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行動の価値を最大化させる“過程を愉しむキャリア”のあり方【前編】

このnoteは、InterRace株式会社が、会社を辞めずに社外活動でキャリアを磨いている人たちのために、おもしろい働き方をしているイチオシの人をお迎えして、お話をしてもらうインタビュー記事です。

今回(vol.2)は、小関貴志さんです。

※本対談は、東京都 自粛要請前の2020年3月初旬に行われたものです。


小関貴志(おぜきたかし)さん

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1971年生まれ。1994年NECに入社、システム営業として勤務。その後、Dell、セールスフォース・ドットコムにおいて、インサイドセールス、オンラインマーケティング、フィールドセールス、セールスイネーブルメントのマネジメントを歴任。2014年のマルケト日本法人立ち上げから参画し、2019年3月のアドビ システムズとの統合を経た2019年末まで、執行役員 マルケト事業担当に従事。2020年からは、JCCコンサルティング株式会社のシニアディレクター / コンサルティングチーム エグゼクティブコーチを務める。物腰やわらかく、相手の思いを汲み取りながら話されるのが印象的。

小関さんのキャリアサマリー

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小関 対談中は写真も撮られるんですよね?背景はここがいいとかあります?

インタビュア お気遣い、ありがとうございます(笑)
リラックスできる喋りやすい席でやりましょうか。

小関 そうですね(笑) じゃあここにしようかな・・・

#大企業への入社経験 :「働く」の基礎を学ばせてもらえた

新卒で従業員4万人規模の大企業 NECに入社された小関さん。身を置いて改めて考え始めた「社会」と「会社」、そして「働く」ということ。

インタビュア まずは今までの小関さんのキャリア形成を紐解いてみたいわけなんですが、最初に入社されたのはNECですよね?

小関 そうですね、だから26年前かな。
漠然と就職協定をちゃんと守っている会社の方が良いなと思っていたんです。幾つかハガキを出して、進んで行ったのがNECでした。高校が三田で、NECの本社があるので、親近感みたいなものも感じてたんだと思います。

大学の時は経済学部にいて、東京一極集中がもたらす課題感を調べていたんです。その弊害を解決するには、物理的に近付けるか情報で繋ぐしかない。
だから、時間を節約するためのものか、IT通信のようなどこに居ても仕事ができる時代を作りたいと思っていた。
それが会社の方針とも合っていて、東京一極集中に詳しかったことも功を奏したんでしょうね。

インタビュア 最初はシステム営業ですよね?同期は皆さんが営業配属でした?

小関 色々でしたけど、私が配属されたのは国内営業グループっていうところで、簡単に言えば拠点営業です。私は東京に配属されました。

インタビュア そこからNECには何年いらっしゃったんですか?

小関 5年半ですね。ずっと国内営業で、大手の食品製造業を担当させてもらっていました。

あのくらいの規模の会社になると、社内でも名刺交換をするんですよ。社内の電話帳も主任しか載っていないのにすごく分厚くて、高橋さんだけで400人くらい(笑)
そんな中で仕事をしていると、社内の名刺だけでもどんどん溜まっていって、社内の人脈だけで仕事が進んでいく。毎日すごく忙しくて頑張ってるんですけど、同時に社外のことも気になり出して、モヤモヤが生まれてきた。それが5年目くらいでした。

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インタビュア ちょうど社会人5年目の27〜28歳くらいの時って、いろいろ考え始めますよね。

小関 このあと転職するわけなんですが、それでもNECで教えてもらったことはものすごく大きかったから、NECから始められたのは良かったなと思っています。

もし、もう一度大学の時に戻って、どこに行くかと聞かれれば、できるだけ大企業の方が良いのかなとは思いますね。
あとの話にもつながってくるんですけど。

インタビュア キャリアの中で大企業を経験しておくのは大事なことだったと。その後、Dellに行かれるんですよね?


#成長企業での経験 :「つらいけど伸びている」が財産

急成長していくDellの環境は自ずと過酷になっていったものの、その分そこに身を置く者たちも一気に成長できる要素が凝縮していた。

小関 NECの中ではインフラを担当していて、パソコンやPCサーバーを売っていたので、そこに特化してみるのもいいかなと思ったんです。

何かに特化して、その部分を研ぎ澄まして、“勝つ”っていうのもいいなと思った。
それでDellに行くことにしました。

インタビュア 当時のDellさんって500名くらいの会社ですよね?
社内で名刺交換する4万人規模の元国営企業から転職してきたら、際立ったでしょうね?

