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リゾートバイトで働く(前編)

リゾートバイトをしながら全国を旅するように暮らし、仕事をした。

初めてリゾートバイトをしたのは2017年、25歳のときだった。それから、紆余曲折を経て(コロナの事情や個人的な事情もあり)、一時はリゾートバイトから離れた時期もあったが、その後リゾートバイトを再開し、この度、定住地を見つけたのでリゾートバイトを卒業することにした。

そこで、リゾートバイト(以下:リゾバ)歴5年を超えた私の主観的なリゾバ情報をまとめてみる。

個人的なリゾバで行った場所のまとめだったり、感じたことだったりを備忘録として書き残しておく。
多少なりともリゾバに興味のある人の参考になれば幸いです。

リゾートバイトとは

まずはリゾートバイトとは、という話であるが、書いて字のごとく、「リゾート地でアルバイトをする」ことである。加えるならば、住み込みで働くという点も挙げられる。
バイトと言ってはいるが実際には雇用形態は派遣だ。なので規定をクリアすれば保険加入もあるし、同じ派遣会社を利用し続けていれば有給休暇の付与もされる。

リゾバの利点は、何といってもお金が貯まること。リゾート地の求人ではほとんど「家賃・光熱費・食費が無料」になる。
働いて稼いだお金から保険料等が差し引かれ、残りはそのまま手元に残る。普通ならば家賃や光熱費の支払いがあって、最終的に手元に残るものは結構少なくなってしまうが、リゾバならそれもない。

お金が貯まる理由は、その立地にもある。リゾート地や観光地の旅館・ホテルは海の近くだったり山の中だったり、果ては離島だったりする。
お気づきの方もいるかと思うが、そう、物理的にお金を使う場所がないのだ。

リゾバに来ているスタッフの多くは「留学がしたい」という目標があったり、「海外旅行がしたい」という理由でお金を貯めようと思って来ていたりするので、最初から貯金志向が強い。
たまに遊びに行くこともあるけれど、休みの日のほとんどは留学に備えて語学の勉強をしていたり、サブスク加入している動画サイトを見ていることが多く、基本的にあまり出歩かない。

沖縄では、「海が好きだから海の近くで働いて、休みの日はダイビングに行く」という人もいた。ダイビングはゴーグルやフィンなどの初期費用はかかるにせよ、それでも海に潜るだけなのでお金はかからない。コスパのいい娯楽だなと思う。

コロナ禍を経て、気軽に海外にいけない雰囲気が続いた時期が長かったからか、昨今では「いろいろな場所に行きたい」「いろいろな経験をしたい」という経験や体験を主とした目的にしているリゾバイターも多い。

かくいう私も、リゾバで仕事を選ぶときの基準が「〇〇に行きたい(住みたい)」という理由だったので、経験を求めている一人だった。


リゾートバイトの職種

リゾバに馴染みのない人にとっては、まず最初の疑問がホテル・旅館で働くとは?だろう。
職種でいえば、いわゆるホテルマンである。
細かく細分化していくならば、表舞台に立つフロント、ベル、レストランサービス(仲居)、売店。裏方ならば清掃、調理、予約事務など。
簡単にいうならば宿泊施設に付随する仕事すべてがリゾートバイトの職種にあたる。

私自身が経験したものを挙げるならば、売店、フロント、ベル、カフェ、仲居、予約事務、清掃だ。おまけに変わり種カメラマンの仕事をしたこともある。

最近はグランピング施設の求人も増えていて、選択肢の幅が広がっていて、そういう施設を選べる楽しさもある。
資格所有者・経験者に限定するならば、ダイビングインストラクター、スパ(マッサージ)、パティシエなどの求人もあるので、少し専門性の高い派遣という認識でもいいだろう。

リゾートバイトの選び方

ここからはリゾバに興味がある人、リゾバを始めてみようと思っている人に向けて、その選び方の解説をする。
個人的見解も含むが、私がリゾバを何件か経験してここが重要だな、と感じたポイントをまとめる。

家賃・光熱費無料はあたりまえ

リゾバはそのほとんどが住み込みバイトなので仕事の条件を決めるのと同時に、住む場所の条件も気にしなくてはいけない。

とはいえほとんどの求人は家賃無料で住めるようになっているが、時折「家賃1万円」「光熱費は5千円は実費」というのを見かけることがある。
確かに普通に生活していれば家賃1万円は安いだろうし、光熱費を5千円負担してくれるのはありがたいと思うかもしれない。が、しかしこれはリゾバ。ほかを見れば家賃・光熱費無料の求人はいくらでもある。
よっぽどその求人に思い入れがない限りは家賃・光熱費がかかる求人は選択肢から外していいだろう。

食費無料。もしくは食費補助があるとうれしい

食費無料求人は「出勤日2食無料」という文言で提示される。出勤日1食のみ無料のところもままある。
ただその食事の内容は現場によって異なる。まかないであったり、提携している弁当屋の弁当であったり。

良いときは、従業員食堂がきちんとあり、出来立てが食べられてなおかつおかわり自由という現場があった。
しかし悪いときは、本当に質素なもので、幼稚園児の給食か?というくらい少ない現場があった。場所も、食事をとる場所がないので厨房の隅で食べるような感じ。これでは腹は満たされない。そこで働く従業員は近くのコンビニに行っていた。

