いざ!障害者のための就職説明会へ~その②

前回↓からの続きです。

会場内をフラフラし終わり、さぁ帰ろうと入退場口へ向かっていると、県内の超有名企業のブースがありました。ブランド力に惹きつけられて、閉場間際に待機列に座った私。

(こんなん、チョー迷惑だよね。既にこれだけで心象悪いよなぁ…)

自己非難しまくりながらしばらく待っていると、私の面接の順番が来ました。

自己紹介し、席に座る前に「遅くに並んでしまい申し訳ありません。お時間は大丈夫でしょうか?」と頭を下げます。
男性の担当者の方は「いや、呼び止めたのはこっちだし(笑)。お待たせしてすいませんでした。そちらこそ時間は大丈夫ですか?」と逆に気遣ってくださいました。
企業のジャンルとしてはめちゃくちゃお堅い業種なのですが、担当者の方のフランクさにビックリしました。隣では品の良い女性が微笑んでこちらを見ておられます。
面接は主に男性が進めてくださいました。
男性社員「バーミリオンさん(←私の仮名)ですね。障害者手帳を確認させていただけますか?」
おっ、やっぱりすぐに本題に入るんだなぁ~。この明け透けな感じも、二度目ともなれば慣れっこです。精神障害で、手帳は申請中であることを伝えます。すると、
男性社員「なるほど。いつ頃結果が分かりそうですか?」「何級になりそうですか?」
立て続けに訊いてこられました。えっ、そんなこと興味あるの?君ら、身体障害者が欲しいんじゃないんかい? (。・ω・。)
いろいろ訝しくなりながら、なるべく正確な予定日と、等級は2級になるはずと伝えました。
それからは病気になった経緯を訊かれました。こちらが話しているとウンウンと相槌を打ってくださったり、「それは具体的には?」と内容を掘り下げてきたり、熱心にメモを取ってくださったりしていました。しばらく話を聞いてくださったあと、
「それは大変な思いをされたんですね。」
と慮ってくださいました。思わず涙がこぼれそうになるのを必死に耐えます。
その後は「どのくらいの時間、働きたいですか?」と確認されました。私が「あれっ、フルタイムの募集ですよね?」と確認すると、「あーあれは、『フルタイム勤務もできますよ』ってことだから。ウチは短時間の希望の方にもできるだけ配慮してるんよ。」
えっ、スゴーい!!そんな企業もあるのかぁ……ますます魅力に取り憑かれます。本当は実働5時間希望の私。でも少しでも印象が良くなればと、
「5時間とか、6時間とか……」
とちょっと長めに伝えると、
「じゃあ5時間と6時間だったらどっちが良い?」とツッコまれました。
面接開始の時から誠実で、分からないことはすぐに確認してくださるこの人たちに、嘘ついてもアカンな、すぐバレると判断した私は、
「できれば……5時間が良いんです。体力が持つか不安なので。」
と正直に言いました。
「始業は何時がいい?」とも訊かれたので、「9時が良いです。」と答えると、
男性社員「9時から実働5時間で昼休みが1時間だから……午後の3時までか。」
するとすかさず女性社員が
「良いじゃない!やっぱり午前中が忙しいしね。昼過ぎまでカバーしてくれるなら助かるんじゃない?」
と、どう考えても私に有利な助け船を出してくださいました。
ありがたすぎてボーゼンです。(°°;)
さらに、配慮してほしいことを訊かれたので、月1回の通院では必ずお休みをいただかなければいけないことと、今朝出かけるのが遅くなった原因でもある過呼吸についても伝えました。
特に過呼吸はどう言われるか反応が怖かったのですが、
女性社員が「頓服で治るなら、ウチには休憩室があるから良くなるまでそこで休んだらいいよ。別に誰に断らなくても、黙って行ってくれて大丈夫だから。」
と、あっけらかんとした笑顔で、まるで神様かーぃと思う返答をくださいました。
(過呼吸ってドラマとかで、涙を流しながら、苦痛に顔を歪めて、ハァハァ、ヒューヒュー…って感じに描かれちゃうことが多いんですよね。私も過呼吸の出始めはそんな様子でしたが、人間、発作が起こりすぎると手慣れるものでして(笑)、この時にはサッサと頓服+酷い時はペーパーバッグしてました。だからあんまり大げさに心配をかけたくなかったんです。)

さらに、通勤についても確認してくださいます。
男性社員「バーミリオンさんはT市にお住まいなんですね。じゃあ電車かな?このへんまでどのくらいかかる?」
私「1時間程です。」
男性社員「結構かかるね。大丈夫?」
私「T市に住んでたら、普通なんです(笑)」
私も徐々に面接の雰囲気に慣れてきました。
女性社員の方は、
「駅からは歩いてもらうんだけど…ちょっと距離あるんよ。でも、結構歩いてる人いるから。ウチの部長も歩いてるし!バーミリオンさん若いから大丈夫よ!(笑)」
と、これまた助け船のような声かけをしてくださいました。
面接は終始和やかに進み、「ご縁がありましたら、ご連絡をさせていただきますね。」と言われて、終了しました。

帰り道で「あー、さっきの企業良かったなぁ。障害者の話をあんなに丁寧に聞いてくれる人がおるんやなー。女性が上司で男性が部下だろうけど、変な垣根もなくて仲良さそうだったなー。あーぁ、あそこで働ける人、羨ましいわ…」
もう一度採用予定者数を確認しましたが、やはり1人。
「1人かぁ…自分より良い条件の人なんか、いくらでもおるやろから…」
ちょっとガッカリした気持ちになります。
でもまだ手帳も手元にないし、就活も始まったばかりです。「たくさん面接を受けて、良いところで働くぞー!」と気持ちを新たにしました。


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