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「志、忍耐、勇気は足りているだろうか?」 #020

「知識は失敗より学ぶ。
事を成就するには、
志があり、
忍耐があり、
勇気があり、
失敗があり、
その後に、成就があるのである。」
(田中久重)

 明治8年(1875年)、75歳で田中製造所(のちの東芝)を設立した、その志と忍耐と勇気の人生。尊敬という言葉では、自分が感銘を受けたこの気持ちを表現できない、すざましい思い、魂だ。

 「万年時計が見てみたい!」という小学生の息子たちのリクエストに応えるため、昨日、東芝未来科学館(川崎市)に行ってきた。
 氏が最後まで手放さなかったという実物は、国立科学博物館にあるそうだが、その完全コピー(実物を分解して、SEIKOの職人さんたちが作り上げたものらしい)がここにある。まだ江戸時代の1851年(52歳)に、どうやってこれを作り上げたのだろうか。とても、とても、とても、とても想像できない。
 六角形の各面と本体上部に7つの機能が配置され、ぜんまい動力によって連動して動作している。洋時計、和時計、曜日、干支、十二節気、月の満ち欠け、そして京都から見た1年間の太陽と月の動きを表すオブジェクトが上部についている。

東芝科学未来館HPより

 田中久重氏は、48歳で天文学を学ぶために、そして51歳で蘭学を学ぶために、それぞれの学問の道に入門する。飽くなき探究心だ。その後も、蒸気船、蒸気車(汽車)の雛形、アームストロング砲、電話機の試作などを生み出している。そして、75歳で起業だ。

 「もう歳だし・・・」「ちょっと遅いかな・・・」なんて、時折思う自分に、強烈な一括をしてくれる事実がここにある。
 ちょっと弱気になった時、また家族で、ここを訪れパワーをいただこうと思う。


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