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Book Review「悪魔を出し抜け!」(ナポレオン・ヒル)

出会うべきタイミングで、出会うべき本があると思う。

「思考は現実化する」で有名なナポレオン・ヒルが
1938年に書き上げておきながら70年以上封印されていたという
「悪魔を出し抜け!」

不思議なことに
全然関係のないお二人が、ほぼ同タイミングで
この本のことを言及していたので、
「これは読まねば!」
と手に取りました。

「出し抜け!」という言葉から
ナポレオン・ヒルが一心不乱に決死の戦いを悪魔に挑み
死に物狂いで悪魔を倒そうとしている内容を
勝手にイメージしていましたが、
さわやかにその先入観が裏切られました。

ナポレオン・ヒルと悪魔の対話は極めて親好的。
悪魔さんが、
人間を手中におさめる手口を
ここまで親切に何でも教えてくれちゃうのか!
と読み進めながら目がまん丸になりました。

悪魔を軽々と「出し抜く(Outwitting)」ことができたのも
ナポレオン・ヒルの霊性の高さ故のことなんでしょうか。

悪魔が人間が「流される」ように仕組んでいる
その方法を惜しげもなく開示してくれています。

それは「恐怖」と「無知」であると。

逆に言えば、成功し、真の幸せをつかみ取るには
「流されない」人間になればよい

そのためには
恐怖は自分の頭で勝手に作り出しているものだと認識をし、
自分で考える人間になること

そして
明確な目標を持つこと

ということまで教えてくれています。

なーんて親切な悪魔なんでしょう!
ホントに悪魔なんでしょうか!?!?

この本を理解する上で必須のキーワードは
「ヒプノティック・リズム」

催眠術にかかったようなリズム
ということですね。

私なりに理解した「ヒプノティック・リズム」は
以下になります。

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「ヒプノティック・リズム」自体に
良いも悪いもなく、
宇宙を支配している法則であり真実である。

成功者が目標を達成し夢を実現できるのも
悪魔が人間を流される人間に仕立て上げるのも
どちらも「ヒプノティック・リズム」が作用しているからだ。

催眠術がかかった状態というのは
自分の意思の力を使わなくても行動ができるということ。

だから
「何かをしなくては!」「変えなければ!」とエネルギーを注がなくても
自然に、惰性として、無意識に、行動できてしまう状態のこと。

とどのつまり、
「ヒプノティック・リズム」は宇宙の大原則なのだが
人間が成功するためという観点で言うと、
「習慣」が肝要ということだ。

習慣とは、
朝起きて歯を磨く
というような行動だけを含むのではなく、
思考の習慣も含まれる。
そして思考が固定化されて一定のリズムを生み出すことで
個性や性格も固定化されていくという。
そしてそのリズムの結果、
いつも考えていることが具現化する(=引き寄せている)というしくみなのだ。

欲望とは思考と呼ばれるエネルギーの塊だ。欲望が感情と結びつくと、その欲望が保存されていた脳細胞が磁力を帯び、その細胞はいつヒプノティック・リズムに支配されても指示されても良い状態となる。脳の中に現れた、あるいは形成された思考が強い感情と結びつくと、ヒプノティック・リズムはただちにその思考を現実の形あるものに変換する。

せっかくなら
悪魔に「流される」ことなく
「ヒプノティック・リズム」を上手に利用して
実りのある人生を実現したいですね。

個人的に特に勇気づけられたのは以下のくだり。

失敗は実は恵みに転換することが多いのだ。というのも、失敗した人間はヒプノティック・リズムの呪縛から解放され、一からやり直すことができるようになるからだ。

ナポレオン・ヒルは1920年代後半の大恐慌を生き抜いています。
そして大恐慌に恐怖に煽られて奈落の底に転がり落ちてしまった人間と
混乱の中に成功の種を見つけ這い上がり豊かになった人間の両方を
見てきたと言います。

80年近く前に書かれたこの本のメッセージが
激動を迎えている今の時代にも通用するものであり
また今の時代にこそ必要なものである
と感じました。
この本を読んで、勇気づけられる方は
多いのではないでしょうか。

時代の先の先の先を見据えていた
ナポレオン・ヒルの慧眼に
ただただ深く畏敬の念を抱かずにはいられません。

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