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Fire卒業 そこでも副業が役に立つ

「Fire」と「Fire卒業」というムーブメント

 2010年代から米国で始まり欧州へと広がったFireは、2018年ごろからブログや音声配信、多様なSNS利用により日本でもブームとなった。そして2022年にはFire卒業というトレンドが生まれてきた。

Fireを目指す

 Fire【Financial Independence(経済的自立), Retire Early(早期退職)】とは、一定額の貯蓄を早々と貯め、早期退職した人をいう。最低限生きていくのに必要なお金を確保したら、ほそぼそだけど大いに自由に生きていくまさにフリースタイルだ。自由な時間を得ることが、お金をたくさんもらうよりも価値が大きくなっているとするならば、Fireは誰もが想像する悠々自適な生活を早々と達成するという夢だ。
 Fireを目指す若者が増えたのは、単に働きたくないというよりも、自由な時間を得ることの方がお金をたくさんもらうよりも価値が大きくなってきていたともいえる。

「Fire卒業」に思う世界観

 Fireが一般的になりつつあるのは、Fireという夢を語り実現した人が現れ、それにあこがれる人が夢として語るようになったからではないだろうか。ではなぜ、「Fire卒業」がトレンドとなったのだろうか。Fireを卒業するということは、Fireを達成した人が、達成する以前の状態に戻ることと考える。その状態として以下の3点を挙げる。
 ①生活するためのお金が無くなる
 ②リタイアした生活が苦痛になる。
 ③夢、目標を持つことになる。

 まず、①の生活するためのお金が無くなるのは、自分が働かなくても収入を得られる状態(資産所得)が崩れたことが推測される。急激すぎるスピードでのインフレの進行や、配当金などで収入を得ていた株価の下落による資産の目減り。資産が無くなっては経済的自立とは言えなくなってしまう。生活が困窮する貯蓄の切り崩しはFireとは異なる。
 ②には早期退職して【働かない状態=何もやることが無い状態】となり苦痛になってしまったと考えられる。働くことに費やしていた時間を使ってやりたいことを好きなようにできるというのが魅力のはずだが、「やりたいこと」とは何だったのかわからなくなり、「何もやることがない」という状態は思いのほか辛いのだろう。
 そして③はFireを達成してしまったが故に夢、目標を失ってしまった人が、新しい夢・目標を持つことだと考える。Fireを夢、目標としていた人がFireを達成したら、Fireを目標とすることはないだろう。今まで必死で頑張ってFireを目指してきた人が、新しい夢や目標を見つけ、その達成のため、働かなくても良い状態でも働き始める。Fireを目指していた時のように【夢、目標を持って行動する】状態に戻ることだと考えられる。これは決して悪いことでは無い。

副業とFireとの関係とは

 そもそもFireとは転職する人が増え、キャリアに縛られないなどの働き方や生き方の多様性の一つだと思う。働くことが当たり前だと思っていた時代は終わり、働かなくても生きていける世の中になっている。何が正しいということは無いのは確かだし、今の世の中ではどんな生き方も不可能ではなさそうだ。
 ただFireを目指す場合にも、世界情勢の急変などを含めた急な出費に備えて十分な貯蓄を用意した方が良いし、働きたくなったときに再び働けるよう、スキルを維持する工夫は必要だ。スキルアップと同時に本業には頼らない収入を得る副業に挑戦する人は、Fireを卒業して再び働く時にも役にたつ。給料の高い会社員・正社員として復職できなくても、副業・自営業をしてきた経験を利用しての復職は十分可能だ。実際にFire達成者も副業や自営業も含めて達成している人がいる。Fireを目指すのもFireを卒業するのも副業経験は役に立てることができるのだ。
 

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