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世帯収入1200万円、老後破綻はする?しない?

今回は世帯収入1200万円のご家族が、老後破綻をするのかしないのか、
ライフプランを作成してシミュレーションしてみます。

世帯収入が1200万円でも、生活水準、子供の人数/教育水準、住宅費によって大きく影響しますので、あくまで前提の家庭での話ということで。

基本情報(家族構成、収入など)

パパ:1983年5月生(39歳)、会社員、年収800万円
ママ:1985年9月生(37歳)、会社員、年収400万円
長男:2015年8月生(7歳)。、公立小学校の2年生
次男:2018年6月生(4歳)、保育園。
※年齢は2022年時点、※東京都23区に在住

今後の希望

相談内容は、
①住宅を購入したいがどのくらいの予算が適切か?
②子供は中学受験をして、私立に入れたいが大丈夫か?
と2つ。

相談内容としては、これにNISAとiDeCoの話が加わってくるパターンが多いです。

ライフプラン作成時に情報提供を頂くもの

上記の基本情報(家族構成、収入)の他に、このような情報、資料を頂きます。
・生活費
・住宅ローン(契約中であれば)
・資産内容(現預金、投資信託など)
・加入中の保険証券
・年金定期便
など。

まずは基本のプラン

まずは基本のプランということで、
上記の基本情報(家族構成、収入)を前提に、

ご希望の通り、
子供2人は中学から私立中高→私立文系大学
住宅(木造新築)は6000万円、ローンはパパ3500万円、ママ2000万円
で作ってみます。

ライフプランソフトから出てきた結果は、このグラフのようになります。

【収支推移表】

この収支推移表の見方は、縦軸の真ん中の0円のところの黒い横線より上が収入、下が支出。横軸は年齢になっています。
棒グラフが各項目の収入支出の積上げで、赤線が各年の収支になっています。
赤線が黒線より上の場合は、その年の収支はプラスになります。

今回のケースでは、来年家を買うので(①のところ)、頭金などの文で収支がマイナスとなっています。
また、39歳から35年ローンのため74歳までローンが続きますので、70歳で退職後の4年間ほど(②のあたり)、収支がマイナスになります。

【資産負債推移表】

次に資産負債推移表です。その名の通り、資産と負債の推移表で縦軸の0万円の黒い横線より上が資産、下が負債です。
具体的には緑が住宅、水色が現預金、下の茶色が住宅ローンです。
そして、赤線が資産-負債の純資産、青線が現預金と金融資産の推移です。

こちらも①のところで住宅を購入しているので頭金の分、水色の現預金が減っており、②のところで収入がなくなったがローンの返済があるため、預貯金を切り崩しているため減少しています。

結果的にグラフの一番右まで水色の現預金がプラスですので、このケースではどうにか破綻せずに過ごせると思います。

7000万円の住宅を購入たら、どうなる?

最近は住宅価格が高騰していますので、東京の場合、ちょっといいなぁと思う住宅は7000万円ということも、ざらにあります。

【収支推移表】
住宅費は6000万円→7000万円、ローンは、パパ:3500万円→4000万円、ママ:2000万円→2500万円に変更しました。

住宅ローンの返済や固定資産税などが、毎年少しずつ増えています。
収支推移表ではあまり差異がないように見えます。

【資産負債推移表】

収支推移表では違いが分かりにくかったですが、資産負債推移表では違いが顕著です。
全体的に水色の現預金が下になり、74歳ごろのローン返済が終わるころに、水色の現預金がマイナスになってしまいます。
その後も、最後までマイナスです。
実際には住宅が資産として残っていますので、売れば現預金が増えますが、築40年越えの木造住宅に資産価値はなく、土地の分だけが価値となります。

また売ってしまえば、どこかを借りて住む必要があります。
このライフプランは90歳までとしていますが、万一100歳、110歳と長生きすると、収支のマイナスが続くので、売却代金も底をつく可能性があります。

このケースの最大の課題は、
現役期間中はどうにかなるが、老後になって資産がマイナスになるので、現役期間中に危機感がないまま過ごしてしまうことです。

ライフプランを作成する意義

想定どおり収入が維持できるか、寿命年齢まで生きるのか、途中で病気になり休職したらローンを払い続けられるのか?
想定通りに行かない要素は多数ありそうです。

それでも今回のケースでは、適正な住宅予算以上の住宅を購入してしまうと老後破綻をするでしょうし、適正な予算で購入しても、病気になったり、配偶者が死亡したりすると、破綻する可能性があります。

そういったことを予め想定し、対処するために、ライフプランをやると良いと思います。

本日は以上です。

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