TapNovel プロジェクト・備忘録


・TapNoveとは

TapNovel(タップノベル)というサービスをご存知だろうか?
まあ検索してもらうのが一番手っ取り早いのだが、簡単に説明すると、無料で読める小説投稿サイトだ。(アプリ版とブラウザ版があるが、アプリ版は公式作のみ、ブラウザ版は公式+投稿作。なので後者の方がオススメ。笑)

小説投稿サイト、と書いたが純粋な小説ではない。正式には『ゲーム小説』だ。しかしゲームといっても選択肢がある訳ではなく、単純に物語を読み進めていくだけ。画面上にイラストがあり、下にセリフが表示される。更にBGMや効果音、アニメーションエフェクトなど。アドベンチャーゲームなどの会話画面、といえば近いだろうか。あるいはマンガとアニメの中間のメディア?…… やっぱり直接見てもらった方が早い。

・TapNovelMaker

で、このサイト、専用のエディタまであって、作ったらそのまま投稿が可能。しかもかなり使いやすい。無料で使用出来るがハッキリ言ってこの段階で有料でも良いくらいだ。
有料なのはMakerProという所謂サブスク。一部条件クリアで開放される機能がいきなり使える他、プロジェクト機能という共同執筆が可能になる。

・プロジェクト・備忘録

んで、ようやく本題。
先日からこのプロジェクト機能を使って、公式監修の下、共同で一作品を作ってみよう、という企画がスタートした。
向こう約三ヶ月間に渡ってライター(サイト投稿者)からアイディアを募り、プロットを制作し、実際に作品を執筆する。その過程で編集長からフィードバックを受ける。(その様子はYouTubeで配信される)
つまり実際にプロがやっている事を実践するかたちになる。貴重な機会であり、そんなサービスは中々ないだろう。ついでにライターのスキルアップというコンセプトもあるらしい。
(ちなみにもう既に終了している企画なので、問い合わせなどはしないでほしい。笑)

この記事では、主に自分用の備忘録として、毎回の講義、個人的に気になった点などをメモしていく。個人名(アカウント名)は出さないし、ザックリ纏めただけなので、詳しく知りたい人は当該の動画を見てほしい。(かなり長いけど。笑)

※有料会員向けのプロジェクトなので、アフタートーク、Discord内で得た情報は書いていません。

・第1ターム

講義 タイトル重要

・前提条件
ルールに沿っているか。(いわくの効果など)
コンセプトに合致しているか。(作品の統一感、方向性など)
・題材の惹き
新規性があるか。既視感がないか。
想像を掻き立てられるか。物語性を感じるか。
人の欲求を感じられるか。誰かが強く欲しいと思うか。

どんな欲求を抱えて人がどんな障害や葛藤を乗り越えて何をする話?

・展開の流れ
欲求から始まっているか。行動線はあるか。
欲求が途中で変わってしまっていないか。行動線を追っているか。
強引過ぎる展開やご都合展開。

サンプルでは(動画参照)

・使用者
・使用者の欲求
・欲求を持つ事になった出来事
・手段
・いわく

その他まとめ

タイトルでネタバレしない。ちょっと匂わせる。
なるべく時間経過させない。
徐々にエスカレートさせる。(グラデーション)
本題に入るまでは早く。

・第2ターム

まとめ

一人のシーンをなくす。なるべく会話をさせる。
アイディアやプロットの段階でセリフは入れない。
実際にあった事件、事故を扱う場合は注意。
今のトレンドは使わない。

導入で謎を作り、興味を引き付ける。
キャラの話に出すだけでなく、実際にエピソードとして書く。
思うよりセリフ、セリフより行動。

・第3ターム

講義 プロットのコツ

話の展開を時系列に沿って記載。
結末まで書く。
登場人物の行動を感情がわかるように書く。(誰がどう思って行動したか)
キャラの行動線と構成を整える。矛盾や破綻の修正。
読み手に話の全体像や面白さを伝えるものなので、本文ではない。
重要でない事は書かない。

立ち上がり(読者が読みたいものはなに?)
→作者が伝えたい事ではなく、読者が知りたいものを
読者がその先を読みたくなるしかけ(サービス精神)
→面白い所から入る。びっくりさせる。謎を作る。など。
依頼人の回想
→依頼人の見聞きした事しかシーンに出来ない。

モノローグ(心の声を減らす)※ナレーションは別
読者が嫌いな説明になる。
主人公が傍観者になりやすい。
建前による人間関係や性格を表現しにくい。

回想を減らす。
読者が嫌いな説明。
メインストーリーを止めてしまう。

その他まとめ

オチはデザート。おまけ。途中を面白くする。
冒頭のシーンで惹きつける。
夢展開はやめる。
プロットでわかりにくければ、本文は更にわかりにくくなる。
キャラに嫌味を言わせない。好感度が下がる。(そういうキャラならOK)

