「てるてる坊主=形代」説・再考【てるてる坊主考note#27】
はじめに
寛政元年(1789)に蝦夷(現在の北海道)を旅した菅江真澄(1754~1829)は、旅の記録を『蝦夷喧辞弁』と題してのこしています。そのなかに、旅の途中で目にしためずらしいてるてる坊主について記しています(傍点筆者)[内田武志・宮本1971:41頁]。
前日から降り続く雨のなか、子どもが紙で「てろてろぼうづ」を作っています。頭から縦に真っ二つに切り、そのひとつひとつに糸を付け、木の枝に逆さまに吊るすという作法がつづられています。
注目したいのは、菅江真澄