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三井寿のような気持ちからの脱却〜この1年の英語学習の成果〜 #LegalAC

なぜ俺はこんな無駄な時間を・・・

スラムダンクという高校バスケ部をテーマにした漫画に「三井寿」という男性がいます。
中学時代に中学バスケの大会でMVPを取るくらいに活躍するものの怪我をきっかけにグレてしまい高校時代は高3までほとんどバスケをすることを避けてきました。
復帰してからは元からのセンスを活かして早々に主力メンバーとなるものの、自分のブランクを悔いて中学時代の栄光時代を思い返す場面が描かれます。

自己紹介

さて、今年もLegal アドベントカレンダー(以下「LegalAC」)の時期がやってきました。このLegalACへの参加も気づけばもう11年目です
この季節に描いた記事を見返ることで自分の11年間の軌跡を思い出すことができる、自分にとって思い入れのある企画です。

過去のLegalACの記事をざっくり振り返ると、一人法務の悩み〜法務もセキュリティをやってみよう〜法務もプログラミングをやろう、テックを取り入れよう〜転職エントリー〜マネジメントの課題〜
みたいな感じのテーマが描かれていますね。
興味がある方はこちらを覗いてみてね→ 過去のブログを LegalACでソートしたページ

そして、今年はどんな一年だったかというと、昨年のエントリーにもあるようにプライバシー専門にするポジションへ転職し、プライバシー・個人情報どっぷりな一年でした。
さあその内容を書こうか!という風にも考えたのですが昨今のLegalACの顔ぶれから予測するにプライバシー、個人情報のテーマが多そうなので(多くていいと思うんですが)あえてそのテーマは選ばずに、今年自分の中で一番成果と成長を感じたトピックについて描いていこうと思います。

それが冒頭の三井寿にも繋がるのですが、それは「英語」です。

プライバシー&セキュリティの分野に限らないかも知れませんが、英語を自由に使うことができるというのは、業務上のインプットや仕事のコミュニケーションにおいても非常に重要な要素になっていると思います。
グローバルに活躍するチャンスを得るために英語の能力は不可欠です。
昨今ではChatGPTなどで英語の機械翻訳能力が向上しているのでそれをうまく活用することも重要ではあるものの、全く英語がわからない状態でそれを使うこともできないと思いますのである程度の基礎スキルは必要でしょう。また、カジュアルに自分の言葉を自分で英語で伝えてみたいという気持ちがあります。

現職に感じた魅力の一つが、英語を使った仕事をするチャンスがあるということ。
入社前に一番気にしていたのが英語を使っていけるのかという点で、Bizmatesというオンライン英会話を1ヶ月だけ入会して、1日2コマをほぼ毎日受講して「英語で話すことの抵抗感を無くす」という状態にしてから「あとはなんとかなるだろう!」と腹を括って入社をしたのを思い出します。

今考えてもあの助走は良かったなと思います。実際の所、入社後に英語を学習開始する、でも問題はなかったような気がするのですが、自分の中で「覚悟」を決めて行ったということが意味があったように思います。

入社後は、当初想像していたような頻度では英語を使うことはなく、自分が使いたい、それを用いて仕事をしたいという「意思」に比例してそのチャンスや機会が到来する、という感じの環境でした(逆にいうと、「自分は英語はいいや」と思うとどんどんチャンスが減っていく。)。

なりたい状態を言語化する

これまでも何度も「英文契約を読めるようになりたい」「英語で海外との交渉を行いたい」「海外のデータ保護法を自分自身で解釈して運用に持っていきたい」というような漠然とした「英語を用いた仕事をしたい」という希望は持ち続けていました。それこそ、11年前の頃から(多分)。
それでもなかなか前に進むことができずにもどかしく思っていました。

環境の違いなのか、覚悟の違いなのか、きっかけの有無なのか。多分環境の違いは大きいと思います。あと業務における必要性の程度も。

そこで、自分としては「英語を用いて世界中のプライバシー&セキュリティのスペシャリストたちと一緒に仕事ができる、自分たちの仕事を海外のカンファレンスでカッコよく発表する」というようなイメージを言語化してみました。それこそ、ラスベガスの大きな会場で埋め尽くされたオーディエンスの前で流暢に英語を使ってプレゼンをするイメージです。

