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中小企業診断士試験の受験記


本日は、昨年(2022年)受験した中小企業診断士試験についての振り返り記事です。

診断士試験を目指した経緯

「中小企業診断士」という資格があることは以前から知っていました。

ただ、仕事もそれなりに忙しく、他にやりたいこと(勉強など)もあったりして、「テキストを購入して勉強しよう」という段階には至りませんでした。

ところが、新型コロナの蔓延で在宅勤務が増え、仕事のやり方や生活様式の変更が余儀なくされました。

巣ごもり生活が常態化し、対面接触が少なくなり時間が過ぎていく日々。既にシニア世代にある私は、「何となくこのまま社会の流れから取り残されていくような危機感」を覚えていました。

そんな中、「オンラインで集まろうよ」ということで久々に開催した同窓会。年齢的にも定年が迫りつつある同世代の友人達。明るく振舞ってはいるものの、皆、どこか不安を抱えているような印象を持ちました。

定年後の生活も話題になりました。

田舎の実家に戻って農業を手伝う、学生時代にやっていた楽器を再開する、などなど。また、資格取得を考えている友人も何人かいました。「キャリアコンサルタント」、「行政書士」、「中小企業診断士」など…。

この時、「中小企業診断士」と聞いて、再び資格のことが気になり始めました。

情報収集

中小企業診断士については、勉強する内容(科目)は漠然とは分かっていました。

そこで、より詳細な情報を入手するために、インターネットを用いた情報収集を行いました。

結果、以下のことが判明しました。

  • 1次試験は7~8月頃、2次試験は10月頃に行われること。

  • 2次試験(記述試験)が難関であること。

  • 2次試験の合格率は、年齢が高まるにしたがって低くなること。

書店等で目にしていたのは1次試験のテキストだったので、2次試験についてはほとんどイメージがありません。

また、シニア世代の私にとって(2次試験の)合格率(の低さ)は気になるデータでした。

「年齢は関係ない」と思う反面、「勉強するなら早い方が良いだろう」ということで、2022年4月から1次試験の勉強を開始しました。

短期で臨んだ1次試験


勉強をスタートした時点で8月の1次試験まで残り4ヶ月。予備校や通信教育は使わず、独学で準備することにしました。

勉強期間は短かったのですが、年齢とともに根気もモチベーションも続かなくなってきているため、短期決戦の方がむしろ好都合でした。

つまり、「勉強に飽きる前に試験日を迎える」という発想です。

1次試験は7科目で、「合計420点以上、かつ、40点以下の科目がなければ合格」です。

試験までの期間も限られているので、満遍なく勉強することは諦め、「得意科目で稼いで、勉強不足の科目(苦手科目)は足切り回避を目指す。」という戦略で進めました。

(勉強不足の科目は)付け刃になってしまったり、2日目の3科目については、過去問を1度も見ることなく本試験に臨んでしまったりと、悪い勉強法の見本のような勉強になってしまいました。

しかし、試験を受けることを目標に、やれるだけの準備をして試験に臨むこととしました。

真夏の2日間にわたる試験だったので、体力的な面でやや心配はありましたが、試験会場が非常に快適だったこと、また、久々に本格的な試験を受けるというワクワク感の方が大きく、2日間の試験を終えた後、「もう1日位(試験が)あってもいいかな」などと思いました。

試験終了翌日に発表された模範解答で自己採点をした結果、合格点を超えていることが分かったので、2次試験に向けて気持ちを切り替えました。

2次試験も短期で

2次試験については、1次試験が終わるまでノーマークだったので、過去問を中小企業診断協会のサイトからダウンロードして内容を確認することにしました。

2次試験は(1次試験合格者を母集団として)合格率20%弱という難関試験であり、かつ、(統計データとしては)年齢が上がるにつれて合格率が低くなっています(私の年齢だと合格率は10%程度でしょうか)。

しかも、勉強期間は2ヶ月半ほどしかありません。

不利な条件が色々揃っているのですが、「とりあえずやってみるか」と、勉強をスタートしました。

2次試験は、「80分/1科目×4科目=320分」で、試験終了後は1次試験とは比べものにならない疲労感が残りました。また、試験の手応えも良くなかったので、余計疲労感が大きくなったように思います。

試験終了後、試験会場を後にして駅に向かう途中、「力及ばずだった。来年はどうしようかな。」などと考えていました。

試験終了直後に最後の力を振り絞って「再現答案」を作り、その後は試験のことは忘れることとしました。

2023年1月12日の発表日、「恐らく不合格だろう」と思っていたので、仕事が一段落した夕方に合格発表を確認したのですが、予想に反して合格していました。

その後口述試験を経て、中小企業診断士2次試験に最終合格となりました。

中小企業診断士 合格証

気づいたこと、今後の方向性

得意分野の重要性

中小企業診断士試験を受けてみて改めて気づいたことは、「得意分野の重要性」です。

シニア世代になると、長い社会人生活で、得手・不得手というのが概ね固まってきます。

不得意分野を(頑張って)克服して「普通」になっても、差別化するためには、「普通」を「かなり得意に」する必要があります。しかし、そのためにはかなりの時間と労力を要することになります。

若いうちであれば、長期的視野に立って苦手分野を克服していく戦略も有効ですが、シニア世代は少し事情が異なると思うのです。

もちろん、苦手なことに取り組んで、それが少しずつできるようになることは、楽しいことです。

勉強を楽しむこと

一般に、資格試験に合格するためには、試験勉強を楽しんではいけないと言われます。

私も若い頃に受けた資格試験では、勉強を楽しみ過ぎないように注意していました。

しかし、ある程度年齢を重ねてくると「楽しくなければそもそも続かない」という状態になります。

勉強の効率性追求と勉強を楽しむことのバランスが大切ではないかと思います。

今後のこと

中小企業診断士2次試験に合格しただけでは、中小企業診断士として登録することはできません。

登録のためには、(試験合格後3年以内に)15日間の「実務補習」または「実務従事」の要件を満たす必要があります。

私の場合、急いで登録する必要性も薄いので、ゆっくり準備をする予定です。

ということで、私の中小企業診断士の受験記でした。

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