キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、ジェネシス、EL&P

後々アメリカでは、プログレッシブ・ロックの特徴を取り入れて、ラジオでかかりやすい“アメリカン・プログレ・ハード”と呼ばれるジャンルが生まれる。

カンサス、スティクス、スターキャッスル

これがより洗練された新しいジャンルへと移行していったのではないか?


“プログレッシブ・ロック”が教えてくれたこと


“プログレッシブ・ロック”は、従来の規範に囚われる必要もなく、アーティストは好きなことができるということを気が付かせてくれた。

ブルース、ジャズ、フォーク、クラシックなどの要素を融合した既存の枠にとらわれないアイディアで音楽を作る。

若者は、こうしてバンドを結成し、目の前に突如、無限のチャンスが広がったと感じたはずだ。


プログレッシブ・ロックのミュージシャンは、グラマー・スクールやパブリック・スクール(ジェネシス)、アート・スクール(ピンク・フロイド)といった教育機関によって基礎訓練された(音楽の基礎・理論をしっかり学ぶ)高度なテクニックを持っている。

そして彼らは、プログレッシブ・ロック衰退後も、新しいバンドや別ジャンルの音楽に関わり、若いミュージシャンに多大な影響を与え続けている。


コロナ禍いう大変革期の真っただ中で


「まさかこんなことになるとは、、、」
という言葉が多方面から聞こえてくる。

しかし物は考えようで、危機的な事態は、「新しい仕組み」や「新しい様式」を生み出す“キッカケ”になる。


日本は『集団主義』でチームワークや調和・規律を重んじてきた。

『横並び主義』・・・常に横と比較する

『平等主義』・・・・やってもやらなくても差がつかない

『無責任体質』・・・責任を明確にしない

日本という国・日本企業・日本人が陥っていた悪弊を一掃するチャンスだ。


今までの“当たり前”を疑い、固定観念・既成概念を排除して、力とやる気がある“個”のプロフェッショナルによる発想力を、突破力(スピード感)のある“個”のプロフェッショナルの融合し、新しい可能性を追求していく。

プログレッシブ(progressive)

それは、元に戻るのではなく、ポジティブ・シンキングで前に進んでいくことを意味している。




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