今回の転職で英語を用いるチャンスがゴロゴロ転がっているので、あと必要なのは英語を用いる場所へ飛び込む「覚悟」のみ。

毎日0.1%でも成長する習慣の整備

まずベースとして実践したのは次のようなことでした。

  • 「英語は10000時間でモノになる」という書籍を参考に使えそうな要素をパクる

    • オンライン英会話NativeCampを毎月継続的に受講(1年以上継続)

    • iknow!というボキャビルアプリに課金して毎日単語をインプット。

NativeCampでは自分に必要なコースを受講することができるのですが自分はいつも決まったフィリピン人講師の先生と主にビジネス英会話コースを受講していました。同じ先生ともう150回以上会話をしているので下手したら一番1on1している相手かも知れません。
オンライン英会話には「カランメソッド」というような短時間でたくさんの単語を話すやや特殊なコースもあったのですが、自分としては「自分が話したいことを英語で自分の言葉で自由に話せる」ことがとても楽しかったのでカランメソッドはあまり合わず、ビジネス英会話コースを元に合間合間にフリートークを話すようにして楽しんでいました。

何よりもこの英語学習の習慣を作るという段階で一番大事なのは「楽しく続けられること」だと思います。
その意味で、NativeCampの先生と話すこと自体が自分の英語学習にとって大きなモチベーションになっていました。だって、毎回めっちゃ褒めてくれるんですもの。

英語を実践する環境で小さくとも成功体験を得る

上記のような習慣をうまく続けるためにも目標を立ててそこに向けてトレーニングをすることが有効だと思います。
年末年始に「英語で外部に向けてプレゼンをする」という目標を立てて同僚にも宣言をしてみました。その実現のために、法務互助会Slackにてそのようなチャンスがないかどうか聞いてみた所、即座に英語でのプレゼンの機会が決まりました。

そこで決まったのが

ALB JAPAN IN-HOUSE LEGAL SUMMIT 2023

というイベントでした。

このイベントに向けて発表の準備をNativeCampの先生と二人三脚ですることにしました。約20分の枠の中でおよそ15分の発表を予定していたのでそれに向けたプレゼンスライドを共有し、通しで発表→フィードバックをもらって改善していく、というプロセスを1ヶ月ほど繰り返していきました。
テーマは社内でのプライバシーガバナンス向上の取り組みに向けてどのように実践をして行ったのか、という内容です。
NativeCampでフリートークをしていて気づくのですが、自分の専門分野について英語で説明するのは意外とできるもので、いい会話のトレーニングにもなるなと思いました。

当日会場に行ってみて想像以上の豪華な会場、まるでドラマSUITSの世界に迷い込んだかのような外国人ロイヤーの方々の発表。その中に颯爽とネオンイエローの衣装で乗り込む私。
結果としては、カジュアルでツッコミどころの多い内容だったのが功を奏してか、その日の発表の中で一番質疑応答が発生するという盛り上がるプレゼンの場を提供できたのではないかと思います。もっとも、英語で質問された時にはうまくその趣旨を聞き取れずにうまく返答できなかったのと「質疑応答は日本語でお願いします」と日和ってしまったことです。
とにかく大きなチャレンジを一つ乗り越えて自信をつけることができました。

NativeCampを用いて徐々に自信をつけてきた自分はあることに気づいていました。それは、「オンライン英会話の先生とは自由に話せる割に、英語話者の同僚とはそんなに絡んでいない問題」です。
これは大きな問題です。リモート環境だと直接の絡みがないといつまで経っても距離が縮まらない。幸いになことにこのジレンマを解消することができたのが、同僚の送別会に参加した際に二次会で一緒だった席が英語話者メインだったのでお酒の勢いも借りてその場では全て英語で会話を楽しみました。すると、その中で会話が通じた実感があり大きな自信になりました。

その同僚とのカジュアルトークをきっかけに、インターナショナルな我々の部署での取り組みである Language Exchangeという、日本語話者は日本語を、英語話者は英語をそれぞれ教え合うプログラムにも参加するようになりました。