食費補助とは「出勤日1日当たり◯円付与」という形態のもの。
現地での現物支給がない代わりに、給与日にまとめて食費手当が支給されるのである。
これは好きなものが食べられる反面、僻地の場合食料調達に苦労する場合もあるので、現場の周辺環境の事前調査が必須になってくる。

寮は絶対個室がいい

リゾバにおいては、私は絶対に個室寮を選んでいた。
もともと旅好きでゲストハウスのドミトリー(相部屋)に泊まることもあり、他人と同じ部屋で眠ることが出来ないわけではない。が、しかし、ここはリゾバ

現場によっては結構キツイところもある。そうなったときに、疲れて帰ってきて室内に他人の気配があると落ち着かない。ましてや相部屋の人と生活リズムが違う(例えば自分は遅番出勤で昼起き、だけど相部屋の人は早番出勤で早朝から動き出す)と気が散る。もちろん相手にも気を使う。
そしてルームメイトがみんな良い人とは限らない。常識のない人もいる。そうなったときは苦痛でしかないでしょう。
なので可能な限り個室寮を選ぶことをお勧めします。

私が過去に経験した寮は
・完全個室寮
・個室寮(客室寮)
・シェアハウス寮

一つずつ解説していく。

完全個室寮
これはアパートで一人暮らしするのと全く同じ状態である。室内に風呂、トイレ、キッチン、そして洗濯機も完備。最高です。
寮がこのタイプだったら多少不便な立地でも過酷そうな現場でも、ちょっと気持ちが揺らぎます。

個室寮(客室寮)
おそらく一番多いのがこのタイプ。
私が利用したのは部屋に風呂、トイレ、キッチン完備。でも洗濯機は共用だよ、というタイプ。
洗濯は絶対毎日したい!という人でなければこの寮で充分だ。

風呂、トイレって共用でよくない?と思うかもしれないが、いやいやあるに越したことないよ…と言いたい。
お腹の調子が悪い時に誰に気兼ねもせずトイレに籠れる。最高じゃないですか。あと夜中に尿意で目が覚めた時、部屋から出て寒い廊下を歩いてトイレに向かう…面倒じゃないですか。

部屋にトイレだけはある環境にしておくのは非常におすすめです。

客室寮はホテルの客室をそのまま利用するタイプ。
風呂トイレのユニットバス付き。大画面テレビと小型冷蔵庫もあって最低限のものがきっちり揃っているという印象。
施設によっては室内に電子レンジ・ケトルもある。
客室寮の最大のメリットは、(これはホテルによるが)すごくいいベッドを使うことができる点だ。
快眠に特化した横文字ブランドのベッドでセミダブルサイズ。最高の睡眠を得られる。出勤も徒歩30秒ほどなのでギリギリに起きても大丈夫です。

デメリットは、自炊環境がないので食に飽きること。
私はとあるビジネスホテルで働いた際に客室寮利用したが、食事は近所のスーパーかコンビニ食だった。1ヶ月もすれば結構飽きる。
あと洗濯機が1回300円なのは地味に嫌だなぁと思った点です(ちょっとだけ洗いたいときに不便)。

シェアハウス寮
これはそのまんま、シェアハウスです。
個室内にはベッドとテレビがあるのみ。現場によっては小型の冷蔵庫もあり。それ以外の風呂、トイレ、キッチンを他人と共同で使う。

私が利用したシェアハウス寮は女性しかいない女子寮タイプと、男女混合があった。
とはいえ男女混合シェアハウスでも、洗面所もトイレも洗濯機も男女きっちり分けてあって、キッチン(リビング含む)だけ男女共用という形だ。
初めてのリゾバで不安+寂しがり屋さんはシェアハウスだときっと楽しい生活が送れることだろう。
しかしやはり、女性のみのほうが安全性は高い。あと寝起きや風呂上りを異性に見られるのはちょっと、という乙女心的にも、男女混合シェアハウス型は私には合わなかった。

適度な交通の便のよさ

リゾート地、特に温泉街は山の中にあることが多いが、それでも多少の交通の便はある方がいい。

例えば観光バスが立ち寄る場所。
そういう場所は観光客が自家用車ではなくバスで来ることができ、つまり温泉街に住んでいる人間もそのバスにのって山を下りることができる。
群馬の草津温泉がまさにそれだった。バスターミナルがあり、バスにのって山を下りて、それから電車に乗って高崎市内まで出かけた。頻繁に出かけるというわけではないが、息抜きにどこかに行けるという環境はあるに越したことはない。

連休をもらったときはそうやって息抜きに下山していた。下山、というと大げさに思うかもしれないが、実際月単位で生活していると何もない場所に閉塞感を覚えて嫌になる。適度に生き抜きできる環境なのがベストだ。

車を持っている人は車持ち込みをしてしまうのが一番。
車を持っていない人は車所持の人と仲良くなってどこかに連れていってもらうのも一つ手だが、私はコミュ障なのでそういうのは出来マセンデシタ。

今のご時世、買い物に関しては通販でもどうにかなります。使い慣れた化粧品、シャンプーなどは田舎の商店になければ通販で購入可能。
離島の場合は荷物が届くまでに1~2週間、時間がかかる場合があるのでそれだけは要注意。

優先順位をつけることが大切

以上がリゾートバイトとはの基本情報で概要になる。
最良の衣食住を手に入れるのは、正直難しい。なのでどこに重きを置くかをしっかり考え、派遣会社の営業に相談するのをおススメする。

後編では私が実際に利用した派遣会社と行った現場についてまとめる。


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