陸上選手の足首は硬い方がいいの?と言う話
今回は、陸上選手の足首は硬い方がいいのか?と言うテーマです。
受動的足底屈筋剛性とランニングパフォーマンスの潜在的な関係(上野ら2018)を読んでのまとめです。リンクはこちら↓
陸上競技に携わる中で、感覚的には、足首の硬い選手の方が競技レベルが高い印象がありました。
さて、実際はどうでしょうか。
※このブログは、私の勉強したことをメモする、整理する意味と、それが少しでも誰かのお役に立てばと思い投稿しております。読む方にとって解釈の違いもあると思います。もし違った解釈やご意見がありましたら、コメントいただけると幸いです。
硬い方が有利と言える。が、固める事が出来る能力の方が重要
結論から言うと、接地時の足関節底屈筋剛性が高い選手の方がランニングパフォーマンスは高いと言えそうです。
これには、ROM(柔軟性)が低い選手、必要なタイミングで筋を働かせ固めることの出来る能力の2パターンがあります。(この辺りは後ほど)
研究的に
いくつか、この結果を支持する文献を紹介します。
・持久系ランナーの受動的足関節底屈筋剛性は、5000mのタイムと有意に相関(上野ら2018)
・ランニングエコノミーは足関節背屈のROMに関連する(Boine DC 1979)
・受動的剛性は腱組織よりも筋組織の特性と関連する(Chino Kら2012)
など
足関節底屈筋は、足底が地面に接触中の身体の支持と推進に大きく貢献します。
以上のことから、足関節底屈筋の剛性が高いと、パフォーマンスが高い傾向にありと言えます。
足首は硬くていいのか
研究レベルでは、硬い方が有利に働きそうです。
しかし、ここには怪我の既往歴などのマイナス面が見えていません。これらも含めて考えないといけませんね。
足首が硬いと、アキレス腱炎や足底筋膜炎、シンスプリントなどの障害に繋がることもあります。また、膝や股関節、腰など別部位への影響も考えなければいけません。
理想は、固めることの出来る能力
必要なタイミングで底屈筋を働かせ、固めることのできる能力が必要となります。
あれ?でも前回の投稿では、下腿三頭筋(底屈筋)の横断面積が大きいとパフォーマンスが低かったんじゃ?と言う疑問が出ますよね。前回の投稿でご確認下さい。
足を接地する際、膝は少し曲がっています。少し解剖学的な話になりますが、下腿三頭筋を構成する筋には、腓腹筋とヒラメ筋があります。
腓腹筋は、膝関節と足関節をまたぐ2関節筋です。一方でヒラメ筋は、足関節のみをまたぐ単関節筋です。
接地時、膝関節は少し曲がっています。ここで必要なのはヒラメ筋なのかなと考えます。
以前のまとめた論文でも、ヒラメ筋の筋横断面積とパフォーマンス低下の関連は見られなかったとされています。
※2020.5.14追記
リンク記事更新しています。
オススメトレーニング
アンクルホップと言うトレーニングがオススメです。
足首を使っての連続ジャンプです。(プライオメトリックトレーニング)
なるべく接地時間を短くし、より高く飛ぶことを意識します。
手を腰にして実施したり、手の動きを上手く合わせて実施したり。
youtubeなどでも見れますので、ぜひ見てみてください!
こちらでもまとめております!
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