このようになんだかんだ発表の場やカジュアルなトークをする機会が増えてきたので助走はついたと感じた私は、社内のプレゼンの機会で英語でOKな場所では極力英語で話してみる、ということを自分に課してみることにしました。
例えば、英語話者もいる場での自己紹介や、自分たちの取り組みの発表会、合宿での英語話者中心のディスカッションの場など。
基本的に同時翻訳のサポートも受けることはできるのですが、失敗しても問題なさそうな場では英語を使うことを心がけてみました。

そのような積み重ねの結果か、英語話者の上長や同僚からは「君は普通に英語話せるよね」というような評価を得ることができていました。
これは思ってもいない評価で、ついつい謙遜してしまいたくなりそうですが、内心は「やった〜〜〜! うれしいい〜〜〜!」というふうに思いました。逆にいうと「あなたが英語できるって評価してくれたら僕は英語使う場でどんどん発表して行っちゃうよ」と思いました。
自分が根っからのポジティブ思考なので、上記の Language Exchangeをした際にも英語話者の同僚から「すでに英語使えるのにどうしてさらにこのプログラムに参加してるの?」と言われたように聞こえました。

こうやって、1年前のもどかしさから振り返ると、個人的な変化が大きく起きたと思いました。

先日、人生初めての海外出張の機会もいただき、英語での現地でのヒアリング参加、英語での30分程の研修講師&質疑応答。現地メンバーとの懇親会の参加などを無事終えた所です。

あの頃の自分をもう超えているか?

もちろん、1年前の時点で全くゼロからのスタートではなかったと思います。NHKのビジネス英会話を継続的に聞いていたり、英語学習のためのHOW TO本をいくつも読んだり。中学生から復習する英文法の本を読んだりTOEICのテストを受けたり・・・遡ってみると、大学受験では英語はむしろ得意科目の方だったし、中学3年の時に2週間ほど短期のホームステイをアメリカでしてきた経験で「将来はハーバード大学に入ると決めました」ということを熱く語っていた自分でした。

でも、不思議と機会ときっかけがなく、ここまできていたのですが、中学3年生の時のホームステイ先でエンジョイしていた頃の自分に戻りたいと思った頃もありました。

しかし、あるとき気づいたのです、もう「今の自分は中学時代の自分を超えていると・・・」

これらはあくまで「英語で話す」という部分に特化した話かも知れず、英語のドキュメントを読んだり英語でタイプしたり、英文契約を修正したりドキュメンテーションできたり・・・ということにはまだまだ取り組めていないので、これからやっていくポイントになると思っています。

しかし、きっかけは掴めた、あとはこのやり方で一つ一つ前の進んでいければ良いという自信がついた、そういう自分なりの気づきをこのnoteで紹介できればと思いこの1年のまとめとしてLegalACにエントリーしました。

英語に限らず「できない状態のもどかしさ」を感じながら、「それを少しずつ自分なりのやり方で打破していく」ということが自分の成長、成果を出す際に大きなモチベーションとなっていると思います。
完璧な人間は存在しないし、時間も有限です。
自分のやりたいこと、憧れてる世界があればそれに一つでも近づけるように気軽に色々試して、撤退して、またトライしてやってみるとふとしたきっかけで何かドアが開く時が来るかも知れないと思います。

来年は、諸外国のプライバシー法やセキュリティに関するニュースをバリバリ英語で読んだり、書いたりして、海外の専門家の方々と英語でモリモリディスカッションすることができる様になる、こんななりたい状態を言語化してみました。
プライバシーバイデザインラボのPrivacy Talkというコンテンツがまさに諸外国のプライバシー専門家と英語でインタビューをしている様子がモリモリアップされていて非常に刺激になります。
少しでも、自分のワクワクする姿に向けて時間を使っていけたらなと思います。

2023年の#LegalACはまだまだ始まったばかり! 次のバトンを 淺井健人さんに託します!
今年からnoteで本格的に記事を書くようになりまして、初めてnoteでアドベントカレンダーを書きました!めっちゃ書きやすいですね!!!

このnoteが何かの参考になれば幸いです!

おまけ

英会話の参考になった本を紹介します。


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