・第4ターム

まとめ

必要な情報はなるべく早く提示する。
情報をいくつも詰め込まない。
最初から最後まで書かない。シーンを切り取る。
重要でない設定は盛り込まない。
長セリフは怒っている時や焦っている時。
キャラの名前は作品を雰囲気に合わせる。

・第5ターム

講義 テンポを意識する

・丁寧な相槌はいらない。
・誰が言っても同じような挨拶はいらない(キャラならではならOK)
・出来事の始まりから終わりまでを書かない。(面白い所を切り取る)
・表現を重複しない。(テンポとリズムも悪くなる。お作法)
・同じ意味の事を何度も言わない。(読者を信じる)繰り返すと逆に印象が薄くなる。

1つのシーンでは目的1点に集中

・いつくもつめこまない。(シーンを分割する)
キャラが「そういえば……」とか言い出したら注意。

沈黙や名前だけのセリフに注意

・読者にキャラの感情が伝わらない事がある。後半なら良いが、前半だと読者がキャラを理解していない為、伝わらなくなる。

その他まとめ

次のシーンでわかる事は書かない。

・第6ターム

講義 モノローグ代わりの独り言が多い。

読者が嫌いな説明。
キャラが出来事に関わらない。
キャラが傍観者になりやすい。
建前による人間関係や性格を表現出来ない。
キャラが立たない。

キャラが多すぎる。

シーンが冗長になる。
他のキャラが立たなくなる。
1つの役割に対して、1人にする。他のキャラが喋ってもいいセリフの時点で役割が重複している。

物語の大部分を占めるのがセリフ。
セリフが面白くないと物語が面白くならない。

セリフの役割。
1 ストーリーを進める。
2 キャラの性格や感情を表現する。
読者はストーリーでは感動しない。ストーリーはあくまで先を読ませるためのもの。読者はキャラで感動する。
セリフでストーリーを進めるだけでなく、キャラを表現する事を忘れてはならない。

よくないセリフ

・独白
作者が伝えたい情報をキャラに無理やり喋らせる。
読者に情報を伝えるだけの完全な説明。
・誘導セリフ
作者が伝えたい情報をキャラに喋らせるだけの問いかけ。
キャラの感情を置き去りにする。

説明をなくす

大前提として読者は説明されるのが嫌い。読者は作者によって説明されるのではなく、自分で想像・理解したい。作者が伝えたい事と、読者が知りたい事に相違がある場合に説明臭さを感じる。
・説明臭さをなくす為には、読者が知りたいタイミングで伝えなければならない。
・その為には読者が知りたいと思わせる工夫が必要。
嘘つきセリフ
感情のあるセリフ

その他まとめ

セリフは具体的に。
キャラを描き分ける。
誰が言っても同じセリフは避ける。同じ意味のセリフでもキャラによって変わる。
偶然展開は避ける。
キャラを対比させる。
積み重ねでキャラを立てる。
重要なセリフはシーンの最後で。
サブキャラ、モブキャラにも役割、人格はある。
冒頭でモタモタしない。
キャラを立てて、シーンを面白くする。ストーリーをなぞるだけではダメ。
読者がどう思うか、をコントロールする。
読者視点のツッコミを入れる。

・第7ターム

講義 テンポを上げるための工夫。(動画参照)

まとめ

モラハラに注意。キャラを応援出来なくなる。
恋愛関係にする場合は、どれだけ特別なのかを提示する。
関西弁は有利。
モノローグの効果的な使い方は、建前上面と向かって言えばない本音を出す時。

・第8ターム

まとめ

回想はその人の視点で入る。その人以外知りえない情報は出さない。
作者の言い回し(癖)で書かない。そのキャラが喋りそうなセリフを書く。
キャラの最初のセリフは大事。恋に落ちるキャラなら特別感を出す。
セリフは短ければ短いほど良い。
1つのシーンを長くし過ぎない。

・第9ターム

まとめ

人間関係の情報はなるべく早く出す。
作者視点ではなく、キャラの視点(情報量)で話を進める。
シーンで描かないと読者の印象に残らない。
冒頭はわかりやすく。読者が付いてきたら突き放しても良い。
回想に入る時と戻ってくるシーンは同じにする。
モブキャラを説明の為に便利に使い過ぎない。

・第10ターム

講義 補足

・沈黙や名前だけのセリフに注意。
→読者にキャラの感情が伝わらない事がある。
・引きを意識する。
→次のシーンを読みたくさせる。
依頼人の回想。
→依頼人の見聞きした事しかシーンに書けない。
作者ではなく、キャラの情報量で会話する。
→作者が知っている情報で会話すると、リアクションや会話の流れが変になる。

その他まとめ

冒頭で説明コストが高い場合などは、ナレーションやモノローグが有効。

基本的に、すべてのベースとなっているのは、新井一著『シナリオの基礎技術』からと思われる。如何せん古い本なので読み難い部分もあると思うが、アドバイスを補完する内容になっているので、興味の湧いた方は手に取ってみる事をオススメする。

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