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老後資金の不足額からiDeCoの積立額を考える

今回はは老後資金の不足額からiDeCoの積立額を考えてみます。


根本的な考え方が抜けている

この記事を書くにあたって、YouTubeでNISAやiDeCoのキーワードでどういった記事があるかを確認しました。

そうすると
①NISAやiDeCoの制度の説明
②投資先のお薦め
③〇年やった成果紹介
などが多くありました。

個人的にはNISAもiDeCoも良い制度なので、多くの人がやるべきだと思います。

今回の記事で主張したいのは、タイトルの通り
『老後資金の不足額からiDeCoの積立額を決めてほしい』ということ。

これらの動画は「手法の説明」で
その前に、例えば老後資金なら、老後資金がいくら必要で、このiDeCoで毎月〇〇円を受取りたい(取崩ししたい)。
だから、いま△△円の積立をしようと、計画(戦略)を立ててもらいたい。

毎度の話で恐縮ですが、それが分かる方法がライフプランです。
ライフプランを作って、各論でなく、全体最適なプランを作るべきと思うのです。

ライフプランで何をするのか?

iDeCoの場合で言えば、大半の方の目的は老後資金の形成です。

そうすると、まず把握したいのが、自分は老後資金がいくら不足しているのか?です。

そのためには、まず

①受給できる公的年金の額、会社の年金制度
②生活費(基本生活費、住宅のリフォーム、高齢者住宅に費用など)
③老後が始まる時点での保有している現預金や金融資産の額

を把握することが必要です。

そして計算式は

老後資金の不足額=②生活費の合計―①年金の合計ー③保有する金融資産

となります。

①公的年金、②生活費、③金融資産についてもライフプランを行い算出します。

①公的年金は、厚生年金、国民年金のことですが、サラリーマンなのか自営業なのか、現役期間中の収入により保険料が変わりますので、もらえる額も変わります。
それらをまずは計算する必要があります。

③の金融資産は、例えば70歳時点でいくら保有してるかは、現役期間中の収入や生活水準、子供の人数や教育水準、住宅関連費の費用などにより、異なります。

これらが分からないと、老後資金の不足額は算出ができません。


不足額から、積立額を算出する

不足額が分かったら、それをiDeCoで毎月いくら補填したいかを考えます。

iDeCoに限らず、NISAでも、投資信託でも、積立などの投資は、3つの期間で考えるのがよいです。

①積立期間
②据置期間
③取崩期間


①積立期間は、この図でいうと40歳から60歳までの期間で、毎月積立をしていきます。
②据置期間は、この図でいうと60歳から70歳までの期間で、まだ働いているが収入が減り、積立はできないが、まだ受給はせず、それまでに積立して作った資産を運用だけして増やす期間です。
③取崩期間は、この図でいうと70歳から100歳までの期間で、運用をしながら取崩しする期間です。

それで、ここからどう考えるかというと
取崩額(=取崩額の合計)から逆算して積立額を算出する方法です。

計算例

ここで1つ計算をいれます

70歳から100歳までの間で取崩しをする場合、
運用しながら取崩しをする場合と、運用せず取崩しをする場合の比較です。
※税金は考慮していません。

70歳時点で1000万円があり、運用なし(利回り0%)、運用あり(3%と5%)で計算してみます。

運用なしは、当然ですが、運用していないので取崩総額は1000万円、
運用あり(3%)は1537万円で約1.5倍、運用あり(5%)だと1969万円で約2倍。

70歳から100歳までの30年の複利の効果がよくわかります。

何パーセントで運用するか次第で、結果が変わるので、無理のない妥当な範囲で検討する必要があります。

いくら積立が必要か?

ライフプランをやって、公的年金がいくらで、生活費がいくら、保有金融資産がいくら、、、で、70歳時点で2000万円が不足すると仮定します。

そうすると、全期間3%で運用する前提で計算すると
70歳から100歳までの30年間×12か=360カ月でで2000万円割ると、約5万4000円の取崩しが必要です。
3%で運用する前提で逆算すると、70歳時点で1306万円が必要となります。

70歳時点で1306万円にするためには、60歳時点で972万円があれば、3%で10年運用することで達成できます。

60歳時点で972万円の資産を作るためには、
40歳から始めるなら、毎月2万6500円の積立が必要となります。

40歳から60歳までの積立額の総額は636.3万円で、70歳から100歳までの取崩総額は2008.8万円万円ですので、約3倍になっています。

まとめ

今回の記事では老後資金の額から不足額を考えてみました。

記事はざっくりとしたシミュレーションですので、考慮不足もありますが
実際には個々人の状況(収入や生活水準、教育費、年齢)を確認して
ライフプランを作成します。

今回のケースでは、毎月2万6500円の積立が必要なのに、
なんとなく2万円を積立、根拠なく大丈夫だと思って老後を迎えると、
不足していた・・・ということがあり得ます。

ライフプランの通りに人生がいく訳ではありませんが、
一度やってみる価値はあると思います。

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