いざ!障害者のための就職説明会へ~その①

面接会前日。
精神障害者あるあるだと思うのですが(笑)、とにかく私は朝が苦手なので、持ち物や服を前日のうちに完璧に整えました。
履歴書はコピーを提出しても良い、とのことだったので、「何かのトラップじゃねぇだろうな…」とは思いつつも、受けたいのも1社だけの予定だったので、本当に1枚だけ用意しました(笑)。会場に有料コピー機があるとのことだったので、到着したら2枚ぐらいコピー取っとくかな、と心づもりしていました。

そして、当日の朝を迎えます。
起きてみると、何と…体調が絶不調でした。まさかこんな日に…とは思いましたが、やはり緊張していたのだと思います。
その頃は過呼吸の発作も持っていたのですが、全く息が吸えないような有様。身支度どころではなく、ベッドでひたすらペーパーバッグしていました(笑)。
頓服なども使用して何とか復活し、予定よりは大幅に遅れてしまいましたが、家を出発しました。

会場に着くと、すでに大勢の求職者の方たちがいました。
もっと閑散としているかと思っていたので、「世の中に意外と障害者っているんだなぁ~」とマヌケな感想を抱きつつ、受付を済ませます。この時に念のため、手帳が申請中でまだ手元にないことを再度伝えました。そして参加企業の一覧と、ブースの位置が書かれてある案内を受け取りました。
もちろん履歴書のコピーも忘れずに取りました(笑)。

まずは、一目散にお目当ての企業のブースに向かいます。
企業の案内などはなく、いきなり面接担当の方とお話をさせていただきました。
雑談とかするのかな~と思いましたが、手渡した履歴書にひととおり目を通されると、
「バーミリオンさん(←以下、私の仮名です)ですね。障害の種類を確認させていただけますか?」
と、障害者手帳の提示を求められました。
えっ、結構明け透け~Σ(・ω・ノ)ノいきなり本題に入るんだぁ、と少々驚きつつ、精神障害だが手帳申請中であることと、この面接会の主催者側に確認して、そのことを企業側に告知の上でなら参加OKという判断をいただいている、と伝えました。
面接担当の方は少し戸惑っていらっしゃったので、どうやらこのルールはオフィシャルではないようです。面接打ち切りになるかなぁと少しヒヤッとしましたが、何とか続行していただけました。
その後は具体的な病名や、病気になった原因、働きたい時間帯、配慮してほしい事柄などを細かく聞かれました。具体的な仕事内容については説明がなかったので、こちらから気になることはお聞きしました。
そして、こう切り出されました。
「今回の求人は○○支社で出していますが、状況によっては××支社の配属になるかもしれません。それでも構いませんか?」
私「××支社ですか…」

↑返答に困っているのではありません。××支社は自宅から非常に遠く、片道2時間ほどかかります。ですので正直な感想は「はぁ?」でした。履歴書に住所書いてあるやろ…
○○支社までの通勤時間は30分ほど。30分と2時間とではあまりにも条件が違いすぎるので、こちらからも切り込みます。
私「私が御社を希望した理由の1つに、通勤のしやすさがあったのですが、○○支社で採用される方はもう決まった、とかのご理由でしょうか?」
よくよく聞いてみると、こちらの企業では採用する人をまず決定し、支社長に人柄や希望する条件などを伝えた後、支社長判断でどこの配属にするかを決めるのだそうです。なので、採用された後でないとどこで働くことになるかは分からないとのことでした。
私は「そんな、新卒の正社員じゃないんだから…」と、話を聞きながらだんだんとモチベーションが落ちてきました。パートで通勤2時間なんて人にあったことないです…。
「障害者雇用って、こんなもんなのかなぁ…」と、多少ガッカリしつつ、作り笑顔で面接を終えました。

すっかり疲れてしまったので、ひととおりブースを眺めて、雰囲気だけ経験してもう帰ろう、と会場内をウロウロし始めました。
すると、先程の面接官が走って私の方へやって来て、名刺をくださいながら、
「今の間に担当者間で話をして、バーミリオンさんに弊社の二次試験をぜひ受けていただきたい、ということになったのですが、いかがでしょうか?」と言われました。
私としては全く手応えがない面接で、当然落ちたと思っていたのでビックリです。でも会場内を探して走って来てくださったことは純粋に嬉しかったので、「受けさせていただきたいです。」とお返事しました。その場で、試験が筆記試験であることと、集合日時がメモされた紙をいただきました。
「見込みのある人にはその場でツバつけるんやなぁー。あとから電話とかじゃないんだ。」ということに、ビックリしました。

さて、会場内の徘徊(笑)を再開して、さぁ帰ろうか、という時、出入口付近に見慣れたロゴを掲げたブースが見えました。
「えっ?えーーーっ?!」
県内でこの企業を知らない人はまずいないであろう、地方企業ではありながら、それくらいの知名度を持った企業でした。でも確か事前のリストにはなかったはず…と、改めてさっき受付でもらったリストを確認すると、確かに企業名が掲載されています。
追加で参加することになったのかな…と思いつつ、すぐさま採用条件を確認しました。
・フルタイム勤務
・採用予定1名
うーわ、これはきつい。1名でフルタイムってことは身体障害者が欲しいんだろうなぁ…
と思いました。
でも、こんな企業、新卒じゃないとなかなか入れないでしょ!というブランド力に圧倒され、とりあえず話だけでも聞いていただけないか訊いてみよう、と待機列の椅子に座ろうとしました。
その時でした。

「会場の皆様、あと15分ほどで面接会は終了となります。」

主催者側からの案内が聞こえてきました。
その時、ブースでは1人が面接中、さらにもう1人待機列で待っている求職者の方がおり、あと15分で自分のところまで面接が回ってくるというのはどう考えても無理でした。
「朝の体調不良が、こんなところで尾を引くなんて…」と心底ガッカリして、並ばずに立ち去ろうとしました。すると、面接官の方と目が合いました。
面接中にも関わらず、声をかけてくださり、「少し遅くなっても良ければ、面接するので!良かったら座ってお待ちください。」と言っていただけました。
自己責任なのに、お言葉に甘えて良いものか…と迷いましたが、その方はまた面接を再開されているので、もう目も合いません。とりあえず、座って待つことにしました。
「まぁどうせ、欲しいのは身体障害者だろうし。手短に終わらせられるように気を付ければいいよね。」と自己弁護を並べながら。



…しかし結果的に、ここで甘えさせていただいたことが、私の就活に大きな影響をあたえることになります。(次回に続きます)

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