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ジャズで学んだメタファーとアナロジー思考

野中郁次郎先生は 暗黙知を形式知に変換する知識創造プロセスには 三つの特徴があると言っています

① 表現しにくいものを表現するために 比喩や象徴が多用される
② 知識を広げるには”個人の知”が他人にも共有されなければならない
③ 新しい知識は暖味さと冗長性の中で生まれる

では 具体的に どんな手法が考えられるのか?

私がジャズの事例を取り上げる理由


知識を生みだすやり取りの中で 相手にわかるように伝える手法として

メタファーアナロジーが使われます

メタファー(隠喩):違う言葉を喩えに使って言い表すこと
アナロジー(類推):似ていることを根拠にして違う物事を推し量ること


私は レッド・ツェッペリを代表とする『ハード・ロック』に衝撃を受けた『三度の飯よりロック好き』小僧でした

時代の流れと共に『プログレッシブ・ロック』『アメリカン・ロック』『パンク・ロック』などを聴くと どうしてもルーツを調べたり 時代背景を知りたくなっていき 気がつくと ブルース R&B  ソウル ファンク ヒップホップ といったブラック・ミュージック一色 になっていました


実は ジャズに嵌ったのは 2000年に入ってからなんです

『ジャズは ダイバーシティによって創造された音楽』
『マイルス・デイヴィスは最高のイノベーター』

と思い サラリーマンの営業現場での経験や 経営学の難しい理論を ジャズの世界に照らして考えるようになっていきました



私にとって 経済学や経営学などの学問・理論を理解する 最高のアナロジーでありメタファー が ジャズの世界 なんです


『牽強付会』 道理に合わないことを、自分に都合のいいように無理にこじつけること(引用:四字熟語を知る辞典)

1950年代までは 最も大衆に愛されたジャズが 見事に表舞台から消えていったという事実は 誰もが否定できない事実です

極力『牽強付会』にならないようにして ジャズの世界の事例を取り上げているつもりでが、、、



日本語の美しさとメタファー


冒頭に書いた 野中郁次郎先生の

表現しにくいものを表現するために 比喩や象徴が多用される

ことで 形のないもの は特にメタファーは有効です


『心』の状態を表現する場合


「心が揺れる」「 心が折れる」「心が沈む」「心が重い」

「心を打たれる」「心を動かす」「心に響く」「心が変わる」

「暖かい心」「冷たい心」「柔軟な心」「硬直した心」


『心』という目には見えないモノに 他の言葉を足すことで 状態を見える化させるのは 日本語の 素晴らしく 美しい ところです



アナロジー思考とは


『アナロジー思考』とは

「類推思考」とも呼ばれ 2つ以上の物事の間にある共通点に着目し 考えている課題に応用する思考法のこと

要するに 「これは何かに似ていないか」「何かと共通性はないか」と考えることです

アイデアの創出が得意な人材は『アナロジー思考』が高い傾向にあり 応用力も高いため さまざまな場面で能力を発揮できるはずです


難しい表現をすると

既知の類似構造を借用して その構造を未知の対象に当てはめる


私流に表現すると

既存のモノゴトを”パクって”きて 『新結合』してみる

という感じでしょうか?


この場合には 両方の構造を理解した上でないと 組み合わせを行うは難しいです


ジャズのジャム・セッションの事例を多く取り上げてきましたが

インタープレイは 基礎理論・技術をマスターしていないと出来ない


ジャズメンは 自分ではどうすることもできない『人種差別』といった状況下で 自分が”できること”で稼いでいくには 

音楽理論を解釈して(譜面が読めなくても)スキル・テクニックを磨いて 創造性に富んだオリジナリティを発揮して 他人に認めてもらうこと

この必要性を知っていた人々です



難しいことはわかりやすく わかりやすいことは面白く 面白いことは深く


新しい知識というものは 論理的で合理的な中から生まれるとは限らないので 説明するには 頻繁なコミュニケーション(多弁な対話)が必要です


学者や専門家 勉強ばかりしてきた偉い人の中にも『話し上手』と言われる人たちがいます


その人々の共通点は

表現が豊かで話が面白く わかりやすく メタファーが組みかまれていて 聴衆は自然に話に引き込まれ 心が動かされます


比喩

『コミュニケーションは ドッチボールではなく キャッチボールです』

あえて英語で表現

”意識改革”って分かり難いので ”Reform of Sense” と表現します』 

引用

”人の振り見て我が振り直せ”って言いますよね ”他人は自分を映す鏡” ともいいますし 自分って見えてるようで見えてないんです』

笑い

『ジミー大西画伯は ”人のふり見てどないすんねん!” という名言で「自分を信じて我が道を進め!」という考え方を説いています(笑)』



まとめ


私は ウェットな関係がベースにある日本型経営企業において 上司と部下という利害関係がある間柄で 『本音の対話』 なんて成立しないですし 会議室という密室で 本音なんて言うはずない と思っています


多くのコンサルタントの先生は『対話が重要』と説いていますが 自己啓発的で 精神論の域をでていないことが多い気がします


私は『対話』を否定しているのではなくて 

職場は ビジネスをやるために集まったメンバーで より良いビジネスをするのには 「建前では不可能」と 誰もが考えることだと思っています

しかし 『建前が当たり前』になってる組織は なぜ? って考えることが とても重要と気がついて欲しいです


会議って そもそも何も生み出さないものなので 無駄な会議は廃止して

建前の議論ではない 本音の議論ができる

 ビジネス・ジャム・セッション=『図上演習』

を行って それぞれの考えをぶつけ合った方が 少しは生産的と思います


次号以降で『図上演習』を 掘り下げてみたいと思います



クリエーター紹介


Nori Shinsawa さん


Twitter YouTube と連動して note 投稿で 自分の想いを語る マルチ・ジャズ・ベースマン

演奏も 「Groovy!」


If you sacrifice your art because of some woman, or some man, or for some color, or for some wealth, you can’t be trusted.

女や男、肌の色、富などを理由に自分の芸術を犠牲にするのなら、君は信頼されない。(マイルス・デイヴィス)




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