第2章 情報処理と意思決定
どうも、もっさんです。
運動学習とパフォーマンス。
マガジン投稿していますが、うまくできているのか・・・不安もありますが
今回は第2章。情報処理と意思決定をテーマにまとめます。
では早速。
情報処理的アプローチ
人間はコンピューターとよく似た一種の情報処理系とみなす。
情報は入力とし人間に呈示され、その情報に基づいて様々な情報処理段階が活動を開始し出力する。
単純に考えると
入力 ⇨ 人間 ⇨ 出力
こうなるみたいです。
この人間の部分を理解することが重要で、情報処理にはいくつかの段階があると。情報の入力から出力までにそれらを通過する必要がある。
・刺激同定
・反応選択
・反応プログラミング
情報処理は、3段階に分かれるとのこと。
情報処理段階
一つずつ見ていきましょう。
⑴刺激同定段階
最初の処理段階。この段階で行うべき課題は、刺激が呈示されたかどうか、呈示されたとしたらそれが一体何であるかを判断すること。
視覚・聴覚・運動感覚・臭覚などの情報を分析する感覚段階と言える。
この段階での処理結果 = 結果の描写 であり、この情報が次の処理段階へと転送される。
⑵反応選択段階
与えられた環境の性質に応じてどの様な運動を実行すべきか決定することが課題。パスかシュートかなど、いくつかの運動の中から1つが選択される。
この処理段階は、感覚入力と運動出力に介在する一種の変換機構であると言える。
⑶反応プログラミング段階
最終段階。反応選択段階で行われた運動の決定を受けて開始される。
目標となる運動を実行するための運動システムを組織することが課題。
このシステムは、運動を実行する前に
脳幹と脊髄に運動を行うための低い水準の機構を準備し、運動を制御する運動プログラムを検索・作成し、さらに目標となる運動を実行するために必要な力の大きさ、力を発揮する順序とタイミンなどの筋収縮の条件を指示することが重要となる。
まとめると
入力 ➡︎ 刺激同定 ➡︎ 反応選択 ➡︎ 反応プログラミング ➡︎ 出力
これらは、人間全ての情報処理システムないに含まれているが、それを目にすることはできないものである。
反応時間と意思決定
意思決定の速さとその有効性を示す重要なパフォーマンス測定の1つが反応時間である。
反応時間とは、刺激が呈示されてから反応が開始されるまでの時間感覚を指している。反応時間の短縮は極めて有利となる。
反応は
入力 ➡︎ 刺激同定 ➡︎ 反応選択 ➡︎ 反応プログラミング ➡︎ 出力
これらの処理を行っており、1つもしくはそれ以上の段階の処理が遅れると反応時間も遅れることになる。
また、一般に選択可能な運動の数が増えるにつれて、どの運動に反応するにせよ反応時間は徐々に長くなる。一番速いのは、1つの刺激に対して1つの反応をする場合であり、これを単純反応時間と呼ぶ。
反応時間の増加は、選択肢が1から2へ増加するときに最も大きくなる。
・単純反応時間➡︎190ミリ秒前後
・2選択場面➡︎300ミリ秒以上 実に58%も増加!
しかし、この増加は選択数が増えるごとに徐々に少なくなっていく。
本ないで紹介されているグラフで見ると、大体6つくらいまでが反応選択時間の伸びが大きく、特に9から10へ増加する場合には、その延長時間はわずかである。
野球でいえば、投手の球種を増やすことも、相手打者の処理時間を遅らせる効果がある。(この辺りも、頭で分かっていても言語化できなかったので、わかりやすい)
刺激 - 反応の対応性
選択反応時間を規定する重要な要因として、刺激 - 反応の対応性があり、一般に、刺激とそれによって生じる反応が自然な方法で結びついている程度と定義されている。
例)バウンドしてくるボールを捕る;右にバウンドすれば右で捕り、左へバウンドすれば左で捕る。一方、その逆で行おうとすると反応は自然であるとは言い難く、刺激 - 反応の対応性は低い、あるいは対応していないと言える。
刺激数が一定であれば、刺激 - 反応の対応性が増加するにつれて選択反応時間は短くなる。
この刺激反応時間に影響する2大要因は
①練習の質 ②練習の量 とのこと(やはりここが大事!)
練習を積むことにより、自動的処理を行って反応している。
また、自動化の練習には、同じ刺激が常に同じ反応を起こす一貫した計画で練習することが最も効果的である。(ここについては9章で説明があるみたいです・・・)
見越し
ある情報をもとに、反応選択もしくは反応プログラミング段階で行われる情報処理活動を完了し、運動を前もって組織できる能力。
必要なときにはいつでも運動を実行している様に見えるのである。
見越しには主として2つのタイプがある。
⑴空間的見越し;環境の中で何が起ころうとしているのか予測すること
⑵時間的見越し;何が起きるかは分かっていても、それがいつ起きるのかを予測すること
これら見越しによって、パフォーマンスは劇的に向上する。そのため、相手も予想させまいとあらゆる手段を使って駆け引きをする。それがスポーツの大事な作戦となる。(こう言う観点からも、スポーツは面白い!!)
規則性のある運動は、予想が立てやすいがランダムに変化させられれば見越し能力の発揮は難しい。
見越しはいいことばかりではない。
見越しの損失
見越しには多くの利益があるが、同時にコストもかかる。見越しの根本的な弱点は、予測した運動が実際に行われなかった場合にある。
例)テニスで相手が左に打ってくると予測すれば、当然左に動くことになるがボールが右へ飛べば、呆然と見送ることになる。
サッカーもPKなんかもそうでよね。
正しい見越しは有益であるが、誤った見越しは取り返しのつかない重大な結果を生むこともある。
ここで、予備的な処理が行われた後に環境が変化した場合、すなわち準備された運動が開始されたもののそれが正しくなかった場合はどうするのか。
まず最初に、準備した運動を制御する、もしくは白紙の状態にしなければならない。(これらの処理には40ミリ秒前後の時間がかかる)
覚醒
覚醒とは、中枢神経系で賦活された興奮、もしくは活性の水準を意味する。
ここからは、覚醒がスポーツパフォーマンスと情報処理に及ぼす影響について。
覚醒のパフォーマンスに対する機能の重要な原理が逆U字原理として知られている。
こう言うグラフのことです。
縦軸がパフォーマンスを、横軸が覚醒水準を表します。
覚醒水準が上がるごとにパフォーマンスも上がります。しかし、ある水準まで。中程度の覚醒水準時にピークに達するが、さらに上昇すると、逆にパフォーマンスは低下する。
また、覚醒がパフォーマンスに及ぼす影響は、スキルの種類によっても左右される。
・意思決定や小筋運動制御を必要とする課題では、選手の覚醒を比較的低い水準にするべき。
・大筋運動や力やスピードが要求される課題のパフォーマンスを高めるには、高い覚醒水準を作り出す必要がある。
選手には、覚醒がパフォーマンスにプラスにもマイナスにも作用することを教える必要がある。そして、覚醒の上昇には個人差があることも。
視野の観点からも。
覚醒水準が上昇すると視野は狭くなり、焦点化する。
これはメリットでもあるが、良きせぬことが起こったときにはパフォーマンスは低下すると言ったデメリットも併せ持つ。
最適な覚醒水準とは、注意の焦点が絞られることによって課題の遂行と無関係な手がかりが排除されるものの、課題に必要な検出すべき手がかりには注意が配分されている状態を示している。
2章は長いのでここで一旦、切ります。
また、続きも書きます。
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