小関 そうですね(笑) 最初は電話営業でした。

外資系に入ってみて気付いたのは、「没個性が個性になる」ということです。「大手企業のサラリーマンでちゃんとした社会人です」っていう姿勢は、外資系に行くと結構珍しい。会社の方針に従ってきちんとやるとか、身なりも含めた“お行儀の良さ”は、意外と重宝されました(笑)

そして何より、物事の白黒がスピード感をもってはっきり付くっていうのは、気持ちよかったですね。シンプルな物の考え方と動きっていうのが新鮮で、本当に愉しかった。

インタビュア 当時のDellさんって、セールスマネジメントに特徴があったと記憶してるんですけど、NEC時代の大手のインフラ担当営業マンから、電話でのインサイドセールスになるのって、ガラッと変わりますよね?
Dell時代は小関さんのキャリアにとって、名札みたいなものを付けるとしたらどうなります?

小関 今の自分の中心を作っているのは、実はDellの時代の経験なんじゃないかと思っていて、そこが基盤になっていると思います。もしかすると、その資産で今も食べているところがあるかもしれない。

インタビュア その理由は何か思い当たりますか?

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小関 たぶん「一番つらくて、一番伸びていたから」だと思います。

若かったし、同じ年齢で学歴関係なくめちゃくちゃ賢いヤツとかもいて、刺激も受けて、成果も出ていく。けどめっちゃつらいっていう(笑)
上司も本当に厳しい人がいたけど、そのお陰で力もつきました。

インタビュア 「伸びる」と「つらい」が共存している点がポイントですね。面白いですね。でも思い返してみるとわかる気がします。

小関 吸収力のある人達をガンガン成長させる環境が自然と与えられていたっていうことです。
同じ時間と空間と苦労を共有していたんだと思います。苦労もしてないのに仲間になんてなれないですよ。

インタビュア 大企業のNECでは社会人の基礎を鍛えられ、成長期だったDellでは大きい仕事を自由に任せてもらえた。

「大企業と成長企業」「つらいけど伸びている」、対極のような経験が両方あって、それが今振り返ってみると重要であり、小関さんの基盤や財産になっているというわけですね。


#早い段階で知り得た情報に特化してデファクトを取る

Dellでの成功体験を活かし、「比較的新しい情報」×「得意分野に特化」で、常に「勝ちを狙って動く」のが小関さんのこだわり。

インタビュア そして、セールスフォース・ドットコムに行かれますよね。

小関 IT業界で伸びているのはどこなのかを調べたんですよ。そしたら、ソフトウェアではなくクラウド(当時はクラウドとは言いませんでしたが)でサービスを提供していて、しかもプラットフォームを開放しているセールスフォース・ドットコムという会社があることを知ったんです。
これは“デファクトを取れる”と思った。
そうしたらインサイドセールスの責任者のポストが空いたとのことだったので、面接をさせてもらうことになって入りました。

インタビュア セールスフォースには30歳後半までいらっしゃった?

小関 いや、40歳に入っていましたね。

インタビュア じゃあ40歳過ぎてマルケトに行かれたってことですね?しかもマルケトは3名とかでしたっけ?

小関 そうですね、3名です(笑)、社長と私とあと社員1人。それが43歳とかそのくらいです。

インタビュア 一貫して見ると、次にくるものや成長するであろう事、成長フェーズで得意分野を活かす、といったこと繰り返していらっしゃいますけど、Dellさんの成長期の成功体験が関係しているんですか?

小関 やっていて愉しいのは、たまたま先に自分が知れたことを多くの人にすすめることなんです。比較的早い段階で知り得た情報を世の中に広めることに喜びを感じます。

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だから、既に水が出ている井戸よりも、井戸がどこにあるのか、どうやったら水が出るのかを調べたり考えたりする方が、私には向いています。


#自分の価値観と仲間を信じれば何歳でも行動できる

本当に大事なことは何か、歳をとっても残るものは何か、を見つめ直す。

インタビュア 捉え方によっては先がどうなるかわからないとも取れる状況で、それでも自分のポリシーや価値観を中心に置いて行動できたのは、何があるんですかね?
特に30代後半から40代となってくると、一般的にはどうしても動くのが難しくなると思うんですけど、小関さんがそういう動き方を保てているのは何があるんでしょう?
価値観を変えるような人との触れ合いとか?

小関 あぁ!それはめちゃくちゃあると思います。
例えば、セールスフォースの時に、NPOの人と触れ合う機会があって、自分でもNPOを立ち上げたりして、本当に大事なこととか、歳をとっても残るものは何かとか、そういうことに目線が向くようになりました。

そうすると、どこの会社で働いているとかは関係なくなって、「どこの会社に行ってもこの仲間がいる」という発想が強くなった。
むしろ歳を取れば取るほど「どうにかなるさ(笑)」と思えるんです。

インタビュア 小関さんの辿って来られた道っていうのは、言い換えると「年齢に関係なく常に成長状況に身を置ける柔軟性とその価値観を培った要素」っていうのは、日本の働き方もそうなる構造をどこかに持っておかなければいけないんだろうなと思います。

後編につづく >>

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